つっ)” の例文
「もう、私は、」とたまりかねたか、早瀬の膝をハタと打つと、赤らめた顔を手巾ハンケチで半ばおおいながら、茶店を境内へつっと出る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
江戸児えどっこだと、見たが可い! 野郎がそんな不状ぶざまをすると、それが情人いろならかんざしでも刺殺す……金子かねで売った身体からだだったら、思切って、つっと立って、袖を払って帰るんだ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
図書 以後、お天守したゆきかいには、誓って礼拝をいたします。——御免。(つっと立つ。)
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)