𫝼)” の例文
大滝の手前の涸沢を十五米ほどのぼり、岩庇の下を右にまわって、岩角の灌木をホールドしたとき、枯枝の𫝼ぜるような音を聞いたと思った。
一の倉沢 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
大破壊によってひき起されるすさまじい騒音が、ものの半刻ばかり休みもなくつづいていたが、そのうちに木の枝でも𫝼ぜるような乾いた音とともに、えがらっぽい煙が胴ノ間に流れこんできた。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)