容色ようしょく)” の例文
三重子はその写真の中に大きいピアノを後ろにしながら、男女三人の子供と一しょにいずれも幸福そうに頬笑ほほえんでいる。容色ようしょくはまだ十年前と大した変りも見えないのであろう。
早春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、それほど彼女の容色ようしょく時人じじんに記憶されていたのは事実である。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それには怠惰の美風のほかにも、多少は妻の容色ようしょくに心をかれているのかも知れない。妻は名はダアワといい、近隣でも美人と評されている。背は人並みよりは高いくらいであろう。
第四の夫から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)