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晴
>
は
ふりがな文庫
“
晴
(
は
)” の例文
一廻
(
ひとまはり
)
くるりと
環
(
わ
)
にまはつて
前足
(
まへあし
)
をついて、
棒杭
(
ばうぐひ
)
の
上
(
うへ
)
へ
乗
(
の
)
つて、お
天気
(
てんき
)
を
見
(
み
)
るのであらう、
仰向
(
あをむ
)
いて
空
(
そら
)
を
見
(
み
)
た。
晴
(
は
)
れるといまに
行
(
ゆ
)
くよ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すがすがしい
天気
(
てんき
)
で、
青々
(
あおあお
)
と
大空
(
おおぞら
)
は
晴
(
は
)
れていましたが、その
奥底
(
おくそこ
)
に、
光
(
ひか
)
った
冷
(
つめ
)
たい
目
(
め
)
がじっと
地上
(
ちじょう
)
をのぞいているような
日
(
ひ
)
でした。
冬のちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宴会
(
えんかい
)
へ行くときにあれほど
晴
(
は
)
れ晴れとしていたかの女のかわいらしい顔は、いまは悲しみにしずんで、なみだがほおを
伝
(
つた
)
っていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
其
(
その
)
日
(
ひ
)
は十一
時頃
(
じごろ
)
からからりと
晴
(
は
)
れて、
垣
(
かき
)
に
雀
(
すゞめ
)
の
鳴
(
な
)
く
小春日和
(
こはるびより
)
になつた。
宗助
(
そうすけ
)
が
歸
(
かへ
)
つた
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
例
(
いつも
)
より
冴
(
さ
)
え/″\しい
顏色
(
かほいろ
)
をして
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
途中
(
とちゅう
)
、山の上にさしかかりますと、
今
(
いま
)
までからりと
晴
(
は
)
れ
上
(
あ
)
がって
明
(
あか
)
るかった
青空
(
あおぞら
)
が、ふと
曇
(
くも
)
って、そこらが
薄
(
うす
)
ぼんやりしてきました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
生中
(
なまなか
)
こがれて
附纒
(
つきまと
)
ふたとて、
晴
(
は
)
れて
添
(
そ
)
はれる
中
(
なか
)
ではなし、
可愛
(
かあい
)
い
人
(
ひと
)
に
不義
(
ふぎ
)
の
名
(
な
)
を
着
(
き
)
せて
少
(
すこ
)
しも
是
(
こ
)
れが
世間
(
せけん
)
に
知
(
し
)
れたら
何
(
なん
)
とせう
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
午後
(
ごゝ
)
は
降
(
ふ
)
り
止
(
や
)
んだが
晴
(
は
)
れさうにもせず
雲
(
くも
)
は
地
(
ち
)
を
這
(
は
)
ふようにして
飛
(
と
)
ぶ、
狹
(
せま
)
い
溪
(
たに
)
は
益々
(
ます/\
)
狹
(
せま
)
くなつて、
僕
(
ぼく
)
は
牢獄
(
らうごく
)
にでも
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
氣
(
き
)
。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
晴
(
は
)
れのあしたを前にして、なにを
密議
(
みつぎ
)
するのか、その
晩
(
ばん
)
、
徳川
(
とくがわ
)
ばたけの者ばかりが、首を
集
(
あつ
)
めておそくまで声をひそめていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに
連
(
つ
)
れて
私自身
(
わたくしじしん
)
の
気持
(
きもち
)
もずっと
晴
(
は
)
れやかになり、
戸外
(
そと
)
へ
出掛
(
でか
)
けて
漫歩
(
そぞろあるき
)
でもして
見
(
み
)
たいというような
風
(
ふう
)
になりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
わたしの
家
(
いえ
)
の
領地
(
りょうち
)
だった村で
暮
(
く
)
らしたある年の八月のことです。それは、さわやかに
晴
(
は
)
れわたった日でしたが、風があって、すこし
寒
(
さむ
)
いくらいでした。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
じッと、
釘
(
くぎ
)
づけにされたように、
春信
(
はるのぶ
)
の
眼
(
め
)
は、おせんの
