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生
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は
ふりがな文庫
“
生
(
は
)” の例文
いつまで行っても松ばかり
生
(
は
)
えていていっこう要領を得ない。こっちがいくら
歩行
(
あるい
)
たって松の方で発展してくれなければ駄目な事だ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのそばに
生
(
は
)
えている
青木
(
あおき
)
の
葉
(
は
)
が
黒
(
くろ
)
ずんで、やはり
霜柱
(
しもばしら
)
のために
傷
(
いた
)
んで
葉
(
は
)
はだらりと
垂
(
た
)
れて、
力
(
ちから
)
なく
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いているのでありました。
小さな草と太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの故郷の、
沼地
(
ぬまち
)
のそばに
生
(
は
)
えている、ヤナギの木のあいだから、わたしを見おろしたときと、すこしもかわらない月だったのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
いったい蓮華は
清浄
(
しょうじょう
)
な高原の陸地には
生
(
は
)
えないで、かえってどろどろした、
汚
(
きたな
)
い
泥田
(
どろた
)
のうちから、あの
綺麗
(
きれい
)
な美しい花を開くのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
檜木
(
ひのき
)
、
椹
(
さはら
)
、
明檜
(
あすひ
)
、
槇
(
まき
)
、
𣜌
(
ねず
)
——それを
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
では
五木
(
ごぼく
)
といひまして、さういふ
木
(
き
)
の
生
(
は
)
えた
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
があの
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
こう言って、三人を或
谷間
(
たにま
)
へつれていき、そこに
生
(
は
)
えている、薬になる草や木を一々おしえておいて、ふたたび湖水へかえりました。
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
釣瓶
(
つるべ
)
は外してありますが、覗くと山の手の高台の井戸らしく、石を畳み上げて水肌から五六間、
苔
(
こけ
)
と虎耳草が一パイ
生
(
は
)
えております。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何でも森を
斜
(
はす
)
に取って西北の地平線から西へかけて低いところにもしゃもしゃと
生
(
は
)
えてる
楢林
(
ならばやし
)
あたりまでを写して見ることに決めた。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
川口
(
かはぐち
)
の、
葦
(
あし
)
のたくさん
生
(
は
)
えてゐる、その
葦
(
あし
)
の
先
(
さき
)
の
葉
(
は
)
が、みんなとれてゐる。これは、
誰
(
たれ
)
が
折
(
を
)
つたのかと
申
(
まを
)
しますと、それは、
私
(
わたし
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
親方の禿頭の
中央
(
まんなか
)
に
生
(
は
)
えている事実を知っていたものは、事によると吾輩一人かも知れないのだから、トテモ証拠になりそうにない。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わたるばかりで
汀
(
みぎわ
)
にいちめんに
生
(
は
)
えていたあしも見えずそのおとこの影もいつのまにか月のひかりに溶け入るようにきえてしまった。
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「火星には、植物は
生
(
は
)
えているが、動物はいないという学者もあるが、君たちは、火星に動物のいることを発見したんだ。お手柄だ」
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おもしろいことには東京地方へ旅行すると、農家の大きな
藁葺
(
わらぶき
)
屋根の高い
棟
(
むね
)
にオニユリが
幾株
(
いくかぶ
)
も
生
(
は
)
えて花を咲かせている
風情
(
ふぜい
)
である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
彼は総体に毛深いほうであったが、顎などは、幾日おいても、
鬚
(
ひげ
)
が伸びなかった。——というよりは、まだ
生
(
は
)
え揃わない感じである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのくせこの連中の蟇口の中のお金にはみんなそれぞれ脚が
生
(
は
)
えて我先にとびだし
駈
(
か
)
け去るシクミだから、まことに天下はままならぬ。
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかしながら実際これを
試験
(
ため
)
してみますると、思うとおりには行きません。樅は
生
(
は
)
えは
生
(
は
)
えまするが数年ならずして枯れてしまいます。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
見
(
み
)
ると石のまわりには、二三
町
(
ちょう
)
の
間
(
あいだ
)
ろくろく
草
(
くさ
)
も
生
(
は
)
えてはいませんでした。そして
小鳥
(
ことり
)
や
虫
(
むし
)
が
何
(
なん
)
千となく
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
って
死
(
し
)
んでいました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
