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容色
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きりやう
ふりがな文庫
“
容色
(
きりやう
)” の例文
昔から優しい性質の女で、
容色
(
きりやう
)
よしのお文さんは、私のために「ばい、蟹、いかの刺身」などこの国自慢の献立をして私を悦ばせた。
念仏の家
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
神田の惡戯者が娘番附を拵へて、東の
關脇
(
せきわけ
)
に据ゑた
容色
(
きりやう
)
、疲れと怖れに、少し青くはなつて居りますが、誰が眼にも、これは美しい娘でした。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
却説
(
さて
)
小助
(
こすけ
)
は、
家
(
いへ
)
を
出
(
で
)
た
其
(
そ
)
の
足
(
あし
)
で、
同
(
おな
)
じ
村
(
むら
)
の
山手
(
やまて
)
へ
行
(
い
)
つた。こゝに
九兵衞
(
くへゑ
)
と
云
(
い
)
ふものの
娘
(
むすめ
)
にお
秋
(
あき
)
と
云
(
い
)
ふ、
其
(
そ
)
の
年
(
とし
)
十七になる
野上一郡
(
のがみいちぐん
)
評判
(
ひやうばん
)
の
容色
(
きりやう
)
佳
(
よ
)
し。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少し
容色
(
きりやう
)
の劣つた姉の方が
頻
(
しき
)
りに
拙
(
まづ
)
い
仏蘭西
(
フランス
)
語で僕に話し掛けて「日本は
我
(
わが
)
英国と兄弟の国だ」とか「ゼネラル乃木が
何
(
ど
)
うだ」とか
愛嬌
(
あいけう
)
を
撒
(
ま
)
いた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
窺
(
うかゞ
)
へば女の
化粧
(
けしやう
)
する
動靜
(
やうす
)
なり何心なく
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こめ
)
ば年の頃は十八九の娘の
容色
(
きりやう
)
も
勝
(
すぐれ
)
て
美麗
(
うつくし
)
きが
服紗
(
ふくさ
)
より一ツの
金包
(
かねつゝみ
)
を取出し中より四五
兩
(
りやう
)
分
(
わけ
)
て紙に包み跡を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
お母さんは若い時には
容色
(
きりやう
)
のいゝ方でしたつてね。お醫者さんのお婆さんがよくさう云つてたつて、お米さんが何時か私に話してゐましたよ。私も
屹度
(
きつと
)
さうだつたらうと思ひますよ。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
教育の大切な事が誰の
頭脳
(
あたま
)
にも入つて来たから、さういふ下らぬ遊を
為
(
す
)
るものも少く
為
(
な
)
つたけれど、まだ私等の頃までは、随分それが盛んで、やれ平右衛門の二番娘は
容色
(
きりやう
)
が好いの
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
營
(
いとな
)
むが
上
(
うへ
)
に
彼
(
か
)
れは
本家
(
ほんけ
)
とて
世
(
よ
)
の
用
(
もち
)
ひも
重
(
おも
)
かるべく
我
(
われ
)
とて
信用
(
しんよう
)
薄
(
うす
)
きならねど
彼方
(
かなた
)
に
七分
(
しちぶ
)
の
益
(
えき
)
ある
時
(
とき
)
こゝには
僅
(
わづ
)
かに
三分
(
さんぶ
)
の
利
(
り
)
のみ
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
繁榮
(
はんえい
)
長久
(
ちやうきう
)
の
策
(
さく
)
は
彼
(
か
)
れ
松澤
(
まつざは
)
の
無
(
な
)
きにしかず
且
(
か
)
つは
娘
(
むすめ
)
の
容色
(
きりやう
)
世
(
よ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたれば
是
(
これ
)
とても
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つの
金庫
(
かねぐら
)
芳之助
(
よしのすけ
)
とのえにし
絶
(
た
)
えなば
通
(
とほ
)
り
町
(
ちやう
)
の
角
(
かど
)
地面
(
ぢめん
)
持參
(
ぢさん
)
の
聟
(
むこ
)
もなきにはあらじ
一擧兩得
(
いつきよりやうとく
)
とはこれなんめりと
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
靜かに一禮して上げた顏は、其邊の商賣人にも滅多にない
容色
(
きりやう
)
で、髮形、銘仙の小袖、何となく唯の奉公人ではありません。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なに
)
ね、
今
(
いま
)
から、二三
年
(
ねん
)
、
然
(
さ
)
うだねえ、
彼
(
か
)
れこれ四
年
(
ねん
)
には
成
(
な
)
るづらか。
東京
(
とうきやう
