白昼夢はくちゅうむ
あれは、白昼の悪夢であったか、それとも現実の出来事であったか。 晩春の生暖い風が、オドロオドロと、火照った頬に感ぜられる、蒸し暑い日の午後であった。 用事があって通ったのか、散歩のみちすがらであったのか、それさえぼんやりとして思い出せぬけれ …