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齒
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は
ふりがな文庫
“
齒
(
は
)” の例文
新字:
歯
私
(
わたし
)
は
今迄
(
いまゝで
)
、
朝鮮猫
(
てうせんねこ
)
が
始終
(
しじゆう
)
齒
(
は
)
を
露出
(
むきだ
)
して
居
(
ゐ
)
るなんて
事
(
こと
)
を
些
(
ちつ
)
とも
知
(
し
)
りませんでした、
眞個
(
ほんと
)
に
知
(
し
)
らずに
居
(
ゐ
)
ましたわ、
猫
(
ねこ
)
が
齒
(
は
)
を
露出
(
むきだ
)
すなんて
事
(
こと
)
を
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は、
左
(
さ
)
うですかと
云
(
い
)
つて、たゞ
肥
(
ふと
)
つた
男
(
をとこ
)
のなすが
儘
(
まゝ
)
にして
置
(
お
)
いた。すると
彼
(
かれ
)
は
器械
(
きかい
)
をぐる/\
廻
(
まは
)
して
宗助
(
そうすけ
)
の
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
へ
穴
(
あな
)
を
開
(
あ
)
け
始
(
はじ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
船頭
(
せんどう
)
さん、
渡場
(
わたしば
)
で
一番
(
いちばん
)
川幅
(
かははゞ
)
の
廣
(
ひろ
)
いのは
何處
(
どこ
)
だい。
先
(
ま
)
づ
此處
(
こゝ
)
だね。
何町位
(
なんちやうぐらゐ
)
あるねといふ。
唾
(
つば
)
乾
(
かわ
)
きて
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あ
)
はず、
煙管
(
きせる
)
は
出
(
だ
)
したが
手
(
て
)
が
震
(
ふる
)
へる。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何分
(
なにぶん
)
空氣
(
くうき
)
が
棺
(
かん
)
の
中
(
なか
)
へ
侵入
(
しんにゆう
)
するので、
今日
(
こんにち
)
これを
開
(
あ
)
けて
見
(
み
)
ても
骨
(
ほね
)
の
遺
(
のこ
)
つてゐるのはごく
稀
(
まれ
)
であつて、わづかに
齒
(
は
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐるくらゐであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
頼みたく今日は
和女
(
そなた
)
の歸りをば實は
二個
(
ふたり
)
で待てゐたりと言ばお金は
斑
(
まばら
)
なる
齒
(
は
)
を
顯
(
あらは
)
して打笑ひ然いふ目出度お話と聞ては
吾儕
(
わたし
)
も實に
嬉
(
うれ
)
しく斯いふ事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
アンドレイ、エヒミチはうんざりして、
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になり、
倚掛
(
よりかゝり
)
の
方
(
はう
)
へ
突
(
つい
)
と
顏
(
かほ
)
を
向
(
む
)
けた
儘
(
まゝ
)
、
齒
(
は
)
を
切
(
くひしば
)
つて、
友
(
とも
)
の
喋喋
(
べら/\
)
語
(
しやべ
)
るのを
詮方
(
せんかた
)
なく
聞
(
き
)
いてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
卯平
(
うへい
)
は
幾杯
(
いくはい
)
も
只
(
たゞ
)
茶
(
ちや
)
を
啜
(
すゝ
)
つた。
壯健
(
たつしや
)
だといつても
彼
(
かれ
)
は
齒
(
は
)
がげつそりと
落
(
お
)
ちて
軟
(
やはら
)
かな
物
(
もの
)
でなければ
噛
(
か
)
めなくなつて
居
(
ゐ
)
た。
卯平
(
うへい
)
は
又
(
また
)
おつぎへ
醤油
(
しやうゆ
)
の
罎
(
びん
)
を
出
(
だ
)
して
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
積
(
つも
)
つた
雪
(