)
から
来
(
き
)
なさつたな、そりや、
何
(
ど
)
うも
容子
(
やうす
)
たら、
容色
(
きりやう
)
たら、そりや
何
(
ど
)
うも
美
(
うつくし
)
い
若
(
わか
)
い
奥様
(
おくさま
)
がな。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ふゝむ、さうかね、
容色
(
きりやう
)
はよし学問は出来るし、中々才女ぢやつたがね。ふゝむ。」
念仏の家
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
斯う噂をして居たが、和上に
帰依
(
きえ
)
して居る
信者
(
しんじや
)
の
中
(
なか
)
に、
京
(
きやう
)
の
室町錦小路
(
むろまちにしきのこうぢ
)
の
老舗
(
しにせ
)
の呉服屋夫婦が
大
(
たい
)
した
法義者
(
はふぎしや
)
で、十七に成る
容色
(
きりやう
)
の好い
姉娘
(
あねむすめ
)
を
是非
(
ぜひ
)
道珍和上
(
どうちんわじやう
)
の
奥方
(
おくがた
)
に
差上
(
さしあ
)
げ
度
(
た
)
いと
言出
(
いひだ
)
した。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「
彼處
(
あしこ
)
ぢやまだ
祕密
(
ないしよ
)
にしてるやうだけど、おら、
昨日
(
きのふ
)
確かなところから聞き込んだのさ。よつちやんがその息子さんに見染められたといふことだが、女は
容色
(
きりやう
)
のいゝのが何よりだ。大した仕度金が出るつてことだよ。」
玉の輿
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
昔のお常の美しさを追ふ、若い男達は、お常の
容色
(
きりやう
)
の變化などには氣も付かぬ樣子で、相變らず店を賑はして居ります。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夕間暮
(
ゆふまぐれ
)
なる
眉
(
まゆ
)
の
影
(
かげ
)
、
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
も
縺
(
もつ
)
れたが、
目鼻立
(
めはなだ
)
ちも
判明
(
はつきり
)
した、
容色
(
きりやう
)
のいゝのを
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
ると、
呀
(
あつ
)
、と
其處
(
そこ
)
へ
飛脚
(
ひきやく
)
が
尻餅
(
しりもち
)
を
搗
(
つ
)
いたも
道理
(
だうり
)
こそ。
一昨年
(
をとゝし
)
亡
(
な
)
くなつた
女房
(
にようばう
)
であつた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
随分思ひ切つた厚化粧だが、仕上を見ると
大分
(
だいぶん
)
に
容色
(
きりやう
)
を上げて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
蒼い月の光に照らされたところを見ると、年の頃は二十二三、少しふけては居りますが、素晴らしい
容色
(
きりやう
)
です。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
怪㤉
(
をかし
)
な
事
(
こと
)
には、
眉
(
まゆ
)
が
何
(
ど
)
う、
目
(
め
)
が
何
(
ど
)
う、と
云
(
い
)
ふ
覚
(
おぼえ
)
はねえだが、
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
はれねえ、
其
(
そ
)
の
女
(
をんな
)
の
容色
(
きりやう
)
だで……
色
(
いろ
)
も
恋
(
こひ
)
も
無
(
な
)
けれども、
絵
(
ゑ
)
を
見
(
み
)
るやうで、
何
(
なん
)
とも
其
(
そ
)
の、
美
(
うつく
)
しさが
忘
(
わす
)
れられぬ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その間に平次も、友次郎の氣を惡くさせない程度に、二三度お常の茶屋を覗きましたが、一回毎に、お常の
容色
(
きりやう
)
が
醜
(
みにく
)
くなるのに氣が付いただけで、あとは何にも掴めさうもありません。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わし
)
も、はあ、
何
(
ど
)
うかして
居
(
ゐ
)
るでなからうかと
思
(
おも
)
ふだよ。
聞
(
き
)
いてくんろさ。
女房
(
にようばう
)
がと
云
(
い
)
ふと、あの
容色
(
きりやう
)
だ。まあ、へい、
何
(
なん
)
たら
因縁
(
いんねん
)
で
一所
(
いつしよ
)
に
成
(
な
)
つたづら、と
斷念
(
あきら
)
めて、
目
(
め
)
を
押瞑
(
おツつぶ
)
つた
祝言
(
しうげん
)
と
思
(
おも
)
へ。
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“容色”の意味
《名詞》
容 色(ようしょく)
顔かたち。
(出典:Wiktionary)
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“容色”で始まる語句
容色好
容色望