かゞ)” の例文
百松は、萬筋まんすぢの單衣を端折つて、舞臺の上にかゞみました。蝋燭をかゝげると、縛られたお村の顏よりは、自分の醜怪しうくわいな顏の方が、灯りの眞ん中へヌツと出ます。
丸い顔の、腰に斧をした男が、瓢簟を持つて、滝壺のそばかゞんでゐる。三四郎が美禰子の顔を見た時には、青竹のなかに何があるか殆んど気が付かなかつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
日光につくわうやはらかにみちびかれ、ながれた。そのひかりやうや蒲團ふとんはしだけにれるのをると、わたしかゞんでその寢床ねどこ日光につくわう眞中まなかくやうにいた。それだけの運動うんどうで、わたしいきははづみ、ほゝがのぼつた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)