ゆき
)
を
凍
(
こゞ
)
つた
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
に
集
(
あつ
)
めて、それを
下駄
(
げた
)
の
齒
(
は
)
でこするうちには、
白
(
しろ
)
いタヽキのやうな
路
(
みち
)
が
出來上
(
できあが
)
ります。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
墓
(
はか
)
へ
這入
(
はい
)
るまで八
圓
(
ゑん
)
の
月給
(
げつきう
)
では
有
(
あ
)
るまいと
思
(
おも
)
ひますに、
其邊
(
そのへん
)
格別
(
かくべつ
)
の
御心配
(
ごしんぱい
)
なくと
見事
(
みごと
)
に
言
(
い
)
へば、
母親
(
はゝおや
)
はまだらに
殘
(
のこ
)
る
黒
(
くろ
)
き
齒
(
は
)
を
出
(
だ
)
して、
成
(
な
)
るほど/\
宜
(
よ
)
く
立派
(
りつぱ
)
に
聞
(
きこ
)
えました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
疾病の
種類
(
しゆるゐ
)
にして存在の証跡を今日に留むるは黴毒と虫齒なり是等の事は遺跡より出つる
骨
(
ほね
)
と
齒
(
は
)
とに由りて知るを得る事なれど、風俗考には縁故遠き事故
細説
(
さいせつ
)
は爲さざるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
寸
(
すん
)
ほどにのびた
院内
(
ゐんない
)
の
若草
(
わかぐさ
)
が、
下駄
(
げた
)
の
齒
(
は
)
に
柔
(
やはら
)
かく
觸
(
ふ
)
れて、
土
(
つち
)
の
濕
(
しめ
)
りがしつとりと
潤
(
うるほ
)
ひを
持
(
も
)
つてゐる。
微
(
かす
)
かな
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
きつけられて、
雨
(
あめ
)
の
糸
(
いと
)
はさわ/\と
傘
(
かさ
)
を
打
(
う
)
ち、
柄
(
え
)
を
握
(
にぎ
)
つた
手
(
て
)
を
霑
(
うるほ
)
す。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
猛惡
(
まうあく
)
なる
猴
(
さる
)
の
本性
(
ほんしやう
)
として、
容易
(
ようゐ
)
に
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
さない、
恰
(
あだか
)
も
嘲
(
あざけ
)
る
如
(
ごと
)
く、
怒
(
いか
)
るが
如
(
ごと
)
く、
其
(
その
)
黄色
(
きいろ
)
い
齒
(
は
)
を
現
(
あら
)
はして、
一聲
(
いつせい
)
高
(
たか
)
く
唸
(
うな
)
つた
時
(
とき
)
は、
覺悟
(
かくご
)
の
前
(
まへ
)
とはいひ
乍
(
なが
)
ら、
私
(
わたくし
)
は
頭
(
あたま
)
から
冷水
(
ひやみづ
)
を
浴
(
あ
)
びた
樣
(
やう
)
に
戰慄
(
せんりつ
)
した
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それを取つてたべている間に逃げておいでになるのをまた追いかけましたから、今度は右の耳の邊につかねた髮に插しておいでになつた清らかな櫛の
齒
(
は
)
を
闕
(
か
)
いてお投げになると
筍
(
たけのこ
)
が
生
(
は
)
えました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
乳母 ならっしゃりませぬとも、
此
(
この
)
齒
(
は
)
を十四
本
(
ほん
)
賭
(
か
)
けますがな……と
言
(
い
)
うても、
其
(
その
)
十四
本
(
ほん
)
が、ほんに/\、もう
只
(
たった
)
四
本
(
ほん
)
しかござりませぬわい。……
初穗節
(
はつほまつり
)
(八朔)までは
最早
(
もう
)
幾日
(
いくか
)
でござりますえ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此の
時
(
とき
)
位
(
ぐらゐ
)
藝術家の
意久地
(
いくぢ
)
の無いことはあるまい、
幾
(
いく
)
らギリ/\
齒
(
は
)
を
噛
(
か
)
むだと
謂
(
い
)
ツて、また幾ら努力したと謂ツて、何のことはない、
