“針孔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めど80.0%
みぞ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「だって、まだあるんですもの」と針の針孔めど障子しょうじへ向けて、可愛かわいらしい二重瞼ふたえまぶたを細くする。宗近君は依然として長閑のどかな心を頬杖に託して庭をながめている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人間の寿命に相応ふさはしい、嫁入り、子育て、老先おいさきの段取りなぞ地道に考へてもそれを別に年寄り染みた老け込みやうとは自分でも覚えません。縫針の針孔めどに糸はたやすく通ります。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「おかあさんは、がわるくなって、とおらないから、ちょっといと針孔みぞにとおしておくれ。」と、おっしゃいました。
赤い実 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちくちくと、っていられますうちに、いとみじかくなっていとさきが、針孔みぞからぬけてしまったのです。おかあさんは、あたらしいいとさきゆびほそくしてはりあなにとおそうとなさいました。
赤い実 (新字新仮名) / 小川未明(著)