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皓齒
と
皓齒が
見えて、
口許の
婀娜たる
微笑。……
行かないと
心が
極まると、さらりと
屈託の
拔けた
状で
面で
緊めた
姿である。
皓齒の
一つも
莞爾と
綻びたら、はらりと
解けて、
帶も
浴衣も
其のまゝ
消えて、
膚の
白い
色が
颯と
簇つて
咲かう。
霞は
花を
包むと
云ふが、
此の
婦は
花が
霞を
包むのである。
緑の
髮、
桂の
眉、
皓齒恰も
河貝を
含んで、
優美端正畫と
雖も
及ぶべからず。
紫の
帔、
繍ある
※、
珠の
履をはきて
坐しぬ。
香氣一脈、
芳霞靉靆く。いやな
奴あり。