“陰森”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いんしん94.1%
しん5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陰森いんしんな、何か、やりきれないほどな、短くて長い気のする刻々こっこくが過ぎている。……ケロ、ケロロ、と池の初蛙もまた啼きだしていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……そうして陰森いんしんとしたこの小家、切り戸から出た若者の死骸、その死骸の異様な死相、死骸を運んで行った覆面の武士たち。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それにもかかわらず邸内が陰森しんとして物寂しく、間ごとにともされた燭台の灯も薄茫然うすぼんやりと輪を描き、光の届かぬ隅々には眼も鼻もない妖怪あやかしが声を立てずに笑っていそうであり
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)