かゞ)” の例文
時過じすぎかれははつとして、このゆめからめた。御米およね何時いつものとほ微笑びせうして枕元まくらもとかゞんでゐた。えたくろなかとく何處どこかへつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
危いのを、右手で其兒を押へながら、身をかゞめて、左手を伸ばし、取らうとすると、砂がほろ/\崩れて崖下へ落ちて行く。下は深い谿たにだ。底深く吹き上げて來る風に草花はゆら/\搖れてゐる。
(旧字旧仮名) / 吉江喬松吉江孤雁(著)
女はこしかゞめた。三四郎は知らぬ人に礼をされて驚ろいたと云ふよりも、寧ろ礼の仕方しかたの巧みなのに驚ろいた。腰からうへが、風に乗る紙の様にふわりと前に落ちた。しかも早い。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
代助は何をするともなく其あひだかゞんでゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)