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吐
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は
ふりがな文庫
“
吐
(
は
)” の例文
「恐れ……
恐多
(
おそれおお
)
い事——
承
(
うけたまわ
)
りまするも恐多い。
陪臣
(
ばいしん
)
の
分
(
ぶん
)
を
仕
(
つかまつ
)
つて、御先祖様お名をかたります如き、
血反吐
(
ちへど
)
を
吐
(
は
)
いて即死をします。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
医者は病人の様子を見て、脈を取って今血を
吐
(
は
)
いたばかりのところだから、
精
(
くわ
)
しい診察は出来ないと云って、色々養生の事を話した。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
三日目の
日盛
(
ひざかり
)
に、彼は書斎の
中
(
なか
)
から、ぎら/\する
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて、
上
(
うへ
)
から
吐
(
は
)
き
下
(
おろ
)
す
焔
(
ほのほ
)
の
息
(
いき
)
を
嗅
(
か
)
いだ時に、非常に恐ろしくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
爭
(
あらそ
)
ひ
將棋
(
せうき
)
に
敗
(
やぶ
)
れて
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
いて死ぬなどは一
種
(
しゆ
)
の
悲壯
(
ひそう
)
美を
感
(
かん
)
じさせるが、
迂濶
(
うくわつ
)
に死ぬ事も出來ないであらう
現
(
げん
)
代の
專
(
せん
)
門
棋士
(
きし
)
は平
凡
(
ぼん
)
に
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
プロムナアド・デッキの
手摺
(
てすり
)
に
凭
(
よ
)
りかかって海に
唾
(
つば
)
を
吐
(
は
)
いていると、うしろから
肩
(
かた
)
を
叩
(
たた
)
かれ、
振返
(
ふりかえ
)
ると
丸坊主
(
まるぼうず
)
になりたての柴山でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
自分は、ゆき子の金に手も触れないでおきながら、何から何まで、ゆき子に
吐
(
は
)
き出させてゐる
卑
(
いや
)
しさが、富岡には、息苦しかつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
ペッ、ペッ、口のつばきを
吐
(
は
)
きちらして、こんどは、
洗
(
あら
)
いかけていた
焔硝
(
えんしょう
)
いぶりの顔のしずくを
両方
(
りょうほう
)
の
袖
(
そで
)
で
拭
(
ふ
)
きまわしている……。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六
粒
(
つぶ
)
泡を
吐
(
は
)
きました。それはゆれながら水銀のように光って
斜
(
なな
)
めに上の方へのぼって行きました。
やまなし
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
同じやうに
吐
(
は
)
いても、主人萬兵衞に別條なかつた。うんと苦しさうな顏をしただけのことだ。かうして置けば誰も萬兵衞に疑ひはかけない
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
養子だけが
会
(
お
)
うてくれた。たくさんとは言いませんがと畳に頭をすりつけたが、話にならなかった。
自業自得
(
じごうじとく
)
、そんな言葉も彼は
吐
(
は
)
いた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
云うのであろうそのうちには本音を
吐
(
は
)
くであろうともうそれ以上の
詮議
(
せんぎ
)
は
止
(
や
)
めて
取敢
(
とりあ
)
えず
身二
(
みふた
)
つになるまで有馬へ
湯治
(
とうじ
)
にやることにした。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
女ばかりでない、男の言葉はなお乱暴だ。書生さんの中には我が両親に向って僕は
何処
(
どこ
)
へ
往
(
い
)
って来たよなんぞと
折助言葉
(
おりすけことば
)
を
吐
(
は
)
く人がある。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
小豆飯
(
あづきめし
)
はどれも/\
米
(
こめ
)
が
能
(
よ
)
く
搗
(
つ
)
けてないのでくすんでさうして
腹
(
はら
)
の
裂
(
さ
)
けた
小豆
(
あづき
)
が
粉
(
こ
)
を
吐
(
は
)
いて
餘計
