“いんしん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
殷賑49.4%
音信24.7%
陰森18.8%
陰深3.5%
寅晨1.2%
隠森1.2%
隠身1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私のいわゆる神楽坂プロパーと等しなみの殷賑いんしんを見るに至り、なお次第に矢来方面に向って急激な発展をなしつつある有様である。
早稲田神楽坂 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
返事を出し損なって、その中/\と思いながら、つい/\横着おうちゃくを極めていたら、今日母から少々不機嫌の音信いんしんに接した。けいと妹の件の催促だ。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
……そうして陰森いんしんとしたこの小家、切り戸から出た若者の死骸、その死骸の異様な死相、死骸を運んで行った覆面の武士たち。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お銀様の生霊いきりょうがいちいちそれに乗りうつって、この薄暗い土蔵の二階の一間には、すべて陰深いんしんたる何かの呪いの気が立てこめているようで、怖ろしくてたまらないから、急いで絵の本を伏せて
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
昌黎しやうれいまこととせず、つまびらか仔細しさいなじれば、韓湘かんしやうたからかにうたつていはく、青山雲水せいざんうんすゐくついへ子夜しや瓊液けいえきそんし、寅晨いんしん降霞かうかくらふ。こと碧玉へきぎよく調てうたんじ、には白珠はくしゆすなる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夜はめっしておく習慣しゅうかん城塞じょうさいは、まッくらで、隠森いんしんとして、ただひとりさけびまわる彼女かのじょの声が木魂こだまするばかりだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長州は国をして反幕の主動者となっているが、そこへ行くと薩摩は、国が遠いだけに、長州よりも隠身いんしんの術がく。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)