“寂寥(しん)” の例文
にわかに暗くなった雪の山、その白雪を踏みしだき大勢の足音が聞こえたが、それも次第に遠退いて行き、寂寥(しん)として人影もない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
出る、ともう、そこらで梟(ふくろう)の声がする。寂寥(しん)とした森の下を、墓所に附いて、薄暮合いに蹴込(けこみ)が真赤(まっか)で、晃々(きらきら)輪が高く廻った、と思うと、早や坂だ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)