破
(
やぶ
)
けたゴム
鞠
(
まり
)
を
地
(
ち
)
べたに
叩付
(
たゝきつ
)
けるやうなもので何の
張合
(
はりあひ
)
もない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
時
(
とき
)
」の
老骨
(
らうこつ
)
、きしきしと、
數
(
かず
)
噛
(
か
)
む
音
(
おと
)
の
齒
(
は
)
ぎしりや
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
坊
(
ばう
)
やの
齒
(
は
)
ぐきは
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
齒
(
は
)
と
齒
(
は
)
のきしみ
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「そら
今度
(
こんだ
)
こさ
雪子
(
ゆきこ
)
の
勝
(
かち
)
だ」と
云
(
い
)
つて
愉快
(
ゆくわい
)
さうに
綺麗
(
きれい
)
な
齒
(
は
)
を
露
(
あら
)
はした。
子供
(
こども
)
の
膝
(
ひざ
)
の
傍
(
そば
)
には
白
(
しろ
)
だの
赤
(
あか
)
だの
藍
(
あゐ
)
だのゝ
硝子玉
(
がらすだま
)
が
澤山
(
たくさん
)
あつた。
主人
(
しゆじん
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なに
)
はしかれ
車
(
くるま
)
の
齒
(
は
)
の
埋
(
うづ
)
まりますまで、
遣
(
や
)
るとしませう。
其上
(
そのうへ
)
は、三
人
(
にん
)
がかり五
人
(
にん
)
がかり、
三井寺
(
みゐでら
)
の
鐘
(
かね
)
をかつぐ
力
(
ちから
)
づくでは、とても
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
きはしませぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
與吉
(
よきち
)
は
一箸
(
ひとはし
)
嘗
(
な
)
めては
舌鼓
(
したつゞみ
)
を
打
(
う
)
つて
其
(
その
)
小
(
ちひ
)
さな
白
(
しろ
)
い
齒
(
は
)
を
出
(
だ
)
して、
頭
(
あたま
)
を
後
(
うしろ
)
へひつゝける
程
(
ほど
)
身
(
み
)
を
反
(
そ
)
らしておつぎの
顏
(
かほ
)
を
凝然
(
ぢつ
)
と
見
(
み
)
ては
甘
(
あま
)
えた
聲
(
こゑ
)
を
立
(
たて
)
て
笑
(
わら
)
ふのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
厨房
(
だいどころ
)
に
居
(
ゐ
)
るもので
嚏
(
くさめ
)
をしないのは
只
(
たゞ
)
料理人
(
クツク
)
と、それから
竈
(
へツつひ
)
の
上
(
うへ
)
に
坐
(
すわ
)
つて、
耳
(
みゝ
)
から
耳
(
みゝ
)
まで
剖
(
さ
)
けた
大
(
おほ
)
きな
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
いて、
齒
(
は
)
を
露出
(
むきだ
)
して
居
(
ゐ
)
た一
疋
(
ぴき
)
の
大猫
(
おほねこ
)
ばかりでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と、
忽
(
たちま
)
ち
覺
(
おぼ
)
ゆる
胸
(
むね
)
の
苦痛
(
くつう
)
、
膓
(
ちやう
)
の
疼痛
(
とうつう
)
、
誰
(
たれ
)
か
鋭
(
するど
)
き
鎌
(
かま
)
を
以
(
もつ
)
て、
刳
(
ゑぐ
)
るにはあらぬかと
思
(
おも
)
はるゝ
程
(
ほど
)
、
彼
(
かれ
)
は
枕
(
まくら
)
に
強攫
(
しが
)
み
着
(
つ
)
き、きりゝと
齒
(
は
)
をば
切
(
くひしば
)
る。
今
(
いま
)
ぞ
初
(
はじ
)
めて
彼
(
かれ
)
は
知
(
し
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
時
(
とき
)
にはもう
幾度
(
いくたび
)
か
勝負
(
しやうぶ
)
をした
揚句
(
あげく
)
に
土
(
つち
)
のついて
齒
(
は
)
のこぼれたやつを
削
(
けづ
)
り
直
(
な
)
