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蕊
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しん
ふりがな文庫
“
蕊
(
しん
)” の例文
あの人は悧口者で、藝者上がりでも
蕊
(
しん
)
に堅いところがありました。尤も彌之助さんはお富さんに夢中で、變な眼付をして見詰めて居たり、手紙を
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
怪談を話す時には、いつもランプの
蕊
(
しん
)
を暗くし、
幽暗
(
ゆうあん
)
な怪談気分にした
部屋
(
へや
)
の中で、夫人の前に
端坐
(
たんざ
)
して耳をすました。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
長いあいだのそうした職業から鍛えられた、どこか
蕊
(
しん
)
に鋼鉄のような堅固なところをもっているからのことで、不良少女団長時代の
可憐
(
かれん
)
な性情は今でも残っていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
咲
(
さ
)
いている
花
(
はな
)
の
蕊
(
しん
)
の
中
(
なか
)
から、
蜜
(
みつ
)
を
吸
(
す
)
おうと、
大
(
おお
)
きな、
黒
(
くろ
)
いはちが
花
(
はな
)
の
中
(
なか
)
へはいった。
彼
(
かれ
)
は、そのはちをいじめてやろうと、
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
って、ふいに四
方
(
ほう
)
から
花弁
(
はなびら
)
を
閉
(
と
)
じてしまった。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
の
旅
(
たび
)
に、
色彩
(
いろ
)
を
刻
(
きざ
)
んで
忘
(
わす
)
れないのは、
武庫川
(
むこがは
)
を
過
(
す
)
ぎた
生瀬
(
なませ
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
近
(
ちか
)
く、
向
(
むか
)
う
上
(
あが
)
りの
徑
(
こみち
)
に、じり/\と
蕊
(
しん
)
に
香
(
にほひ
)
を
立
(
た
)
てて
咲揃
(
さきそろ
)
つた
眞晝
(
まひる
)
の
芍藥
(
しやくやく
)
と、
横雲
(
よこぐも
)
を
眞黒
(
まつくろ
)
に、
嶺
(
みね
)
が
颯
(
さつ
)
と
暗
(
くら
)
かつた
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
それでもし虻が花の
蕊
(
しん
)
の上にしがみついてそのままに落下すると、虫のために全体の重心がいくらか移動しその結果はいくらかでも上記の反転作用を減ずるようになるであろうと想像される。
思い出草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
繁
(
しじ
)
はじく椿の
蕊
(
しん
)
の粉のひかり
外
(
そと
)
の嵐に
燈
(
ひ
)
は動くらし
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さっさと
幟
(
のぼり
)
のかげへ見えなくおなんなすったんですが、
燈
(
ひ
)
がつきました、まだ
蕊
(
しん
)
の加減もしません処へ、変だ、変だ、取殺される、幽霊だ、ばけものだ、と帽子なんか、仰向けに、あなた……
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朝目のさめた銀子の牡丹は、
頭脳
(
あたま
)
の
蕊
(
しん
)
がしんしん痛んだ。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
繁
(
しじ
)
はじく椿の
蕊
(
しん
)
の粉のひかり
外
(
そと
)
の嵐に
燈
(
ひ
)
は動くらし
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「寢ないのが、二た晩續いて
蕊
(
しん
)
が疲れましたよ」
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
灯
(
ひ
)
あしの
蕊
(
しん
)
の黄に燃えて
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蕊
漢検準1級
部首:⾋
15画
“蕊”を含む語句
雌蕊
雄蕊
花蕊
小蕊
蕊雲楼
高雄蕊短花柱
高雄蕊低花柱
高雄蕊
雌雄蕊
雄蕊雌蕊
藁蕊
低雄蕊
花蕊石
紫蕊紅葩
多雌蕊
多雄蕊
低雄蕊高花柱
低雄蕊長花柱