“針孔(めど)” の例文
「だって、まだあるんですもの」と針の針孔(めど)を障子(しょうじ)へ向けて、可愛(かわい)らしい二重瞼(ふたえまぶた)を細くする。宗近君は依然として長閑(のどか)な心を頬杖に託して庭を眺(なが)めている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人間の寿命に相応(ふさ)はしい、嫁入り、子育て、老先(おいさき)の段取りなぞ地道に考へてもそれを別に年寄り染みた老け込みやうとは自分でも覚えません。縫針の針孔(めど)に糸はたやすく通ります。
愛 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「ええ。目も針の針孔(めど)が通らないくらゐのことで、新聞ぐらゐは讀めるんですよ。」
おばあさん (旧字旧仮名) / ささきふさ(著)
人間の寿命に相応(ふさ)わしい、嫁入り、子育て、老先の段取りなぞ地道に考えてもそれを別に年寄り染みた老け込みようとは自分でも覚えません。縫針の針孔(めど)に糸はたやすく通ります。
愛 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)