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寂寞
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しん
ふりがな文庫
“
寂寞
(
しん
)” の例文
ちょいと
吹留
(
ふきや
)
むと、今は
寂寞
(
しん
)
として、その声が止まって、ぼッと腰障子へ暖う春の日は当るが、軒を伝う猫も
居
(
お
)
らず、雀の影もささぬ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と得意の一節
寂寞
(
しん
)
とする。——酔えば
蒼
(
あお
)
くなる雪の
面
(
おもて
)
に、月がさすように電燈の影が沈むや。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
遙
(
はるか
)
に
聲
(
こゑ
)
が
消
(
き
)
えると、
戸外
(
おもて
)
が
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
だのに、もう
寂寞
(
しん
)
として、
時々
(
とき/″\
)
びゆうと
風
(
かぜ
)
が
騷
(
さわ
)
ぐ。
何
(
なん
)
だか、どうも、さつきから
部屋
(
へや
)
へ
氣
(
き
)
がこもる。
玄關境
(
げんくわんざかひ
)
のふすまを
開
(
あ
)
けたが、
矢張
(
やつぱ
)
り
息
(
いき
)
がこもる。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弴
(
とん
)
さんの
厚意
(
こうい
)
だし、
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いたら
聞分
(
きゝわ
)
けて、
一枚
(
いちまい
)
づゝ
名
(
な
)
でもつけようと
思
(
おも
)
ふと、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れてもククとも
鳴
(
な
)
かない。パチヤリと
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
もさせなければ、
其
(
そ
)
の
晩
(
ばん
)
はまた
寂寞
(
しん
)
として
風
(
かぜ
)
さへ
吹
(
ふ
)
かない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寂寞
(
しん
)
となると、
笑
(
わらい
)
ばかりが
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寂
常用漢字
中学
部首:⼧
11画
寞
漢検1級
部首:⼧
13画
“寂寞”で始まる語句
寂寞閑
寂寞幽僻
寂寞道人肩柳