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張
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は
ふりがな文庫
“
張
(
は
)” の例文
「もう、
半月
(
はんつき
)
もたちゃ、すいかだって
珍
(
めずら
)
しくはない。いまなら
値
(
ね
)
が
張
(
は
)
っても
売
(
う
)
れるだろう。」と、
主人
(
しゅじん
)
は、つけくわえていいました。
初夏の不思議
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
魚眼
(
ぎょがん
)
という
張
(
は
)
りのある眼、
彫
(
ほ
)
りのふかい鼻すじ、
眉
(
まゆ
)
の形、いい唇、個々に見れば見るほど、なおどこかで記憶のある女の顔であった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奧
(
おく
)
さんの
声
(
こゑ
)
にはもう
何
(
なん
)
となく
張
(
は
)
りがなかつた。そして、そのままひざに
視線
(
しせん
)
を
落
(
おと
)
すと、
思
(
おも
)
ひ出したやうにまた
針
(
はり
)
の
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かし
始
(
はじ
)
めた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
すると
良人
(
おっと
)
は
私
(
わたくし
)
と
意見
(
いけん
)
が
違
(
ちが
)
いまして、それは
余
(
あま
)
り
面白
(
おもしろ
)
くない、
是非
(
ぜひ
)
『
若月
(
わかつき
)
』にせよと
言
(
い
)
い
張
(
は
)
って、
何
(
なん
)
と
申
(
もう
)
しても
肯
(
き
)
き
入
(
い
)
れないのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
いくそうかの船は
帆
(
ほ
)
をいっぱいに
張
(
は
)
って、一方にかたむきながら、ゆうゆうと川を下って行くと、こちらからは反対に上って行った。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
「あつしは北の國で、歌舞の菩薩の
張
(
は
)
り
見世
(
みせ
)
を一と廻り拜んで、向柳原へ歸つて寢てしまひましたよ。月待ちと
洒落
(
しやれ
)
るほどは金がねえ」
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分
(
じぶん
)
に
店
(
みせ
)
を
張
(
は
)
つて
註文
(
ちうもん
)
を
取
(
と
)
るほどの
資力
(
しりよく
)
はないまでも、
同業
(
どうげふ
)
の
許
(
もと
)
に
雇
(
やと
)
はれて、
給金
(
きふきん
)
を
取
(
と
)
らうなら、
恁
(
か
)
うした
力業
(
ちからわざ
)
をするには
當
(
あた
)
らぬ。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
下
(
した
)
には
小石
(
こいし
)
が一
面
(
めん
)
に
敷詰
(
しきづ
)
めてある。
天井
(
てんぜう
)
の
高
(
たか
)
さは
中央部
(
ちうわうぶ
)
は五
尺
(
しやく
)
四
寸
(
ずん
)
あるが。
蒲鉾式
(
かまぼこしき
)
に
圓
(
まる
)
く
張
(
は
)
つて
居
(
ゐ
)
るので、四
隅
(
すみ
)
はそれより
自然
(
しぜん
)
に
低
(
ひく
)
い。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
網
(
あみ
)
を
張
(
は
)
つた
高
(
たか
)
い
竹竿
(
たけざを
)
には
鳥籠
(
とりかご
)
が
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。その
中
(
なか
)
には
囮
(
をとり
)
が
飼
(
か
)
つてありまして、
小鳥
(
ことり
)
の
群
(
むれ
)
が
空
(
そら
)
を
通
(
とほ
)
る
度
(
たび
)
に
好
(
い
)
い
聲
(
こゑ
)
で
呼
(
よ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
從
(
したが
)
つて
出來上
(
できあが
)
つたものには、
所々
(
ところ/″\
)
のぶく/\が
大分
(
だいぶ
)
目
(
め
)
に
付
(
つ
)
いた。
御米
(
およね
)
は
情
(
なさけ
)
なささうに、
戸袋
(
とぶくろ
)
に
立
(
た
)
て
懸
(
か
)
けた
張
(
は
)
り
立
(
た
)
ての
障子
(
しやうじ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしあんまり
不思議
(
ふしぎ
)
な話なので、主人はそれをどうしても信じることが出来ませんでした。商人はあくまでほんとうだと言い
張
(
は
)
ります。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
張
(
は
)
りとおすかどうかは疑問なのじゃ。そのころには、優秀な生物がどこかの遊星の上に出来て、本格的に地球征服を実行するかも知れない
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「塾の中だけのむずかしさなら、かえって
張
(
は
)
りあいがあって楽しみですけれど、外からいろいろ
干渉
(
かんしょう
)
されたりするのは、いやですわね。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
一度は村の
見知
(
みし
)
り
越
(
ご
)
しの若者の横顔を
張
(
は
)
り
見世
(
みせ
)
の前でちらと見た。一度は大高島の
渡船
