しん)” の例文
それは面目めんぼくがなかったからである。絜矩けっくの道をしんに書していた抽斎をさえ、度々忍びがたき目にわせていたからである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
武の長男のしんが王という家のむすめめとっていた。ある日武は他出して林児を留守居にしてあった。そこの書斎の庭に植えてある菊の花が咲いていた。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
兄のしんは、大斧をよくつかい、弟のしん方天戟ほうてんげきの妙手として名がある。兄弟しめし合わせて、彼を挟み討ちに
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ブレーキが利かんだつたと見えるな」と年とつた方のしん士がいつた。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
子張はこの四字をしんに書きつけて守りとした。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
一一 よろしくしんしょすべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)