しん)” の例文
また松陰しょういん先生にしても誰にでもこの筆法をもって鞭撻べんたつされたとも思われぬ。日ごろ先生が公に見るところあり、この機に乗じて一しんを加えたにすぎぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
今までは注射しんを以て左の腕の静脈から血を採って居たが、今回だけは、僕の左の橈骨とうこつ動脈にガラス管をさしこみ、そのまゝゴムかんでつないで、僕の動脈から
恋愛曲線 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
即ち僕は、色々な小説を読んで或は悲しみ、或はいきどおり、或は嬉しい思いをして、その度毎に注射しんをもって、左の腕の静脈から五グラムずつの血液を取って、実験をしたのだ。
恋愛曲線 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)