“大衝立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おおついたて60.0%
おほついたて40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呵々からからと気違いじみた笑いを突走らせるのは、黒髪も衣紋えもんも滅茶滅茶に乱した妖婦お小夜、金泥きんでいに荒海を描いた大衝立おおついたての前に立ちはだかって、あでやかによこしまな眼を輝かせます。
その中に、ひさしに唐辛子、軒にだいだいの皮を干した、……百姓家の片商売。白髪の婆が目を光らして、見るなよ、見るなよ、と言いそうな古納戸めいたなかに、字も絵も解らぬ大衝立おおついたてを置いた。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
呵々から/\と氣違ひ染みた笑ひを突走らせるのは、黒髮も衣紋も滅茶々々に亂した妖婦お小夜、金泥きんでいに荒海を描いた大衝立おほついたての前に立ちはだかつて、艶やかによこしまな眼を輝かせます。
竜を描いた新しい大衝立おほついたてが玄関の正面にある。その蔭で、机に向つてゐるのが産院で見覚えの大津しもであつた。白粉おしろいをこつてりとつけて、紺の上着に紺の袴をはいて、何か書きものをしてゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)