みね)” の例文
春日重蔵は木剣のみねからずッと自斎の構えを見て数十度の試合にもかつて体験のない驚異にたれた。彼の立青眼はそそり立つ峰か、堅固の金城の如く、全身羽毫うごうの隙もなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちイッ……この野郎! と孫兵衛は刀のみねから鋭い目を通して相手を睨んだ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アッと拾いかかるところを、新九郎はここぞ狙いどころと、その背へズーンと斬りつけたが、敵のからだに刀が当ると、みねが返って肉は切れなかった。しかし一念の力に郷士はワッとへたばった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)