(
よけい
)
に
粘氣
(
ねばりけ
)
のないぼろ/\な
飯
(
めし
)
になつて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「暮れて帰れば春の月」と
蕪村
(
ぶそん
)
の時代は
詩趣満々
(
ししゅまんまん
)
であった
太秦
(
うずまさ
)
を通って帰る車の上に、余は
満腔
(
まんこう
)
の不平を
吐
(
は
)
く所なきに
悶々
(
もんもん
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
本
(
も
)
と/\が
空腹
(
すきはら
)
に酒を飲んだやうなものでグデン/\に騒ぎ立つた挙句が
嘔吐
(
へど
)
を
吐
(
は
)
いて了うとヘタ/\に弱つて医者の厄介になると同様だ。
青年実業家
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「あしたは多分熱が
下
(
さが
)
るでしょう。幸い
吐
(
は
)
き
気
(
け
)
も来ないようですから」Sさんは母に答えながら、満足そうに手を洗っていた。
子供の病気:一游亭に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
遂に
一語
(
いちご
)
も
吐
(
は
)
かなかった怪青年と落付いて
喋
(
しゃべ
)
っていた曽我という男との間に、ほのかに感ぜられる特殊の関係、それにあの不思議な実験だ。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自国
(
じこく
)
の名誉を
誇
(
ほこ
)
る者あれば、自国の短所を
剔
(
あば
)
く者あり、実に勝手な説を
吐
(
は
)
いて独り学校卒業生のみならず全体の公衆に訴える。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
取
(
と
)
り
柄
(
え
)
と
言
(
い
)
へば、
頭
(
あたま
)
から
青痰
(
あをたん
)
を
吐
(
は
)
きかけられても、
金
(
かね
)
さへ
握
(
にぎ
)
らせたら、ほく/\
喜
(
よろこ
)
んでるといふ
其
(
そ
)
の
徹底
(
てつてい
)
した
守錢奴
(
しゆせんど
)
ぶりだ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
その痛みよりも今
吐
(
は
)
き出しそうになって居る奴が非常に苦しくって何か胸に詰って来たようになったからじきに
宝丹
(
ほうたん
)
を取り出して飲みました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
何
(
な
)
にしろ
附近
(
ふきん
)
に
医師
(
いし
)
らしいものは
居
(
い
)
ない
所
(
ところ
)
なので、
漁師達
(
りょうしたち
)
が
寄
(
よ
)
ってたかって、
水
(
みず
)
を
吐
(
は
)
かせたり、
焚火
(
たきび
)
で
煖
(
あたた
)
めたり、いろいろ
手
(
て
)
を
尽
(
つく
)
しましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その遺子宗虎丸が親の敵を討つといふ筋。
大切
(
おほぎり
)
は『
花競
(
はなくらべ
)
八
才子
(
さいし
)
』五人男に三人多いのが、
銘々
(
めい/\
)
自作のツラネで文学上の気焔を
吐
(
は
)
かうといふ趣向。
硯友社と文士劇
(新字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
素人
(
しろうと
)
ながらも、何ら
生
(
せい
)
ある音を聞き得ない。水を
吐
(
は
)
いたかと聞けば、吐かないという。しかし腹に水のあるようすもない。
奈々子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
お末は苦しみに背中を大波のやうに動かしながら、はつ/\と熱い
気息
(
いき
)
を
吐
(
は
)
いて居た。唇はかさ/\に
乾破
(
ひわ
)
れて、頬には美しい紅みを漲らして。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
焼酎と
胡瓜
(
きゅうり
)
は
尽
(
ことごと
)
く
吐
(
は
)
き出したが、同時に食った牛肉は不思議にも出て参らず、胃の
腑
(
ふ
)
もなかなか都合好く出来たものかな。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
自転車商会のゴミゴミした事務机と、その前に立ちならんでいる汚れた帳簿を思いだすだけでも、
吐
(
は
)
きけをもよおした。
女妖:01 前篇
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
夕ぐれ、めっきり水の細った秋の公園の噴水が
霧
(
きり
)
のように淡い水量を
吐
(
は
)
き出している
傍
(
そば
)
を
子守
(
ナース
)
達は子を乗せた
乳母車