(
とせん
)
の中で村の学務委員といっしょになった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
鉄柵と云うのは、ホンの腰位の高さの
煉瓦
(
れんが
)
の柱の間に、やはり同じ位の高さで
張
(
は
)
り
巡
(
めぐ
)
らしてあるので、飛越えるには大した造作はないのです。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
そして
彼等
(
かれら
)
は、その
立派
(
りっぱ
)
な
翼
(
つばさ
)
を
張
(
は
)
り
拡
(
ひろ
)
げて、この
寒
(
さむ
)
い
国
(
くに
)
からもっと
暖
(
あたたか
)
い
国
(
くに
)
へと
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
って
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
く
時
(
とき
)
は、みんな
不思議
(
ふしぎ
)
な
声
(
こえ
)
で
鳴
(
な
)
くのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この
上
(
うえ
)
躊躇
(
ちょうちょ
)
していたら、
持
(
も
)
った
煙管
(
きせる
)
で、
頭
(
あたま
)
のひとつも
張
(
は
)
られまじき
気配
(
けはい
)
となっては、
藤吉
(
とうきち
)
も、
立
(
た
)
たない
訳
(
わけ
)
には
行
(
い
)
かなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
美しい百合の
憤
(
いきどお
)
りは
頂点
(
ちょうてん
)
に
達
(
たっ
)
し、
灼熱
(
しゃくねつ
)
の
花弁
(
かべん
)
は雪よりも
厳
(
いか
)
めしく、ガドルフはその
凛
(
りん
)
と
張
(
は
)
る音さえ
聴
(
き
)
いたと思いました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
俺
(
お
)
れがよ
心
(
こゝろ
)
はこうなれど、
怒
(
おこ
)
るまえぞえ
見棄
(
みす
)
てまえ、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
も
合
(
あは
)
せたら、
言辭
(
ことば
)
も
掛
(
か
)
けてくだされよう……」
巫女
(
くちよせ
)
は
時々
(
とき/″\
)
調子
(
てうし
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
とても
積
(
つも
)
らば
五尺
(
ごしやく
)
六尺
(
ろくしやく
)
雨戸
(
あまど
)
明
(
あ
)
けられぬ
程
(
ほど
)
に
降
(
ふ
)
らして
常闇
(
とこやみ
)
の
長夜
(
ちやうや
)
の
宴
(
えん
)
、
張
(
は
)
りて
見
(
み
)
たしと
縺
(
もつ
)
れ
舌
(
じた
)
に
譫言
(
たはごと
)
の
給
(
たま
)
ふちろ/\
目
(
め
)
にも
六花
(
りくくわ
)
の
眺望
(
ながめ
)
に
別
(
べつ
)
は
無
(
な
)
けれど
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
透明人間
(
とうめいにんげん
)
は、いつもの、いんきくさい
世
(
よ
)
をのろったような声とはまるでちがう、わかい
張
(
は
)
りのある声で話しつづけた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
私はその最後の低い
張
(
は
)
り切つた
顫音
(
せんおん
)
が消えるまで——ちよつとの間止んでゐた話聲が再び元に歸るまで、待つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
張
(
は
)
ったばかりの
天井
(
てんじょう
)
にふんの
砂子
(
すなご
)
を
散
(
ち
)
らしたり、馬の
眼瞼
(
がんけん
)
をなめただらして
盲目
(
もうもく
)
にする
厄介
(
やっかい
)
ものとも見られていた。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
たとへ
我
(
わが
)
船
(
ふね
)
が
全檣
(
ぜんしやう
)
に
帆
(
ほ
)
を
張
(
は
)
り
蒸滊機關
(
じようききくわん
)
の
破裂
(
はれつ
)
するまで
石炭
(
せきたん
)
を
焚
(
た
)
いて
逃
(
に
)
げやうとも
如何
(
いか
)
で
逃
(
に
)
げ
終
(
を
)
うする
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
やう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もう
夜
(
よ
)
になつた
頃
(
ころ
)
だ。
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにま
)
の
底
(
そこ
)
で
天幕
(
テント
)
を
張
(
は
)
つた
回々教
(
フイフイけう
)
の
旅行者
(
りよかうしや
)
が二三
人
(
にん
)
、
篝火
(
かがりび
)
を
囲
(
かこ
)
んでがやがや
話
(
はな
)
してゐた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
斬
(
き
)
ツつ、
張
(
は
)
ツつも、正義や弱いものを助けるためのはすくなくて、繩張りの勢力爭ひで、弱者がほろびてゆく。
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
張
(
は
)
りつめてゐた
氣
(
き
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
ゆるんで、
彼女
(
かのぢよ
)
は一
