“樋竹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
といだけ60.0%
とひだけ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御前ごぜんのお目にとまった、うたいのままの山雀は、瓢箪を宿とする。こちとらの雀は、棟割長屋むねわりながやで、樋竹といだけ相借家あいじゃくやだ。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薄く流れる河の厚さは昨日きのうと同じようにほとんど二三寸しかないが、その真中に鉄の樋竹といだけが、砂にうもれながら首を出しているのに気がついたので、あれは何だいと下女に聞いて見た。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それでもつねさんはまたゝきした。からりとひさしらしたのは、樋竹とひだけすべる、おちたまりのあられらしい。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
せままちまぐろしい電線でんせんも、ぎんいといたやうで、樋竹とひだけけた蜘蛛くもも、今朝けさばかりはやさしくえて、あを蜘蛛くも綺麗きれいらしい。そら朝顏あさがほ瑠璃色るりいろであつた。欄干らんかんまへを、赤蜻蛉あかとんぼんでる。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)