“跋(は)” の例文
白糸は猿轡(さるぐつわ)を吃(はま)されて、手取り足取り地上に推し伏せられつ。されども渠は絶えず身を悶(もだ)えて、跋(は)ね覆(か)えさんとしたりしなり。にわかに渠らの力は弛(ゆる)みぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜はますます闌(た)けて、霄(そら)はいよいよ曇りぬ。湿りたる空気は重く沈みて、柳の葉末も動かざりき。歩むにつれて、足下(あしもと)の叢(くさむら)より池に跋(は)ね込む蛙(かわず)は、礫(つぶて)を打つがごとく水を鳴らせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)