時
(
じ
)
の
安心
(
あんしん
)
のためにがつかりしてしまつたのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
といいましたが、
兄
(
にい
)
さんは
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
わないので、
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
が
横面
(
よこッつら
)
を
張
(
は
)
ると、
頭
(
あたま
)
がころりと
落
(
お
)
ちました。それを
見
(
み
)
ると、
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
は
恐
(
こわ
)
くなって、
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
されどなおその火を躍り越えて入り来るにより、ついには馬の
綱
(
つな
)
を
解
(
と
)
きこれを
張
(
は
)
り
回
(
めぐ
)
らせしに、
穽
(
おとしあな
)
などなりとや思いけん、それよりのちは中に飛び入らず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
根
(
こん
)
も
張
(
は
)
りも尽き果てた疲れを負って歩く、灰色の路の我が人生の旅の行方を想うと、堪え難く寂しく悲しい。
利根川の鮎
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
なにしろ、湖の上には氷がほとんどいちめんに
張
(
は
)
りつめていて、それがどす黒く、しかも、でこぼこしていて、いたるところに
裂
(
さ
)
け目や
穴
(
あな
)
があるのですからね。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
すなわち彼等の
目的
(
もくてき
)
は
時機
(
じき
)
に投じて
恩威
(
おんい
)
並
(
なら
)
び
施
(
ほどこ
)
し、
飽
(
あ
)
くまでも自国の
利益
(
りえき
)
を
張
(
は
)
らんとしたるその中には、公使始めこれに
附随
(
ふずい
)
する
一類
(
いちるい
)
の
輩
(
はい
)
にも種々の
人物
(
じんぶつ
)
ありて
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
今年は今年で、お鳥(女房の名)が指さあ、
張
(
は
)
れもの
出来
(
でか
)
して、岩佐様さあ七十日がな通いましただ。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それから
鞍
(
くら
)
から
馬
(
うま
)
の
胸
(
むね
)
のところや
尻
(
しり
)
の
方
(
ほう
)
に
廻
(
まは
)
つて
行
(
ゆ
)
く
革
(
かは
)
の
帶
(
おび
)
には、
杏葉
(
きようよう
)
といふ
飾
(
かざ
)
りがつけてありまして、その
飾
(
かざ
)
りはたいてい
鐵
(
てつ
)
の
上
(
うへ
)
に
金
(
きん
)
めっきをした
銅
(
どう
)
を
張
(
は
)
りつけ
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その色々の声が、大津絵を
補綴
(
ほてつ
)
して行く
工合
(
ぐあひ
)
は、
丁度
(
ちやうど
)
張
(
は
)
り
交
(
ま
)
ぜの
屏風
(
びやうぶ
)
でも見る時と、同じやうな心もちだつた。自分は
可笑
(
をか
)
しくなつたから、途中であははと笑ひ出した。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その先生は
凧屋
(
たこや
)
に凧を
張
(
は
)
らせて、自分でそれに絵をかいてやるのを
楽
(
たの
)
しみにしている人でした。だから、おやじさんのいうことをすぐに聞いて、自分の
弟子
(
でし
)
にしました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
此辺には滅多に見た事も無い立派な輿だ。白無垢の婦人、白衣の看護婦、黒い洋服の若い医師、
急拵
(
きゅうごしら
)
えの紋を
透綾
(
すきや
)
の羽織に
張
(
は
)
った親戚の男達、其等が棺の前後に附添うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
こういうふうにいいきかされると、ぐうたらなジャックのこころも、ぴんと
張
(
は
)
ってきました。
ジャックと豆の木
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
喰
(
くら
)
ひ
意地
(
いぢ
)
が
張
(
は
)
つてるな、
鑑定
(
めきゝ
)
が
済
(
す
)
むと
是
(
これ
)
からお茶を立てるんで
御広間
(
おひろま
)
へ
釜
(
かま
)
が
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
る、お
前
(
めえ
)
にも二三
度
(
ど
)
教へた事も
有
(
あ
)
つたが、
何時
(
いつ
)
も
飲
(
の
)
むやうにして
茶碗
(
ちやわん
)
なぞは
解
(
わか
)
りません
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二
枚
(
まい
)
つゞきにしたつて
封書
(
ふうしよ
)
と
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で三
錢
(
せん
)
だ。たまに三
枚
(
まい
)
續
(
つゞ
)
きにする
事
(
こと
)
もあるが、
状袋
(
じやうぶくろ
)
に
入
(
い
)
れたり、
切手
(
きつて
)
を
張
(
は
)
つたりする
面倒
(
めんだう
)
がないだけでも、一
錢
(
せん
)
五
厘
(
りん
)
の
値打
(
ねうち
)
