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閑
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しずか
ふりがな文庫
“
閑
(
しずか
)” の例文
通を曲って横町へ出て、なるべく、話の
為好
(
しい
)
い
閑
(
しずか
)
な場所を選んで行くうちに、何時か
緒口
(
いとくち
)
が付いて、思うあたりへ
談柄
(
だんぺい
)
が落ちた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの乗合客の中で、独り他念なく読書三昧の
態
(
てい
)
だったが、その
閑
(
しずか
)
な姿には、どことなく、武人の骨ぐみが出来ている。すこしも体に隙がない。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秋晴
(
あきばれ
)
の
或日
(
あるひ
)
、裏庭の
茅葺
(
かやぶき
)
小屋の風呂の
廂
(
ひさし
)
へ、向うへ
桜山
(
さくらやま
)
を見せて掛けて置くと、
午
(
ひる
)
少し前の、いい天気で、
閑
(
しずか
)
な折から、雀が一羽、……
丁
(
ちょう
)
ど目白鳥の上の
廂合
(
ひあわい
)
の
樋竹
(
といだけ
)
の中へすぽりと入って
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すなはち地にも倒れつべし、されども秀郷、天下第一の大剛の者なりければ、更に一念も動ぜずして、
彼
(
かの
)
大蛇の
背
(
せなか
)
の上を、荒らかに踏みて、
閑
(
しずか
)
に上をぞ越えたりける、しかれども大蛇もあへて驚かず
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この弟宮も、しごく
閑
(
しずか
)
な
性
(
さが
)
ではあったが、父皇の遠謀によるおいいつけと、また兄宮大塔の下にもよくその命に従って
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「なるほど。
寂
(
しん
)
としたもんですね、どうでしょう、この
閑
(
しずか
)
さは……」
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
甲冑
(
かっちゅう
)
を白い
衫衣
(
すずし
)
に脱ぎかえ、蚊やり香の糸に
閑
(
しずか
)
な身を巻かれてみると、あだかも血の酔いから醒めたような、むなしいものだけが心に
澱
(
おど
)
んでくるのだった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「つまり、
閑
(
しずか
)
であれば、人が山を見。忙しければ、人は山に見られているということなので」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“閑”の意味
《名詞》
(ひま)やるべきことがなく、時間を持て余していること。
(出典:Wiktionary)
閑
常用漢字
中学
部首:⾨
12画
“閑”を含む語句
長閑
閑寂
閑話休題
等閑
森閑
一閑張
閑静
閑人
閑古鳥
閑散
閑居
閑々
小閑
閑話
静閑
空閑
閑暇
閑却
閑雅
閑日月
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