“擲(は)” の例文
威勢のいい弥次馬が、擲(は)り飛ばしそうな勢いでこう呶鳴りながら、どんどん駆けて行った。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
九月の四日に文治に拳骨で擲(は)り倒されまして、目が覚めたようになって頻(しき)りに稼(かせ)いで、此の長家(ながや)へ越して来たと見えて、夜具縞(やぐじま)の褞袍(どてら)を着て、刷毛(はけ)を下げまして帰って来まして
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
疳癪がおこつた時には表の米屋が白犬を擲(は)ると思ふて私の家の洗ひかへしを光沢出(つやだ)しの小槌(こづち)に、碪(きぬた)うちでも遣りに来て下され、それならばお前さんも人に憎くまれず私の方でも大助り
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あんまり馬鹿馬鹿しいんで何とか答弁をしようかとも考えたが、滅多(めった)な事を云えば擲(は)りつけられるだけだから、まあやめにして置いた。さればと云って返事をしなければまたやりつけられる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
疳癪(かんしやく)がおこつた時(とき)には表(おもて)の米屋(こめや)が白犬(しろいぬ)を擲(は)ると思(おも)ふて私(わたし)の家(うち)の洗(あら)ひかへしを光澤出(つやだ)しの小槌(こづち)に、碪(きぬた)うちでも遣(や)りに來(き)て下(くだ)され、それならばお前(まへ)さんも人(ひと)に憎(にく)まれず私(わたし)の方(はう)でも大助(おほだす)かり
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
疳癪がおこつた時には表の米屋が白犬を擲(は)ると思ふて私の家の洗ひかへしを光澤出(つやだ)しの小槌に、碪(きぬた)うちでも遣りに來て下され、夫れならばお前さんも人に憎くまれず私の方でも大助かり
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)