はあるからな。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
人といふものは二気あれば即ち病む、といふ古い支那の
諺
(
ことわざ
)
にある通り(中略)宜しく
胆
(
たん
)
を
張
(
は
)
り
気
(
き
)
を
壮
(
さか
)
んにし、飲食を適宜にし、運動を怠らずして、
無所
(
むしよ
)
畏心
(
ゐしん
)
に安住すべきである。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
(二〇)
上
(
かみ
)
、
度
(
ど
)
を
服
(
おこな
)
へば
則
(
すなは
)
ち
(二一)
六
親
(
しん
)
固
(
かた
)
し。
(二二)
四
維
(
ゐ
)
張
(
は
)
らざれば
國
(
くに
)
乃
(
すなは
)
ち
滅亡
(
めつばう
)
す
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それでもない鬱積の塊のようなものが心身を
張
(
は
)
ち切らしそうに膨脹して来て、愉快とも苦痛とも言えない気持は、とても尋常の談話などしていられる時期ではないように思われた。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
即
(
すなはち
)
、そこは
灌木帶
(
かんぼくたい
)
といふところで、
殊
(
こと
)
に
偃松
(
はひまつ
)
が
目
(
め
)
につくので、
偃松帶
(
はひまつたい
)
ともいつてゐます。
偃松
(
はひまつ
)
は
地上
(
ちじよう
)
二三尺
(
にさんじやく
)
のところに
腕
(
うで
)
を
伸
(
の
)
ばし、
肘
(
ひぢ
)
を
張
(
は
)
つたように、
枝
(
えだ
)
を
四方
(
しほう
)
にひろげてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「なんですよ。そんな
張
(
は
)
り
子
(
こ
)
の虎みたいに——みっともないじゃアありませんか」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼
(
かれ
)
の
發狂者
(
はつきやうしや
)
らしい
所
(
ところ
)
は、
始終
(
しゞゆう
)
氣
(
き
)
の
張
(
は
)
つた
樣子
(
やうす
)
と、
變
(
へん
)
な
眼付
(
めつき
)
とをするの
外
(
ほか
)
に、
時折
(
ときをり
)
、
晩
(
ばん
)
になると、
着
(
き
)
てゐる
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
前
(
まへ
)
を
神經的
(
しんけいてき
)
に
掻合
(
かきあ
)
はせると
思
(
おも
)
ふと、
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あ
)
はぬまでに
全身
(
ぜんしん
)
を
顫
(
ふる
)
はし
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
穴
(
あな
)
を
作
(
つく
)
るに當つては、或は長さ
幾歩
(
いくほ
)
、
幅
(
はば
)
幾歩と
歩
(
あゆ
)
み試み、或は
繩
(
なわ
)
を
採
(
と
)
り
尋數
(
ひろすう
)
を
測
(
はか
)
りて地上に
張
(
は
)
り
廻
(
めぐ
)
らし、堀る可き
塲所
(
ばしよ
)
の大さを定め、
尖
(
とが
)
りたる
棒
(
ぼう
)
を以て地を
穿
(
うが
)
ち、
籠
(
かご
)
、
席
(
むしろ
)
の類に土を受け
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
渡船
(
とせん
)
を
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
してみたけれど、
殆
(
ほと
)
んど
片足
(
かたあし
)
を
蹈
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
む
餘地
(
よち
)
もないので、
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
に
舌打
(
したう
)
ちして、
汀
(
みぎは
)
に
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つてゐたが、やがて
高
(
たか
)
く、
虎
(
とら
)
が
吼
(
ほ
)
えるやうに
聲
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げると
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
張
(
は
)
る
印刷局
(
いんさつきよく
)
の
貴婦人
(
レデイ
)
に到るまで
随喜
(
ずゐき
)
渇仰
(
かつがう
)
せしむる
手際
(
てぎは
)
開闢以来
(
かいびやくいらい
)
の
大出来
(
おほでき
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
先を争って
天幕
(
テント
)
を
張
(
は
)
りまわすと、手に手にお
香
(
こう
)
を
焚
(
た
)
いたり、
神符
(
しんぷ
)
を焼いたりして崑崙山神の
冥護
(
めいご
)
を祈ると同時に、盛大なお茶祭を催して、
滅亡
(
ほろ
)
びた崑崙王国の万霊を慰めるのだそうですが
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“張(張(姓))”の解説
張(ちょう)は、漢姓の一つ。中華圏で多い姓の1つである。
(出典:Wikipedia)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“張”を含む語句
矢張
引張
緊張
出張
突張
威張
誇張
見張
硝子張
鯱張
頬張
張合
薩張
葭簀張
大威張
縄張
主張
高張提灯
弓張提灯
繩張
...