したりして
遊
(
あそ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お
齒
(
は
)
ぐろ
溝
(
どぶ
)
の
角
(
かど
)
より
曲
(
まが
)
りて、いつも
行
(
ゆ
)
くなる
細道
(
ほそみち
)
をたどれば、
運
(
うん
)
わるう
大黒
(
だいこく
)
やの
前
(
まへ
)
まで
來
(
き
)
し
時
(
とき
)
、さつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
大黒傘
(
だいこくがさ
)
の
上
(
うへ
)
を
抓
(
つか
)
みて、
宙
(
ちう
)
へ
引
(
ひき
)
あげるかと
疑
(
うたが
)
ふばかり
烈
(
はげ
)
しく
吹
(
ふ
)
けば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
始め與力同心列を
正
(
たゞ
)
して嚴重に
居並
(
ゐなら
)
びければ吉五郎は
彌々
(
いよ/\
)
色
(
いろ
)
蒼然
(
あをざめ
)
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あは
)
ぬ
迄
(
まで
)
に
慄
(
ふる
)
へながら家主の
後
(
あと
)
に
蹲踞
(
ゐすくま
)
るにぞ越前守殿是を見られ是へ/\と申さるゝに吉五郎は今にも
首
(
くび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かういふ
孔
(
あな
)
をあけた
獸類
(
じゆうるい
)
の
牙
(
きば
)
や
齒
(
は
)
は、
日本
(
につぽん
)
の
石器時代
(
せつきじだい
)
の
遺跡
(
いせき
)
や、また
外國
(
がいこく
)
の
遺跡
(
いせき
)
からもずいぶんたくさん
發見
(
はつけん
)
せられますが、
勾玉
(
まがたま
)
のように
美
(
うつく
)
しい
形
(
かたち
)
の
玉
(
たま
)
は、
外國
(
がいこく
)
ではまったく
見
(
み
)
られません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
齒
(
は
)
をかみ
鳴
(
な
)
らす
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「
御米
(
およね
)
、
己
(
おれ
)
は
齒
(
は
)
の
性
(
しやう
)
が
餘程
(
よつぽど
)
惡
(
わる
)
いと
見
(
み
)
えるね。
斯
(
か
)
うやると
大抵
(
たいてい
)
動
(
うご
)
くぜ」と
下齒
(
したば
)
を
指
(
ゆび
)
で
動
(
うご
)
かして
見
(
み
)
せた。
御米
(
およね
)
は
笑
(
わら
)
ひながら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「へい、
何方
(
どちら
)
で、」と
云
(
い
)
ふのが、
赤
(
あか
)
ら
顏
(
がほ
)
の
髯
(
ひげ
)
もじやだが、
莞爾
(
につこり
)
と
齒
(
は
)
を
見
(
み
)
せた、
人
(
ひと
)
のよささうな
親仁
(
おやぢ
)
が
嬉
(
うれ
)
しく
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんだら
汝
(
わ
)
りや」と
齒
(
は
)
でぎつと
噛
(
か
)
み
殺
(
ころ
)
した
樣
(
やう
)
な
聲
(
こゑ
)
でいつた。
暫時
(
しばらく
)
凝然
(
ぢつ
)
と
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た
彼
(
かれ
)
はおつぎを
蹴
(
け
)
つた。おつぎは
前
(
まへ
)
へのめつた。
然
(
しか
)
しおつぎは
泣
(
な
)
かなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『でも!
私
(
わたし
)
は
度々
(
たび/\
)
齒
(
は
)
を
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
ない
猫
(
ねこ
)
を
見
(
み
)
てよ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
云
(
い
)
はうとしたものゝ、『
齒
(
は
)
を
露出
(
むきだ
)
してるものは
猫
(
ねこ
)
の
他
(
ほか
)
に!