沢山
(
たくさん
)
生
(
は
)
える、
何処
(
どこ
)
にもあるからということが価値の標準となるとすれば、
飽
(
あ
)
きっぽくて
浅
(
あさ
)
はかなのは人間それ自身なのではあるまいか。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
どこを見ても猫ばかりだ。そして家々の窓口からは、
髭
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
えた猫の顔が、額縁の中の絵のようにして、大きく浮き出して現れていた。
猫町:散文詩風な小説
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
昔
(
むかし
)
はそんなに
樹木
(
じゆもく
)
が
生
(
は
)
えてゐたわけでなく、たいていそれらの
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
には、
圓
(
まる
)
い
磧石
(
かはらいし
)
を
載
(
の
)
せて、
全體
(
ぜんたい
)
を
蔽
(
おほ
)
うてをつたものでありました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「さやうでございますよ、
年紀
(
としごろ
)
四十ばかりの
蒙茸
(
むしやくしや
)
と
髭髯
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
えた、
身材
(
せい
)
の高い、
剛
(
こは
)
い顔の、
全
(
まる
)
で壮士みたやうな
風体
(
ふうてい
)
をしてお
在
(
いで
)
でした」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
〔この山は
流紋凝灰岩
(
りゅうもんぎょうかいがん
)
でできています。
石英粗面岩
(
せきえいそめんがん
)
の凝灰岩、大へん
地味
(
ちみ
)
が
悪
(
わる
)
いのです。
赤松
(
あかまつ
)
とちいさな
雑木
(
ぞうき
)
しか
生
(
は
)
えていないでしょう。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
堀
(
ほり
)
という堀には水がいっぱいで、堀ばたにはフキの花がひらき、
石壁
(
いしかべ
)
の上に
生
(
は
)
えている草の
茂
(
しげ
)
みは、つやつやとして
褐色
(
かっしょく
)
になっています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それがたまたま角捨て場の荒土より
生
(
は
)
ゆるを捨てた角が根生えしたと誤認したのであろう。また似た事が梁の任昉の『述異記』下に
出
(
い
)
づ。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
(
翼
(
はね
)
の
生
(
は
)
へたうつくしい
姉
(
ねえ
)
さんは
居
(
ゐ
)
ないの)ツて
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
、
莞爾
(
につこり
)
笑
(
わら
)
つて
両方
(
りやうはう
)
から
左右
(
さいう
)
の
手
(
て
)
でおうやうに
私
(
わたし
)
の
天窓
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でゝ
行
(
い
)
つた
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼が大きな、毛のもじゃもじゃ
生
(
は
)
えている手を机の真ん中でひろげ、末席のほうを向くと、もうみなが聞き耳をたてるのだった。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
私は彼等から仲間はずれにされないように、苦しげに煙草をふかし、まだ
髭
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
えていない
頬
(
ほお
)
にこわごわ
剃刀
(
かみそり
)
をあてたりした。
燃ゆる頬
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
預
(
あづ
)
かつた
覚
(
おぼ
)
えはないと
云
(
い
)
ふのは
酷
(
ひど
)
い
奴
(
やつ
)
だ、
塩原
(
しほばら
)
の
家
(
いへ
)
へ草を
生
(
は
)
やさずに置くべきか、と
云
(
い
)
つて
吾妻橋
(
あづまばし
)
からドンブリと身を投げた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
窓の前の庭はまだ掘りくり返したままで赤土の上に草も
生
(
は
)
えていなかったけれども、広い廊下の冷ややかな空気は涼しく病室に通りぬけた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
薔薇
(
ばら
)
にも
豌豆
(
えんどう
)
にも数限りもなく虫が涌く。地は限りなく草を
生
(
は
)
やす。
四囲
(
あたり
)
の自然に攻め立てられて、
万物
(
ばんぶつ
)
の
霊殿
(
れいどの
)
も小さくなって
了
(
しま
)
いそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
戸を閉めて走り出す——手にも、足にも、羽根が
生
(
は
)
えたように。やがて、暖かな、明るいところへ帰って来ると、息をはずませ、内心得意だ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
月のうす明るい夜で、丞相が
紗
(
しゃ
)
の
帷
(
とばり
)
のうちから透かしてみると、賊は身のたけ七尺余りの大男で、
関羽
(
かんう
)
のような美しい長い
髯
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やしていた。
中国怪奇小説集:13 輟耕録(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
え、人間というものかい? 人間というものは
角
(
つの
)
の
生
(
は
)
えない、
生白
(
なまじろ
)