襟脚
(
えりあし
)
から
動
(
うご
)
かなかった。が、やがて
静
(
しず
)
かにうなずいたその
顔
(
かお
)
には、
晴
(
は
)
れやかな
色
(
いろ
)
が
漂
(
ただよ
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
曇
(
くも
)
ったり
晴
(
は
)
れたりする
空
(
そら
)
、
上
(
のぼ
)
ったり下ったりする
丘
(
おか
)
、緑が茂って、小麦が
熟
(
う
)
れて、余の今の周囲も其時に
似
(
に
)
て居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
勘次
(
かんじ
)
が
顧
(
ふりかへ
)
つた
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
を
打棄
(
うつちや
)
つた
船
(
ふね
)
は
沈
(
しづ
)
んだ
霧
(
きり
)
に
隔
(
へだ
)
てられて
見
(
み
)
えなかつた。
彼
(
かれ
)
は
蜀黍
(
もろこし
)
の
幹
(
から
)
に
添
(
そ
)
うて
足趾
(
あしあと
)
に
從
(
したが
)
つて
遙
(
はるか
)
に
土手
(
どて
)
の
往來
(
わうらい
)
へ
出
(
で
)
た。
霧
(
きり
)
が一
遍
(
ぺん
)
に
晴
(
は
)
れた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
青
(
あを
)
い
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
には、
三十石船
(
さんじつこくぶね
)
がゆつたりと
浮
(
うか
)
んで、
晴
(
は
)
れた
冬空
(
ふゆぞら
)
の
弱
(
よわ
)
い
日光
(
につくわう
)
を、
舳
(
とも
)
から
艫
(
みよし
)
へいツぱいに
受
(
う
)
けてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりでかしらは
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になりました。これはちょうど、
垢
(
あか
)
まみれの
汚
(
きたな
)
い
着物
(
きもの
)
を、きゅうに
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
にきせかえられたように、
奇妙
(
きみょう
)
なぐあいでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
青木さんはふと一人
言
(
ごと
)
のやうにさうつぶやいて、
軒
(
のき
)
先に
見
(
み
)
える
晴
(
は
)
れた
夜
(
よ
)
空をぢつと
見
(
み
)
上げた。が、さういふ空
想
(
さう
)
の明るさとは
反対
(
はんたい
)
に
氕持
(
きもち
)
は
妙
(
めう
)
に
暗
(
くら
)
く
沈
(
しづ
)
んで
行
(
い
)
つた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
珠運
(
しゅうん
)
命の有らん限りは及ばぬ力の及ぶ
丈
(
た
)
ケを尽してせめては我が
好
(
すき
)
の心に満足さすべく、
且
(
かつ
)
は
石膏
(
せっこう
)
細工の鼻高き
唐人
(
とうじん
)
めに
下目
(
しため
)
で見られし
鬱憤
(
うっぷん
)
の幾分を
晴
(
は
)
らすべしと
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
こっちは元より棄てた一生。一刀の下に切伏せて、この
年月
(
としつき
)
の
怨恨
(
うらみ
)
を
晴
(
は
)
らいてくれるまでの事。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
カラスたちは、スモーランドの上を
南西
(
なんせい
)
にむかって飛びつづけました。うららかに
晴
(
は
)
れわたった、あたたかい朝でした。地上の鳥たちは、やさしい
愛
(
あい
)
の
歌
(
うた
)
をうたっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ところが、そういう
生活
(
せいかつ
)
は時がたつにつれて、はじめほど
面白
(
おもしろ
)
いものではなくなってきました。天気は毎日
晴
(
は
)
れるものではありませんし、お金はいつももらえるとはきまりません。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
時
(
とき
)
は
冬
(
ふゆ
)
の
初
(
はじめ
)
で、
霜
(
しも
)
が
少
(
すこ
)
し
降
(
ふ
)
つてゐる。
椒江
(
せうこう
)
の
支流
(
しりう
)
で、
始豐溪
(
しほうけい
)
と
云
(
い
)
ふ
