)” の例文
土塊どくわいごとうごかぬかれ身體からだからはあはれかすかなけぶりつてうてえた。わら沿びたとき襤褸ぼろかれ衣物きものこがしたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すると荒削りの山の肌が、頂に近くひ松の暗い緑をなすつた所に、小さく一匹の獣が見えた。それが青猪と云ふ異名を負つた、日本アルプスに棲む羚羊かもしかであつた。
槍ヶ岳紀行 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
みさきのやうなかたちうて水田すゐでんかゝへて周圍しうゐはやしやうや本性ほんしやうのまに/\勝手かつてしろつぽいのやあかつぽいのや、黄色きいろつぽいのや種々いろ/\しげつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
乾燥かんさうした藁束わらたば周圍しうゐねぶつて、さらそのほのほ薄闇うすぐらいへうちからのがれようとして屋根裏やねうらうた。それが迅速じんそくちから瞬間しゆんかん活動くわつどうであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)