私
(
わたし
)
が
是迄
(
これまで
)
に
見
(
み
)
たものゝ
中
(
うち
)
で一
番
(
ばん
)
奇妙
(
きめう
)
なのは』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
夫
(
そ
)
れ/\
羽織
(
はをり
)
の
裾
(
すそ
)
が
地
(
ち
)
について
泥
(
どろ
)
に
成
(
な
)
るは
御存
(
ごぞん
)
じ
無
(
な
)
いか、あれ
傘
(
かさ
)
が
轉
(
ころ
)
がる、あれを
疊
(
たゝ
)
んで
立
(
た
)
てかけて
置
(
お
)
けば
好
(
よ
)
いにと一々
鈍
(
もど
)
かしう
齒
(
は
)
がゆくは
思
(
おも
)
へども、
此處
(
こゝ
)
に
裂
(
き
)
れが
御座
(
ござ
)
んす
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた
切
(
き
)
り、
而
(
さう
)
して
齒
(
は
)
を
切
(
くひしば
)
つてゐるのであるが、
其
(
そ
)
れが
段々
(
だん/\
)
度重
(
たびかさ
)
なれば
重
(
かさな
)
る
程
(
ほど
)
、
堪
(
たま
)
らなく、
終
(
つひ
)
には
咽喉
(
のど
)
の
邊
(
あた
)
りまでがむづ/\して
來
(
く
)
るやうな
感
(
かん
)
じがして
來
(
き
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
云から待てゐよ必ず忘るゝ事
勿
(
なか
)
れと
憤怒
(
ふんぬ
)
の
目眥
(
まなじり
)
逆立
(
さかだ
)
つて
礑
(
はつ
)
たと
白眼
(
にらみ
)
兩の手をひし/\と
握
(
にぎ
)
りつめ
齒
(
は
)
を
喰
(
くひ
)
しばりし
恐怖
(
おそろ
)
しさに忠兵衞夫婦は
白洲
(
しらす
)
をも
打忘
(
うちわす
)
れアツと云樣立上り
迯
(
にげ
)
んとするを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ところがこの
面白
(
おもしろ
)
い
勾玉
(
まがたま
)
の
形
(
かたち
)
が、どうして
出來
(
でき
)
たのであるかといひますと、
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
が
狩
(
か
)
りをして
獸
(
けだもの
)
をとり、その
牙
(
きば
)
や
齒
(
は
)
に
孔
(
あな
)
をあけて
飾
(
かざ
)
りにした
風習
(
ふうしゆう
)
が
傳
(
つた
)
はつて、その
牙
(
きば
)
や
齒
(
は
)
の
形
(
かたち
)
の
曲
(
まが
)
つたのをまねて
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
この
根際
(
ねぎは
)
に
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
つては
挽
(
ひ
)
き
下
(
お
)
ろし、
伸上
(
のびあが
)
つては
挽
(
ひ
)
き
下
(
お
)
ろす、
大鋸
(
おほのこぎり
)
の
齒
(
は
)
は
上下
(
うへした
)
にあらはれて、
兩手
(
りやうて
)
をかけた
與吉
(
よきち
)
の
姿
(
すがた
)
は、
鋸
(
のこぎり
)
よりも
小
(
ちひ
)
さいかのやう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
齒
(
は
)
ぎしりするほど
腹立
(
はらたゝ
)
しく、
此老婆
(
このばゞ
)
はり
仆
(
たほ
)
すに
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
けれど、
唯
(
たゞ
)
ならぬ
身
(
み
)
の
美尾
(
みを
)
が
心痛
(
しんつう
)
、
引
(
ひ
)
いては
子
(
こ
)
にまで
及
(
およ
)
ぼすべき
大事
(
だいじ
)
と
胸
(
むね
)
をさすりて、
私
(
わたし
)
とても
男子
(
おとこ
)
の
端
(
はし
)
で
御座
(
ござ
)
りますれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
齒
(
は
)
を
染
(
そ
)
めた、
面長
(
おもなが
)
の、
目鼻立
(
めはなだち
