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『癲狂院外景』
ふりがな文庫
『
癲狂院外景
(
てんきょういんがいけい
)
』
夕暮の癲狂院は寂寞として 苔ばんだ石塀を囲らしてゐます。 中には誰も生きてはゐないのかもしれません。 看護人の白服が一つ 暗い玄関に吸ひ込まれました。 むかふの丘の櫟林の上に 赤い月が義理で上りました (ごくありきたりの仕掛です)。 青い肩 …
著者
富永太郎
ジャンル
文学 > 日本文学 > 詩歌
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
寂寞
(
ひつそり
)
捩
(
よ
)
上
(
のぼ
)
眦
(
まなじり
)
石女
(
うまずめ
)