(
うばぐるま
)
を押しながら
家路
(
いえじ
)
に帰って行く。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
(門扉の隙より目を離し、唄ふがごとき調子にて)さて、偽りとは知りながら悟られぬのがそれ何やらの道。
喃
(
なう
)
、白萩小女郎、昔の人は
秀句
(
しうく
)
吐
(
は
)
くな。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
忽
(
たちま
)
ち
長嘘
(
ためいき
)
を
吐
(
は
)
きて、
眼
(
め
)
をひらき、
醒
(
さ
)
めたるがごとくに起きあがりて、人々にむかひ、我
二一
人事
(
にんじ
)
をわすれて既に久し。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
こうして吸っては
吐
(
は
)
いて、何度も繰り返す内に、濃紅姫の
身体
(
からだ
)
は、まるで宝石に埋まったようになってしまいました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「あアン! 何が障子じゃ? 年は
老
(
と
)
りとうない。魚が
泡
(
あぶく
)
を
吐
(
は
)
いとるようで、さっぱり聞えぬ。何じゃイ、あアン?」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして
汽車
(
きしゃ
)
は、また
暗
(
くら
)
くなりかかった、
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
いている
野原
(
のはら
)
の
方
(
ほう
)
へ、ポッ、ポッと
煙
(
けむり
)
を
吐
(
は
)
いていってしまいました。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
オヽ
吐
(
は
)
くのか
吐
(
は
)
くなら少しお待ち、サ
此飯櫃
(
このおはち
)
の
蓋
(
ふた
)
ン
中
(
なか
)
へ
悉皆
(
すつかり
)
吐
(
は
)
いてお
了
(
しま
)
ひ。源「ハツ/\ド
何
(
ど
)
うぞモウ一杯お湯を…。金「サお
上
(
あが
)
り。源「へい
有難
(
ありがた
)
う。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして
怪
(
あや
)
しい
鑛山
(
くわうざん
)
やら物にならぬ會社やら、さては株や米にまで手を出したが、何れも失敗で、折角の
集
(
あつ
)
め
銭
(
ぜに
)
をパツ/\と
吐
(
は
)
き出すやうな結果となつた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
私は話しているうちに自然にそうなるのでありますが、恥ずかしいと思わないで
本音
(
ほんね
)
を
吐
(
は
)
きたいのであります。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「あの男でさえあんな目にあって来たんだから、おれなんか問題にならない。」と
弱音
(
よわね
)
を
吐
(
は
)
くものも出て来た。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
これから
腹
(
はら
)
がだぶだぶになるまで
呑
(
の
)
むのです。そして
眠
(
ねむ
)
くなると、
虹
(
にじ
)
でも
吐
(
は
)
くやうなをくび を一つして、ごろりと
横
(
よこ
)
になるのです。と
雷
(
かみなり
)
のやうな
鼾
(
いびき
)
です。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
この
鳥
(
とり
)
は
食物
(
しよくもつ
)
の
中
(
なか
)
で
不消化
(
ふしようか
)
なものがあれば
嗉嚢
(
そのう
)
の
中
(
なか
)
でまるめて、
口
(
くち
)
から
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
すから、
巣
(
す
)
の
下
(
した
)
には、かならず、さうした
團子
(
だんご
)
のような
塊
(
かたま
)
りが
積
(
つも
)
つてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
卓
(
たく
)
を
圍
(
かこ
)
んでてんでに
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す
氣焔
(
きえん
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なるは
言
(
い
)
ふまでもないことで、
政論
(
せいろん
)
あり、
人物評
(
じんぶつひやう
)
あり、
經濟策
(
けいざいさく
)
あり
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
卓上の
銀燭
(
ぎんしょく
)
は
青烟
(