川
(
かは
)
の
左岸
(
さがん
)
を
迂囘
(
うくわい
)
しつつ
北
(
きた
)
へ
進
(
すゝ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
初
(
はじ
)
め
陰
(
くも
)
つてゐた
空
(
そら
)
がやうやう
晴
(
は
)
れて、
蒼白
(
あをじろ
)
い
日
(
ひ
)
が
岸
(
きし
)
の
紅葉
(
もみぢ
)
を
照
(
てら
)
してゐる。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
年貢
(
ねんぐ
)
の
苛斂
(
かれん
)
だったためと、解せられたのにも根拠はあるが、今一つの理由は、是が本来は
晴
(
は
)
れの日の食物であったことで、年に幾度の節日祭日、もしくは親の日・
身祝
(
みいわ
)
い日だけに
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
天
(
そら
)
晴
(
は
)
れたる
斷食
(
だんじき
)
の日、
尼寺
(
あまでら
)
の
童貞
(
どうてい
)
は
擧
(
こぞ
)
りて運河に船の行くを眺めたり。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
空
(
そら
)
は
爽
(
さはやか
)
に
晴
(
は
)
れて、
遠
(
とほ
)
く
木立
(
こだち
)
の
空
(
そら
)
に
接
(
せつ
)
する
邊
(
あたり
)
も
見渡
(
みわた
)
される
凉
(
すゞ
)
しい
日和
(
ひより
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
窓
(
まど
)
の外では
霧
(
きり
)
が
晴
(
は
)
れて
鈴蘭
(
すずらん
)
の
葉
(
は
)
がきらきら光り、つりがねそうは
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
……
眼
(
め
)
よ、
見
(
み
)
よ、これが
最後
(
なごり
)
ぢゃぞ!
腕
(
かひな
)
よ、
抱
(
だ
)
け、これが
最後
(
なごり
)
ぢゃ! おゝ、
息
(
いき
)
の
戸
(
と
)
の
脣
(
くちびる
)
よ、
人
(
ひと
)
の
命
(
いのち
)
を
長永
(
とこしなへ
)
に
買占
(
かひし
)
むる
死
(
し
)
の
證文
(
しょうもん
)
に
天下
(
てんが
)
晴
(
は
)
れた
接吻
(
せっぷん
)
の
奧印
(
おくいん
)
せよ!……(毒藥の瓶を取り出し)さ、
來
(
こ
)
い
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
霧
(
きり
)
晴
(
は
)
れゆけば
遠海
(
とほうみ
)
の
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「おじさんのたこ、一
番
(
ばん
)
だこになれる?」と、
北風
(
きたかぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、あくまで
青
(
あお
)
く
晴
(
は
)
れわたった
空
(
そら
)
を
見上
(
みあ
)
げて、
賢二
(
けんじ
)
がいいました。
北風にたこは上がる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜汽車
(
よぎしや
)
で
新橋
(
しんばし
)
へ
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は、
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに
叔父
(
をぢ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
たが、
夫婦
(
ふうふ
)
とも
灯
(
ひ
)
の
所爲
(
せゐ
)
か
晴
(
は
)
れやかな
色
(
いろ
)
には
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
陽炎
(
かげらふ
)
が
膝
(
ひざ
)
に
這
(
は
)
つて、
太陽
(
たいやう
)
はほか/\と
射
(
さ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
空
(
そら
)
は
晴
(
は
)
れたが、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
の
濡色
(
ぬれいろ
)
は、
次第
(
しだい
)
に
霞
(
かすみ
)
に
吸取
(
すひと
)
られやうとする
風情
(
ふぜい
)
である。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこで
太郎
(
たろう
)
と
次郎
(
じろう
)
は
逃
(
