寂寞ひつそり)” の例文
一時ひとしきり騒々さう/″\しかつたのが、寂寞ひつそりばつたりして平時いつもより余計よけいさびしくける……さあ、一分いつぷん一秒いちびやうえ、ほねきざまれるおもひ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
荷物にもつといふは大八だいはちたゞひとくるまきたりしばかり、兩隣りやうどなりにおさだめの土産みやげくばりけれども、いへうち引越ひつこしらしきさわぎもなく至極しごく寂寞ひつそりとせしものなり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しばれと云聲の下々した/\役人はつと立掛たちかゝるを周藏木祖兵衞種々と詫入わびいり漸々やう/\三五郎を外の腰掛こしかけへ出しゝかば跡は寂寞ひつそりとなり理左衞門大音だいおんあげコリヤ九助假令たとへみぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夕暮の癲狂院は寂寞ひつそりとして
癲狂院外景 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
……二人ふたり三人さんにん乘組のりくんだのも何處どこへかえたやうに、もう寂寞ひつそりする。まくつてとびらろした。かぜんだ。汽車きしや糠雨ぬかあめなか陰々いん/\としてく。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
打越うちこえて柴屋寺へといそぎける(柴屋寺と言は柴屋宗長が庵室あんしつにして今なほありと)既に其夜も子刻こゝのつ拍子木ひやうしぎ諸倶もろとも家々の軒行燈のきあんどんも早引てくるわの中も寂寞ひつそり往來ゆきゝの人もまれなれば時刻じこくも丁度吉野屋よしのや裏口うらぐちぬけ傾城けいせい白妙名に裏表うらうへ墨染すみぞめの衣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へん陰氣いんき不氣味ぶきみばんでございました。ちやうどなすつたとき目白めじろこゝのつをきましたが、いつものつころほど寂寞ひつそりして、びゆう/\かぜばかりさ、おかみさん。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……一人ひとり二人ふたりはあつたらうが、場所ばしよひろいし、ほとんかげもないから寂寞ひつそりしてた。つた手許てもとをスツとくゞつて、まへへ、おそらくはなならぶくらゐにあざやかな色彩しきさいせたむしがある。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
四辺あたり寂寞ひつそりしてる……みねあたり、いたゞきさはつて、山々やま/\のためにれるのである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つらながさは三じやくばかり、あごやせ眉間尺みけんじやく大額おほびたひ、ぬつとて、薄霧うすぎりつゝまれた不氣味ぶきみなのは、よくると、のきつた秋祭あきまつり提灯ちやうちんで、一けん取込とりこむのをわすれたのであらう、寂寞ひつそりした侍町さむらひまちたゞ一箇ひとつ
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寂寞ひつそりあられむ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)