“灼熱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃくねつ88.2%
しやくねつ11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「僕なら、それを抱いてやるよ。僕の肉体はますます温くなるのだ。灼熱しゃくねつするまでにすべてのものをみこむのだ。その上で僕は出発する」
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
道路のアスファルトがやわらかくなって靴のあとがつくという灼熱しゃくねつの神戸市中から、埠頭ふとうに出て、舷梯げんていをよじて、くれない丸に乗ると、たちまち風が涼しい。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
多くの草花がへとへとにしなびかかつてゐる灼熱しやくねつの真つ昼間を、瞬きもせず澄みきつた眼を開いて、太陽を見つめてゐるのはこの花です。
石竹 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
それは、よく廻つた独楽こまが完全な静止に澄むやうに、また、音楽の上手な演奏がきまつてなにかの幻覚を伴ふやうに、灼熱しやくねつした生殖の幻覚させる後光のやうなものだ。
桜の樹の下には (新字旧仮名) / 梶井基次郎(著)