ぶつ)” の例文
いやな風体ふうていな奴があとから附けて来ましたから、盗賊どろぼうだと思いましたゆえ、逃げ出す途端に、貴方あなたぶつかりまして、何とも申訳がありません
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母親は物優しく「まあ二郎ちゃん、お前さんは何をしだい、何もしない兄さんをぶつなんて、お父さんがお帰りですと叱られたらどうなさいます。さあおわびをなさい。」
迷い路 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やっぱり横の方へ横の方へと飛んではぶつかり、打かっては飛んで、死ぬ程苦しんでいます。
虻のおれい (新字新仮名) / 夢野久作香倶土三鳥(著)
道々私はうたいにくい音諧おんかいを大声で歌ってその友人にきかせました。それが歌えるのは私の気持のいい時に限るのです。我善坊の方へ来たとき私達は一つの面白い事件にぶつかりました。
橡の花 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
ぶつかって跳返されて泣いてゐる
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)