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膨
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は
ふりがな文庫
“
膨
(
は
)” の例文
それを師匠が
嫉妬
(
やきもち
)
をやきまして、何も怪しい事も無いのにワク/\して、眼の
縁
(
ふち
)
へポツリと
腫物
(
できもの
)
が出来まして、それが
斯
(
こ
)
う
膨
(
は
)
れまして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
口から炎でも吐くように、
膨
(
は
)
ちきれそうな血を、体から少し捨ててでもしまいたいような心地だった。城太郎のように、暴れ出したかった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一時間ばかり
経
(
た
)
つと里子は眼を泣き
膨
(
は
)
らして僕の居間に帰て来ましたから、『
如何
(
どう
)
したのだ。』と聞くと里子は僕の
傍
(
そば
)
に
突伏
(
つっぷ
)
して泣きだしました。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
見たくばちょっと
覗
(
のぞ
)
いて見よ、と先に立って導く後につき行くお吉、三畳ばかりの部屋の中に一切夢で眠り居る清吉を見るに、顔も頭も
膨
(
は
)
れ上りて
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ああ、
警笛
(
けいてき
)
だ。
紛
(
まぎ
)
れもなく、
上
(
のぼ
)
り電車の警笛だ。次第次第に、
叫音
(
きょうおん
)
は
膨
(
は
)
れるように大きくなってくるではないか。彼は
墜落
(
ついらく
)
するように階段を駆けくだった。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
奥さんが家出から帰って来たのは、其夜ちょとばかり
更
(
ふ
)
けてからであった。眼をいくらか泣き
膨
(
は
)
らしていた。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それが、泣き
膨
(
は
)
れたひろ子の精神の
渾沌
(
こんとん
)
を一条の光となって射とおした。ひろ子は、重吉の手をとって
風知草
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
下を向いてゐる顏に血が行きどころもない樣に
充
(
み
)
ちたのか、兩の頬ぺたが何となく熱して
膨
(
は
)
れぽツたい。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
視線が合うと、彼女はあわてて、その
膨
(
は
)
れぼったい眼を
逸
(
そ
)
らしたが、すぐまた勝気に前に戻して
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
おれは顔中ぼりぼり
掻
(
か
)
きながら、顔はいくら
膨
(
は
)
れたって、口はたしかにきけますから、授業には差し
支
(
つか
)
えませんと答えた。校長は笑いながら、大分元気ですねと
賞
(
ほ
)
めた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただし其の部の痛みは非常であつて、見る間に
膨
(
は
)
れ
上
(
あが
)
り、赤くなり痛みは
愈
(
いよ/\
)
甚
(
はなは
)
だしくなる。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
姉は、薄皮の
瓜実
(
うりざね
)
顔に眉が濃く迫っている美人で、涙っぽい
膨
(
は
)
れ目は艶ではあるが、どんな笑い顔をも泣き笑いの表情にして、それで平生は無難なまとまった顔立ちでも単純だった。
呼ばれし乙女
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
今度私に
突合
(
つきあ
)
って、伊右衛門をするのは、高麗蔵さんですが、自分は何ともないが、妻君の目の下に
腫物
(
しゅもつ
)
が出来て、これが少し
膨
(
は
)
れているところへ、
藍
(
あい
)
がかった色の
膏薬
(
こうやく
)
を張っているので
薄どろどろ
(新字新仮名)
/
尾上梅幸
(著)
然れども
乳房
(
にうばう
)
の部の
膨
(
は
)
れ方少き土偶に限りて第二種を
穿
(
は
)
きたる樣に作り有るを見れば或は此方は男子用にして第一種は女子用ならんか。エスキモ男子中には第二種と
等
(
ひと
)
しき股引を穿く者有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「あら、左の眼が
膨
(
は
)
れてますわ、湿布したら……」
睡魔
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
綺麗な此の娘の眼の下にポツリと一つ
腫物
(
できもの
)
が出来たかと思うと、見る
間
(
ま
)
に紫立って
膨
(
は
)
れ上り、
斯
(
こ
)
う新吉の胸倉を取った時には、新吉が怖いとも怖くないともグッと息が
止
(
とま
)
るようで
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ひどく
膨
(
は
)
れて水
腫
(
ば
)
れになる由(壺井さんのマアちゃんが、何かの試験で腕が膨れて痛くて動かせないと云っていたのは、このことでした。)赤沈(赤血球の
沈澱
(
ちんでん
)
によって見る)は三〇。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「けっ、こいつ、おかあさんを横に
潰
(
つぶ
)
したような
膨
(
は
)
れた顔をしてやがら」
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
第二種の上着は第二種の股引と
相
(
あひ
)
伴
(
とも
)
なふに因つて思へば此物は男子の着用品ならんか。第一種の上着を着する
土偶
(
どぐう
)
には乳房の部の
膨
(
は
)
れ方甚きもの有り。是亦第一種の
婦人
(
ふじん
)
用たるを示すものの如し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
彼は
膨
(
は
)
れぼったい眼を気にしながら出ていった。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
風邪で熱が出て扁桃腺が
膨
(
は
)
れていたところをビンタをくったので耳へ来て、二日ばかりひどく苦痛を訴えた。濡れ手拭がすぐあつくなる位熱があって、もう何日か飯がとおらないのであった。
刻々
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
膨
常用漢字
中学
部首:⾁
16画
“膨”を含む語句
膨脹
水膨
膨張
下膨
青膨
蚯蚓膨
膨脹力
膨上
膨大
火膨
着膨
膨満
頬膨奴
膨脹律
著膨
通貨膨脹
三段膨脹
膨揚
膨張相
膨切
...