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涯
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は
ふりがな文庫
“
涯
(
は
)” の例文
……行けども行けども
涯
(
は
)
てしのない海難……S・O・Sの無電を打つ理由もない海難……理由のわからない……前代未聞の海難……。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……(
鴎
(
かもめ
)
、鴎、鴎に故郷はない。……
陸
(
おか
)
も自分の故郷ではない、海も自分の故郷ではない。……今日もまた空の下の
涯
(
は
)
てない漂泊……)
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
*2 ドエズジャイ・ニェドエジョーシ 『行けども行けども
涯
(
は
)
て知らず』という意味の、変な名前である。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
汽車は鉄橋にかかり、
常盤橋
(
ときわばし
)
が見えて来た。
焼爛
(
やけただ
)
れた岸をめぐって、黒焦の巨木は天を
引掻
(
ひっか
)
こうとしているし、
涯
(
は
)
てしもない燃えがらの
塊
(
かたまり
)
は
蜿蜒
(
えんえん
)
と起伏している。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
涯
(
は
)
てしも知れない真の闇が、恐怖を知らない私の心を、ようやく乱すように思われて来た。私はどんなに陽の光と、人間の声とに憧れたことか! 私は戦慄を感じながら根強く闇に立っていた。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
杉丸太、竹束、
樅板
(
もみいた
)
なぞが、次から次へ
涯
(
は
)
てしなく並んで、
八幡
(
やはた
)
の
籔
(
やぶ
)
みたように、一旦、迷い込んだら出口がナカナカわからない。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
涯
(
は
)
てなき長広舌の末、この島全体の空気に、何やら
相応
(
ふさわ
)
しからぬ
艶
(
なま
)
めかしい匂いを残して、若後家が
階下
(
した
)
の居間に引きさがったのち、はて、今の話の筋道は一体どんなことであったのか
ノンシャラン道中記:01 八人の小悪魔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
坂の下一面に
涯
(
は
)
てしもなく重なり合っている黒い屋根や、明滅する広告電燈や、その上に一パイに散らばっている青白い星の光までもが皆
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この
辺
(
へん
)
一帯を
蔽
(
おお
)
うている
涯
(
は
)
てしもない雑木林の間の空地に出てから間もない処に在る小川の
暗渠
(
あんきょ
)
の上で、
殆
(
ほと
)
んど
干上
(
ひあが
)
りかかった
鉄気水
(
かなけみず
)
の流れが
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうして間もなく私の頭の上には朝の清新な太陽に濡れ輝いている夏の大空が、青く青く
涯
(
は
)
てしもなく拡がって行った。
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ツイ私の背後の鼻の先に、いつの間に立ち現われたものか、何ともいえない奇妙な
恰好
(
かっこう
)
をした海藻の森が、
涯
(
は
)
てしもない砂丘の起伏を背景にして迫り近付いている。
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これが波かと思う
紺青色
(
こんじょういろ
)
の大山脈が、海抜五千
米突
(
メートル
)
の
聖
(
セント
)
エリアス山脈を打ち越す勢いで、青い青い澄み切った空の下を
涯
(
は
)
てしもなく重なり合いながら押し寄せて来る。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
見渡す限り草も木も、燃え立つような若緑に蔽われていて、色とりどりの春の花が、巨大な左右の土の斜面の上を、
涯
(
は
)
てしもなく群がり輝やき、流れ
漾
(
ただよ
)
い、乱れ咲いていた。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
深緑のカアテンをかけた窓のほかは白い壁にも
扉
(
ドア
)
の内側にも一面に鏡が仕掛けてあって、
室中
(
へや
)
のものが
涯
(
は
)
てしもなく向うまで並び続いているように見える——西洋式の白い
浴槽
(
ゆぶね
)
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
月は
涯
(
は
)
てし——も——ヨッコラ波枕ヨオ——いつか又ア——女郎衆のオ——膝枕ア——
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
三角函数が展開されたように……高次方程式の
根
(
こん
)
が求められた時の複雑な分数式のように……薄黄色い雲の下に神秘的なハレーションを起しつつ、
涯
(
は
)
てしもなく輝やき並んでいた。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その以外には何の準備も出来ない囚人服のまま、舞台裏から飛出して来たばかりの、金ピカ洋装の彼女と手に手を取って、
涯
(
は
)
てしない原始林の奥を目がけて、
盲滅法
(
めくらめっぽう
)
に突進したのですからね。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“涯(無頼伝涯)”の解説
『無頼伝 涯』(ぶらいでん がい)は、福本伸行による日本の漫画作品。
(出典:Wikipedia)
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“涯”を含む語句
生涯
際涯
境涯
一生涯
天涯
山間水涯
公生涯
全生涯
李西涯
東涯
無際涯
見涯
蒼涯
清涯亭
無涯
前生涯
狩野芳涯
冒険生涯
生涯唯一
生涯蟄居
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