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讖
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しん
ふりがな文庫
“
讖
(
しん
)” の例文
ところが世間の噂というものが妙に適中するものであるように、こうして親類たちの中傷の言葉が不思議にも
讖
(
しん
)
をなしたのであった。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この言葉が
讖
(
しん
)
をなしたのか、果然、その晩、季節はずれの暴風が一夜吹きつのった。そして眼の前の砂丘の上へ石の標柱を現出した。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その言葉が
讖
(
しん
)
を成したのでもあるまいが、
恰
(
あたか
)
もその夜、大正何年以来と云う猛烈な
颱風
(
たいふう
)
が関東一帯を襲って、幸子は自分に関する限り
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
若しやこの老人の不吉な言葉が
讖
(
しん
)
を
為
(
な
)
すのではあるまいかと、いやな予感に、目の先が暗くなって、ゾッと身震いを感じるのであった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何かしら人生の旅路のたよりなさというものが
讖
(
しん
)
をなすような気持に駆られるのも、人情無理のないところがありましょう。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
二剣、その所をべつにしたが最後、
波瀾
(
はらん
)
は
激潮
(
げきちょう
)
を生み、
腥風
(
せいふう
)
は血雨を降らすとの言い伝えが、まさに
讖
(
しん
)
をなしたのである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この
言
(
ことば
)
は
讖
(
しん
)
をなした。
翌々夜
(
よく/\や
)
の
秋田市
(
あきたし
)
では、
博士
(
はかせ
)
を
蝶
(
てふ
)
の
取巻
(
とりま
)
くこと、
大略
(
おほよそ
)
斯
(
かく
)
の
通
(
とほ
)
りであつた。もとより
後
(
のち
)
の
話
(
はなし
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
神社合祀が容易ならぬ成り行きを来すべきは当時熊楠が繰り返し予言したところなるに、その
讖
(
しん
)
ついに成りしはわれも人もことごとく悲しむべきである。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
真逆
(
まさか
)
この戸川の言葉が
讖
(
しん
)
をなしたわけでもなかろうが、六条
壮介
(
しょうすけ
)
のうえにとつぜん不幸な事件が降って来て、彼は第一線を退かなければならないこととなった。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
八五郎の不作法な冗談が、不思議な
讖
(
しん
)
をなして、佐渡屋にかかる呪いは、これがほんの発端だったのです。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
忠興
(
ただおき
)
の無意識に云ったことばが、それから数年の後、
讖
(
しん
)
をなして怖ろしい予言となってしまった。
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
〔評〕南洲
嘗
(
かつ
)
て東湖に從うて學ぶ。
當時
(
たうじ
)
書する所、今猶民間に
存
(
そん
)
す。曰ふ、「
一寸
(
いつすん
)
の
英心
(
えいしん
)
萬夫
(
ばんぷ
)
に
敵
(
てき
)
す」と。
蓋
(
けだ
)
し
復古
(
ふくこ
)
の
業
(
げふ
)
を以て
擔當
(
たんたう
)
することを爲す。
維新
(
いしん
)
征東の
功
(
こう
)
實に此に
讖
(
しん
)
す。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
「岡の外からはろくな物は
来
(
く
)
まい」と云ふのである。不思議にもこの詞が
讖
(
しん
)
をなした。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
君が「火の柱」の主公
篠田長二
(
しのだちやうじ
)
を
捉
(
とら
)
へて
獄裡
(
ごくり
)
に投じたるもの
豈
(
あ
)
に君の為めに
讖
(
しん
)
をなせるに非ずや、君何ぞ此時を以て断然之を
印行
(
いんかう
)
に付せざるやと、余の意
俄
(
にはか
)
に動きて之を諾して曰く
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それが
讖
(
しん
)
をなしたわけでもあるまいが、阿母さんはその年の秋からどっと寝付いた。
ゆず湯
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
檜は老木であったが、前年の暮、十二月二十八日の
夜
(
よ
)
、風のないに折れた。準平はそれを見て、新年を過してから
薪
(
たきぎ
)
に
挽
(
ひ
)
かせようといっていたのである。家人は檜が
讖
(
しん
)
をなしたなどといった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一両日前の句に「痰のつまりし仏かな」が
讖
(
しん
)
をなしたのである。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
結局夕方まで話込んで、又この次訪問する口実を残して置いて、夏子は帰って行ったが、その夜十二時頃、夏子の言葉が
讖
(
しん
)
を為して、恐ろしい事が起った。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
山の話が
讖
(
しん
)
をなしたものか、お雪の雄弁——熱を以て語る山のあこがれが、竜之助の頭脳のうちに絵のような印象を植えつけたものか、その夜、竜之助は
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
八五郎の不作法な冗談が、不思議な
讖
(
しん
)
をなして、佐渡屋にかゝる
呪
(
のろ
)
ひは、これがほんの發端だつたのです。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
可心にとって、能登路のこの第一歩の
危懼
(
あぶなっかし
)
さが、……——実は
讖
(
しん
)
をなす事になるんです。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが
讖
(
しん
)
をなしたわけでもあるまいが、阿母さんはその年の秋からどっと寝付いた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
末路
(
まつろ
)
再
(
ふたゝ
)
び
讖
(
しん
)
を成せるは、
悲
(
かな
)
しむべきかな。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
ひょっとしたら、偶然にも、彼の計画が
讖
(
しん
)
をなして、菰田がまだ本当に死んでいず、彼が墓をあばいたばっかりに、生き返りつつあるのかも知れません。そんな馬鹿馬鹿しい事まで妄想されるのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
讖
漢検1級
部首:⾔
24画
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讖言
図讖
讖中
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讖語