)
はつきりとした、
眉
(
まゆ
)
は
落
(
おと
)
さぬ、
束
(
たば
)
ね
髮
(
がみ
)
の
中年増
(
ちうどしま
)
、
喜藏
(
きざう
)
の
女房
(
にようばう
)
で、お
品
(
しな
)
といふ。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
廻
(
まわ
)
れば
大門
(
おほもん
)
の
見返
(
みかへ
)
り
柳
(
やなぎ
)
いと
長
(
なが
)
けれど、お
齒
(
は
)
ぐろ
溝
(
どぶ
)
に
燈火
(
ともしび
)
うつる三
階
(
がい
)
の
騷
(
さわ
)
ぎも
手
(
て
)
に
取
(
と
)
る
如
(
ごと
)
く、
明
(
あ
)
けくれなしの
車
(
くるま
)
の
行來
(
ゆきゝ
)
にはかり
知
(
し
)
られぬ
全盛
(
ぜんせい
)
をうらなひて、
大音寺前
(
だいおんじまへ
)
と
名
(
な
)
は
佛
(
ほとけ
)
くさけれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「へい、お
待
(
ま
)
ちなさいまし、
石磈
(
いしころ
)
で
齒
(
は
)
が
軋
(
きし
)
みますで。」と
蹲
(
つくば
)
つて、ぐい、と
楫
(
かぢ
)
を
壓
(
おさ
)
へる。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
座敷
(
ざしき
)
へは
婢女
(
をんな
)
ばかり
出
(
だ
)
して
私
(
わたし
)
は
齒
(
は
)
が
痛
(
いた
)
いの
頭痛
(
づつう
)
のと
言
(
い
)
つて、お
客
(
きやく
)
の
有無
(
あるなし
)
にかゝはらず
勝手氣儘
(
かつてきまゝ
)
の
身持
(
みもち
)
をして
呼
(
よ
)
ばれましたからとて
返事
(
へんじ
)
をしやうでもない、あれをば
他人
(
ひと
)
は
何
(
なん
)
と
見
(
み
)
ましたか
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
曲
(
ま
)
げた
腰
(
こし
)
も
立
(
た
)
ちあへず、
石
(
いし
)
を
噛
(
か
)
む
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
に
蹲
(
うづく
)
まつた。
草
(
くさ
)
も
荒
(
あ
)
れ、
地
(
ち
)
も
破
(
わ
)
れて、
樹蔭
(
こかげ
)
を
洩
(
も
)
る
月
(
つき
)
斷々
(
きれ/″\
)
に、
骨
(
ほね
)
を
碎
(
くだ
)
いて
散
(
ち
)
らしたれば、
片輪車
(
かたわぐるま
)
の
影
(
かげ
)
を
倒
(
たふ
)
して、
輪𢌞
(
りんね
)
を
凄
(
すご
)
く
描
(
ゑが
)
ける
其
(
そ
)
の
状
(
さま
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
目鼻
(
めはな
)
だちより
髮
(
かみ
)
のかゝり、
齒
(
は
)
ならびの
宜
(
よ
)
い
所
(
ところ
)
まで
似
(
に
)
たとは
愚
(
おろ
)
か
毋樣
(
はゝさま
)
を
其
(
その
)
まゝの
生
(
うま
)
れつき、
奧樣
(
おくさま
)
の
父御
(
てゝご
)
といひしは
赤鬼
(
あかおに
)
の
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
とて、十
年
(
ねん
)
の
以前
(
まへ
)
までは
物
(
もの
)
すごい
目
(
め
)
を
光
(
ひか
)
らせて
在
(
おは
)
したる
物
(
もの
)
なれど
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ものの
半道
(
はんみち
)
とは
上
(
のぼ
)
らないのに、
車
(
くるま
)
の
齒
(
は
)
の
軋
(
きし
)
り
強
(
つよ
)
く、
平地
(
ひらち
)
でさへ、
分
(
わ
)
けて
坂
(
さか
)
、一
分間
(
ぷんかん
)
に一
寸
(
すん
)
づゝ、
次第
(
しだい
)
に
雪
(
ゆき
)
が
嵩
(
かさ
)
増
(
ま
)
すので、
呼吸
(
いき
)
を
切
(
き
)
つても、もがいても、
腕車
(
くるま
)
は一
歩
(
ぽ
)
も
進
(
すゝ
)
まずなりぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
アヽと
出
(
で
)
る
溜息
(
ためいき
)
を
噛
(
かみ
)
しめる
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
寒
(
さぶ
)
さにふるひて
打仰
(
うちあふ
)
ぐ
面
(
おもて
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
の
犬
(
いぬ
)
どもの、
耳
(
みゝ
)
には
火
(
ひ
)
を
立
(
た
)
て、
牙
(
きば
)
には
火
(
ひ
)
を
齒
(
は
)
み、
焔
(
ほのほ
)
を
吹
(
ふ
)
き、
黒煙
(
くろけむり
)
を
尾
(
を
)
に
倦
(
ま
)
いて、
車
(
くるま
)
とも
言
(
い
)
はず、
人
(
ひと
)
とも
言
(
い
)
はず、
炎
(
ほのほ
)
に
搦
(
から
)
んで、
躍上
(
をどりあが
)
り、
飛蒐
(
とびかゝ
)
り、
狂立
(
くるひた
)
つて
地獄
(
ぢごく
)
の
形相
(
ぎやうさう
)
を
顯
(
あらは
)
したであらう
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
並
(
なら
)
べ
立
(
た
)
てなば
力車
(
ちからぐるま
)
に
牛
(
うし
)
の
汗
(
あせ
)
何
(
なん
)
の
積
(
つ
)
み
載
(
の
)
せきれるものかは
言
(
い
)
はぬが
花
(
はな
)
ぞお
前
(
まへ
)
さまは
盛
(
さか
)
りの
身
(
み
)
春
(
はる
)
めき
給
(
たま
)
ふは
今
(
いま
)
の
間
(
ま
)
なるべし
薦
(
こも
)
かぶりながら
見送
(
みおく
)
らんと
詞
(
ことば
)
叮嚀
(
ていねい
)
に
氣込
(
きごみ
)
あらく
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
きり/\と
喰
(
く
)
ひしばりて
釣
(
つ
)
り
上
(
あ
)
ぐる
眉根
(
まゆね
)
おそろしく
散髮
(
さんぱつ
)
斜
(
なゝ
)
めに
拂
(
はら
)
ひあげて
白
(
しろ
)
き
面
(
おもて
)
に
紅
(
くれなゐ
)
の
色
(
いろ
)
さしも
優
(
やさ
)
しき
常
(
つね
)
には
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鼬
(
いたち
)
が
覘
(
のぞ
)
くやうな、
鼠
(
ねずみ
)
が
匍匐
(
はらば
)
つたやうな、
切
(
き
)
つて
填
(
は
)
めた
菱
(
ひし
)
の
實
(
み
)
が、ト、べつかつこをして、ぺろりと
黒
(
くろ
)
い
舌
(
した
)
を
吐
(
は
)
くやうな、いや、
念
(
ねん
)
の
入
(
い
)
つた、
雜多
(
ざつた
)
な
隙間
(
すきま
)
、
破
(
や
)
れ
穴
(
あな
)
が、
寒
(
さむ
)
さにきり/\と
齒
(
は
)
を
噛
(
か
)
んで
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眼
(
まなこ
)
鋭
(
するど
)
く
鼻
(
はな
)
の
上
(
うへ
)
の
皺
(
しわ
)
に
惡相
(
あくさう
)
を
刻
(
きざ
)
み
齒
(
は
)
の
揃
(
そろ
)
へる
水々
(
みづ/\
)
しきが、
小紋
(
こもん
)
縮緬
(
ちりめん
)
のりうたる
着附
(
きつけ
)
、
金時計
(
きんどけい
)
をさげて、
片手
(
かたて
)
に
裳
(
もすそ
)
をつまみ
上
(
あ
)
げ、さすがに
茶澁
(
ちやしぶ
)
の
出
(
で
)
た
脛
(
はぎ
)
に、
淺葱
(
あさぎ
)
縮緬
(
ちりめん
)
を
搦
(
から
)
ませながら、
片手
(
かたて
)
に
銀
(
ぎん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
握
(
にぎ
)
り
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
齒
部首:⿒
15画
“齒”を含む語句
切齒
齒並
皓齒
齒向
鋸齒状
齒噛
朴木齒
齒切
齒輪車
齒痒
羊齒
前齒
齲齒
反齒
齒朶
奧齒
齒軋
齒磨
齒痛
朴齒
...