せいえん
)
を
吐
(
は
)
き、
垂幕
(
すいばく
)
の金糸銀糸は鈍く光って、寝台には赤い小さな机が置かれ、その上に美酒
佳肴
(
かこう
)
がならべられて、数刻前から客を待ち顔である。
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「
屎
(
くそ
)
のようなのは酒に醉つて
吐
(
は
)
き
散
(
ち
)
らすとてこんなになつたのでしよう。それから田の畔を毀し溝を埋めたのは地面を惜しまれてこのようになされたのです」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
川の水に唾をして唾が散れば肺病ではないと、なにが肺病なのかよく知らないのに、幾度も幾度も唾を
吐
(
は
)
いた。すぐに散ってしまうと手を
叩
(
たた
)
いて歓声をあげる。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
大国主神は、そのむくの実を
一粒
(
ひとつぶ
)
ずつかみくだき、赤土を少しずつかみとかしては、いっしょにぷいぷいお
吐
(
は
)
き出しになりました。大神はそれをご覧になると
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「
元気
(
げんき
)
じやないよ。
老人
(
ろうじん
)
といつしよに
死
(
し
)
んでしまつた。
老人
(
ろうじん
)
が
口
(
くち
)
から
吐
(
は
)
きだした
青酸加里
(
せいさんかり
)
で
死
(
し
)
んだのさ」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
かりに今日、
坊間
(
ぼうかん
)
の一男子が奇言を
吐
(
は
)
くか、または講談師の席上に弁じたる一論が、偶然にも古聖賢の旨にかなうとするも、天下にその言論を信ずる者なかるべし。
読倫理教科書
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何
(
なん
)
ぞ
醉漢
(
すいかん
)
の
心中
(
しんちう
)
を
暴露
(
ばくろ
)
するの
妙
(
みよう
)
なる。
更
(
さら
)
に
進
(
すゝ
)
んで
我妻
(
わがつま
)
を
説
(
と
)
き
我娘
(
わがむすめ
)
を
談
(
だん
)
じ、
娘
(
むすめ
)
が
婬賣
(
いんばい
)
する
事
(
こと
)
まで、
慚色
(
はづるいろ
)
なく
吐
(
は
)
き
出
(
い
)
づるに
至
(
いた
)
りては
露國
(
ロコク
)
の
社界
(
しやかい
)
亦
(
ま
)
た
驚
(
おどろ
)
くべきにあらずや。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
二つの
目玉
(
めだま
)
がみがき
上
(
あ
)
げた
鏡
(
かがみ
)
を
並
(
なら
)
べたようにきらきらかがやいて、
剣
(
つるぎ
)
を
植
(
う
)
えたようなきばがつんつん
生
(
は
)
えた
間
(
あいだ
)
から、
赤
(
あか
)
い
舌
(
した
)
がめらめら火を
吐
(
は
)
くように
動
(
うご
)
いていました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
鷹
(
たか
)
だの
狼
(
おおかみ
)
だの
獺
(
かわうそ
)
だのの
霊
(
れい
)
が
哀
(
あわ
)
れなシャクにのり移って、不思議な言葉を
吐
(
は
)
かせるということである。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
以前
(
いぜん
)
猫
(
ねこ
)
を
飼
(
か
)
つて、
不潔
(
ふけつ
)
なものを
吐
(
は
)
かれて
困
(
こま
)
つたばかりか、
臺所
(
だいどころ
)
を
荒
(
あ
)
らしたといふので
近所
(
きんじよ
)
から
抗議
(
かうぎ
)
を
申
(
まう
)
し
込
(
こ
)
まれて、ために
面倒
(
めんどう
)
な
外交關係
(
がいかうかんけい
)
を
起
(
おこ
)
したことがあつてから
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
怪しの者は
首肯
(
うなず
)
いて、
忽
(
たちま
)
ちひらりと飛び出したかと見る
中
(
うち
)
に、
樹根
(
きのね
)
岩角
(
いわかど
)
を
飛越
(
とびこ
)
え、
跳越
(
はねこ
)
えて、小さい姿は霧の奥に隠れて
了
(
しま
)
った。お杉は白い息を
吐
(
は
)
いて
呵々
(
からから
)
と笑った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
吐
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“吐”を含む語句
嘔吐
吐出
吐月峰
吐瀉
吐息
吐月峯
毒吐
竜吐水
逆吐
吐掛
唾吐
吐露
嘘吐
音吐
吐気
龍吐水
息吐
御吐
吐散
吐蕃
...