“ぶつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ブツ
語句割合
31.1%
21.1%
打突8.9%
打付6.7%
打着6.7%
5.6%
打衝5.6%
打撞3.3%
衝突3.3%
1.1%
1.1%
1.1%
打附1.1%
擲付1.1%
1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さあ、念仏は何にしべいか。ァまァぶつにするか。ジンバラハラバイタァウンケンソバギャアノベイロシャノにするか」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今度のは相手がえらぶつなので騷動が大きくなり、養父の院長がかんかんに怒つてしまつたので、たうとう病院を飛出してしまつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
そのうち、突然にお祖父様の右手ががったと思うと、煙管が父のモジャモジャした頭の中央に打突ぶつかってケシ飛んだ。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
また奇な事は馬一たびおどろけば諸他の心性まるで喪われたちまち狂奔して石壁に打付ぶつかるを辞せず、他の獣も慌て過ぎて失心自暴する例あれど馬ほど劇しいものなし。
此処で又紛々ごたごたと入乱れ重なり合って、腋の下から才槌頭さいづちあたま偶然ひょっと出たり、外歯そっぱへ肱が打着ぶつかったり、靴のかかと生憎あいにく霜焼しもやけの足を踏んだりして、上を下へと捏返こねかえした揚句に、ワッと門外もんそとへ押出して
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
母親は物優しく「まあ二郎ちゃん、お前さんは何をしだい、何もしない兄さんをぶつなんて、お父さんがお帰りですと叱られたらどうなさいます。さあおわびをなさい。」
迷い路 (新字新仮名) / 小川未明(著)
打衝ぶつかる処で打衝かつて破滅する時に破滅する。アヽ、自殺がしたい。二度も三度も自殺がしたい。
蝶吉はつまずくように駒下駄を脱いで、俯向うつむけに蹌踉よろけ込んで、障子に打撞ぶつかろうとして、肩をかわし、退すさって、電燈を仰いで、ふみしめて立った。ほッという酒の息、威勢よく笑って
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてその間にウト/\と鈍い眠りを続ける……ふと彼は急に大きな明るいものに衝突ぶつかつたやうな気がして眼を見開いた。玄関からこんな対話が響いて来る。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
末世まつせぶつえんれしかのしやうぎよく
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
やつくれえばかに運のつええやつアねえぜ。ぶつちゃア勝つ、遊んで褒美ほうびはもれえやがる、鉄砲玉アあたりッこなし。運のいいたやつのこっだ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
これは「ぶつ々々々」と不平を鳴らして居るのであらうか。あるいは「仏々々々」と念仏を唱へて居るのであらうか。あるいは「物々々々」と唯物説ゆいぶつせつでも主張して居るのであらうか。(四月七日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「まず、じらす内がたのしみよ。」と蜜柑の皮をつかんでは、ほたほたと地板じびた打附ぶつける。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ムヽ親方と十兵衞とは相撲にならぬ身分のちがひ、のつそり相手に争つては夜光のたま小礫いしころ擲付ぶつけるやうなものなれば、腹は十分立たれても分別強く堪へて堪へて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それはちんせんぶつこんしんの五人であった。ある夜、渾の夢に父がきて
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
慌ただしい率八の跫音あしおとが、どどどどッと来て納屋の外へぶつかったかと思いますと
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)