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ぶつ
ふりがな文庫
“
物
(
ぶつ
)” の例文
旅
(
りよ
)
行の時にはもう
戀
(
こひ
)
人のやうな
伴侶
(
はんりよ
)
で、
撮影
(
さつえい
)
、
現像
(
げんぞう
)
、
燒
(
や
)
き
付
(
つけ
)
の
技量
(
ぎれう
)
も
自然
(
しぜん
)
と巧くなつて、學校での
展覽會
(
てんらんくわい
)
では
得意
(
とくい
)
な出
品
(
ひん
)
物
(
ぶつ
)
であり
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
今度のは相手がえら
物
(
ぶつ
)
なので騷動が大きくなり、養父の院長がかんかんに怒つてしまつたので、たうとう病院を飛出してしまつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
所詮
(
つまり
)
周三がお房を
懌
(
よろこ
)
ぶ意味が違つて、一
個
(
こ
)
の
物
(
ぶつ
)
體が一
人
(
にん
)
の婦となり、
單純
(
たんじゆん
)
は、併し
價値
(
かち
)
ある製作の資
料
(
れう
)
が、意味の深い心の
糧
(
かて
)
となつて了つた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
長州には高杉晋作なんてエラ
物
(
ぶつ
)
がいて、幕府の兵隊の足許を見くびっちゃって、鼻唄まじりで引寄せてはひっぱたき、引寄せてはひっぱたき
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この
間
(
あいだ
)
も、
斎藤茂吉
(
さいとうもきち
)
博士の随筆中に、武子夫人が
生
(
いき
)
ていられたうちは書かなかったがと、ある
田舎
(
いなか
)
へいったら、砂にとった武子さんのはいせき
物
(
ぶつ
)
を見て
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
で、その
家
(
いえ
)
と
総
(
すべて
)
の
什具
(
じゅうぐ
)
とは、
棄売
(
すてうり
)
に
払
(
はら
)
われて、イワン、デミトリチとその
母親
(
ははおや
)
とは
遂
(
つい
)
に
無
(
む
)
一
物
(
ぶつ
)
の
身
(
み
)
となった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あれ程までに
足掻
(
あが
)
きつ
踠
(
もが
)
きつして穿鑿しても解らなかった
所謂
(
いわゆる
)
冷淡中の一
物
(
ぶつ
)
を、今訳もなく造作もなくツイチョット突留めたらしい心持がして、文三覚えず身の毛が
弥立
(
よだ
)
ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
もしも私が日蓮ほどの
偉
(
え
)
ら
物
(
ぶつ
)
であったなら、きっと私は草木を本尊とする宗教を樹立して見せることが出来ると思っている。私は今草木を無駄に枯らすことをようしなくなった。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
この
親爺
(
おやじ
)
全くの気違いか、それともズバ抜けたえら
物
(
ぶつ
)
かどちらかに相違ない。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
主人の姉——名はお
貞
(
さだ
)
——というのが、昔からのえら
物
(
ぶつ
)
で、そこの女将たる実権を握っていて、地方有志の宴会にでも出ると、井筒屋の女将お貞婆さんと言えば、なかなか幅が
利
(
き
)
く代り、家にいては
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
昔から犬は 寒がらない動
物
(
ぶつ
)
であつたはづだわ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
そして、家の中での人
物
(
ぶつ
)
撮影
(
さつえい
)
は、いふまでもなく日
曜
(
よう
)
日には
可成
(
かな
)
り
重
(
おも
)
いそれの鞄をかついで
郊外
(
こうぐわい
)
へ
撮影
(
さつえい
)
に行く。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
毛色の変った人物といえば、近頃てこずった難物——と申し上げては少々恐れ多いが、とても扱いにくいエラ
物
(
ぶつ
)
がおいでになって、拙者も弱り切っている。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
で、
其家
(
そのいへ
)
と
總
(
すべて
)
の
什具
(
じふぐ
)
とは、
棄賣
(
すてうり
)
に
拂
(
はら
)
はれて、イワン、デミトリチと
其母親
(
そのはゝおや
)
とは
遂
(
つひ
)
に
無
(
む
)
一
物
(
ぶつ
)
の
身
(
み
)
となつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「出放題をいうものじゃありません、馬鹿だか、エラ
物
(
ぶつ
)
だか、お前なんぞにわかってたまるものか」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ピーシチク ニーチェがね……哲学者の……
誰
(
だれ
)
しらぬ者もない、えら
物
(
ぶつ
)
ちゅうのえら物の……あのすごい知恵者がな、その著述のなかで、にせ札は作ってもいいとか言っているが。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それは今から
思
(
おも
)
へば、七八円
程
(
ほど
)
の
安價
(
あんか
)
な
組立寫眞器
(
くみたてしやしんき
)
だつたが、それを見、また景色にしろ人
物
(
ぶつ
)
にしろ相
當
(
とう
)
立派
(
りつは
)
に
寫
(
うつ
)
し出されてゐるPOP
印畫
(
いんぐわ
)
を
眺
(
なが
)
めた時、
私
(
わたし
)
は
嫉妬
(
しつと
)
に近い
羨
(
うらや
)
ましさを
感
(
かん
)
じ
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「あれの親がエラ
物
(
ぶつ
)
であったというではないか。そうして酒を飲んだか」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そうだ、義観のほかに、竜王院の堯忍、竹林坊の光映などというところは、覚王院とは異った長所を持つエラ
物
(
ぶつ
)
だという噂だが、とにかく、覚王院一人に逢っただけでも意を強うするに足るものだ」
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ははあ、お父さんという人が、そんなエラ
物
(
ぶつ
)
だったんですか」
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お前もムクだけのエラ
物
(
ぶつ
)
になりな。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“物”の意味
《名詞》
(もの)人の認識の対象となる存在又はそれに順ずる概念。cf.こと。
(もの、「者」と読み分ける場合はブツ)(法律)権利等の主体である人に対立する概念で、権利等の客体をいう。
(ブツ)(隠語)違法に取引されるもの。
(出典:Wiktionary)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“物”を含む語句
着物
物語
怪物
食物
腫物
動物
供物
作物
贈物
副食物
生物
物凄
果物
玩弄物
器物
植物
香物
物品
物柔
贋物
...