)” の例文
慮外りよぐわいながら此のわたりのいほりに、近き頃さまへて都より來られし、俗名ぞくみやう齋藤時頼と名告なの年壯としわかき武士のおさずや』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
『して其人は何處いづこにおする』。『そは此處こゝより程とほからぬ往生院わうじやうゐんなづくる古き僧庵に』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
横笛ひそめし聲に力を入れて、『大方おほかたならぬ由あればこそ、夜陰に御業おんげふを驚かし參らせしなれ。庵は往生院と覺ゆれば、主の御身は、小松殿の御内なる齋藤瀧口殿にてはおさずや』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)