“背延”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せいのび40.0%
せいの20.0%
せの20.0%
せのび20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分はうしろから背延せいのびをして、お貞さんの姿を見た時、なるほどこれで列がおくれるんだなと思うと同時に吹き出したくなった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
行列はまだ尽きないのかと、また背延せいのびをして見下みおろした時、自分は再び慄とした。金盥かなだらいと金盥の間に、四角な早桶はやおけはさまって、山道を宙に釣られて行く。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白い犬の姿はゆっくりと背延せのびをするように体をのびのびとさしたが、やがて歩きだして中敷の前をかすめて裏門の方へ往った。真澄は彼奴あいつおかしな奴だなひとつ見とどけてやれと思った。
岐阜提灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
八五郎は背延せのびをすると、戸袋の上から、泥だらけの藁草履を一足取りおろしました。夜露に濡れて代無しになり、戀の通ひ路に履くやうな意氣な代物ではありません。