い顔や手足をした、何ともいわれず気味の悪いものだよ。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
助役らしい
鬚
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
えた中年者と土地の勢力家らしい肥った百姓とがしきりに何か笑いながら話していたが、おりおり
煙管
(
きせる
)
をトントンとたたく。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
この、おの/\の
位置
(
いち
)
によつて
生
(
は
)
える
樹木
(
じゆもく
)
の
種類
(
しゆるい
)
と
森林
(
しんりん
)
の
形
(
かたち
)
とが
異
(
ことな
)
つてゐるあり
樣
(
さま
)
を
名
(
な
)
づけて、『
森林帶
(
しんりんたい
)
』または『
森林植物帶
(
しんりんしよくぶつたい
)
』と
言
(
い
)
ひます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「はい、海竜が出ました、
角
(
つの
)
を二本
生
(
は
)
やした、こんな怖い顔をして、お杉のあまっこを追っかけて来たのを、命からがらで逃げて来やんした」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
建ってるんだそうでして……私はいって見たこたアございませんが、松の木が二、三本
生
(
は
)
えてる根っ子で、えらく景色のいいところだとか……
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
さうして
刺
(
とげ
)
の
生
(
は
)
えた
野茨
(
のばら
)
さへ
白
(
しろ
)
い
衣
(
ころも
)
を
飾
(
かざ
)
つて
快
(
こゝろ
)
よいひた/\と
抱
(
だ
)
き
合
(
あふ
)
ては
互
(
たがひ
)
に
首肯
(
うなづ
)
きながら
竭
(
つ
)
きない
思
(
おもひ
)
を
私語
(
さゝや
)
いて
居
(
ゐ
)
るのに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
漸
(
ようや
)
く
山林地帯
(
さんりんちたい
)
を
出抜
(
でぬ
)
けると、そこは
最
(
も
)
う
山
(
やま
)
の
頂辺
(
てっぺん
)
で、
芝草
(
しばくさ
)
が一
面
(
めん
)
に
生
(
は
)
えて
居
(
お
)
り、
相当
(
そうとう
)
に
見晴
(
みはら
)
しのきくところでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
五十を越した篤学者で、強度の近眼鏡をかけた、
痩
(
や
)
せて半白の
髯
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やした寮長は、懐中から厚ぼつたい銀側時計を出して時間を見計つてゐた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
その上、景岡秀三郎は、少年としては珍しく、
毛深
(
けぶ
)
かかったのです。腕や脚には、もう
生
(
は
)
え
際
(
ぎわ
)
の金色な
毳毛
(
うぶげ
)
が、霞のように、生えていたのです。
足の裏
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
枝も撓わわに
生
(
は
)
りたる、
糸瓜
(
へちま
)
の蔓の日も漏さぬまでに這い広がり、蔭涼しそうなるも有り、
車行
(
しゃこう
)
早きだけ、送迎に
忙
(
いそが
)
わし。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
その池の
水際
(
みずぎわ
)
には、
蘆
(
あし
)
やよしが沢山
生
(
は
)
え茂っている上に、池のぐるりには大木が
生
(
お
)
い茂って、
大蛇
(
だいじゃ
)
でも住みそうな気味の悪い大池でありました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
自分も同じように振舞いたいと思って手の届くところに
生
(
は
)
えている
虎杖
(
すかんぽ
)
を力
充分
(
いっぱい
)
に抜いて、子供たちのするように青い柔かい茎を
噛
(
か
)
んでも見た。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
何とか兵(
濠洲兵
(
がうしうへい
)
のことだつた)の通つた跡には草も
生
(
は
)
えないが、米兵の通つた跡にはスミレが咲く、とは、彼等拾ひ屋のよくいふことだつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
あしらいには熊笹の小葉を
利
(
き
)
かせてある。この熊笹は庭にいくらでも
生
(
は
)
えている。それを見たてて取って来たものである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
汝等の名は草の色のあらはれてまたきゆるに似たり、しかして草をやはらかに地より
生
(
は
)
え
出
(
いで
)
しむるものまたその色をうつろはす。 一一五—一一七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
大沼を眺めた時の句で、その沼の向うには雲の峰が立っておる、その雲へ乗るのには、その沼に
生
(
は
)
えている萍の花から乗るがいいというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
どうしてあんな奴をこの辺に
放
(
ほう
)
っておくんでしょう。
私
(
あたし
)
の前歯二本を抜けなんて、ほんとに恐ろしいわ。髪の毛ならまた
生
(
は
)
えもしようが、歯はね。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
妖怪変化の中、器物に手足が
生
(
は
)
え顔が生じたり、している奴があるが、これらはそういう実感を具象したものである。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“生”を含む語句
生活
先生
生長
畜生
平生
生々
蘇生
生死
衆生
生業
生暖
根生
生命
生存
存生
生出
後生
生温
生計
生身
...