に
)
げ
支度
(
じたく
)
をして、のこのこ
布団
(
ふとん
)
からはい
出
(
だ
)
して、
戸
(
と
)
をあけて
外
(
そと
)
へ出ました。
空
(
そら
)
はよく
晴
(
は
)
れて、
星
(
ほし
)
がきらきら
光
(
ひか
)
っていました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
尊公
(
そんこう
)
から若君へお願いしてくれ。だれにしたって、ここで一番日ごろの
鬱憤
(
うっぷん
)
を
晴
(
は
)
らして、
腕
(
うで
)
の
夜泣
(
よな
)
きをなぐさめてやりたいのは、
人情
(
にんじょう
)
じゃないか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山
(
やま
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
へ
移
(
うつ
)
ってからの
私
(
わたくし
)
は、
何
(
なん
)
とはなしに
気分
(
きぶん
)
がよほど
晴
(
は
)
れやかになったらしいのが
自分
(
じぶん
)
にも
感
(
かん
)
ぜられました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もう
陽気
(
ようき
)
も
暖
(
あたた
)
かで、空はまっさおに
晴
(
は
)
れわたり、
太陽
(
たいよう
)
は高いところから、ぽかぽかと暖かな光りをきらめかせていましたが、わたしの心は、まっ
暗
(
くら
)
でした。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
かへ
品
(
しな
)
をかふれど
袖
(
そで
)
の
涙
(
なみだ
)
晴
(
は
)
れんともせず
兎
(
と
)
もすれば
我
(
われ
)
も
倶
(
とも
)
にと
決死
(
けつし
)
の
素振
(
そぶり
)
に
油斷
(
ゆだん
)
ならず
何
(
なに
)
はしかれ
命
(
いのち
)
ありての
物
(
もの
)
だねなり
娘
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
落附
(
おちつ
)
かすに
若
(
し
)
くはなしと
押
(
お
)
しては
婚儀
(
こんぎ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
は
晴
(
は
)
れて
心持
(
こゝろもち
)
がよかつたのと、一
同
(
どう
)
が
非常
(
ひじやう
)
な
奮發
(
ふんぱつ
)
をしたのとで
仕事
(
しごと
)
は
日
(
ひ
)
の
高
(
たか
)
い
内
(
うち
)
に
濟
(
す
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
なまじ
知
(
し
)
ってる
顔
(
かお
)
よりも、はじめて
会
(
あ
)
って
見
(
み
)
る
方
(
ほう
)
に、はずむ
話
(
はなし
)
があるものだ。——それにお
前
(
まえ
)
、
相手
(
あいて
)
は
当時
(
とうじ
)
上上吉
(
じょうじょうきち
)
の
女形
(
おやま
)
、
会
(
あ
)
ってるだけでも、
気
(
き
)
が
晴
(
は
)
れ
晴
(
ば
)
れとするようだぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
奧
(
おく
)
さんは
黒未勝
(
くろみか
)
ちな、
若々
(
わか/\
)
しいひとみを
夢見
(
ゆめみ
)
るやうに
見張
(
みは
)
りながら、
晴
(
は
)
れやかにつぶやいた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
儂も久しく
考
(
かんが
)
えた末、届と税を出し、
天下
(
てんか
)
晴
(
は
)
れて彼を
郎等
(
ろうどう
)
にした。郎等先生此頃では非常に柔和になった。第一眼光が違う。尤も
悪
(
わる
)
い
癖
(
くせ
)
があって、今でも時々子供を
追
(
おい
)
かける。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
人車
(
じんしや
)
は
徐々
(
じよ/\
)
として
小田原
(
をだはら
)
の
町
(
まち
)
を
離
(
はな
)
れた。
僕
(
ぼく
)
は
窓
(
まど
)
から
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る。
忽
(
たちま
)
ちラツパを
勇
(
いさ
)
ましく
吹
(
ふ
)
き
立
(
た
)
てゝ
車
(
くるま
)
は
傾斜
(
けいしや
)
を
飛
(
と
)
ぶやうに
滑
(
すべ
)
る。
空
(
そら
)
は
名殘
(
なごり
)
なく
晴
(
は
)
れた。
海風
(
かいふう
)
は
横
(
よこ
)
さまに
窓
(
まど
)
を
吹
(
ふ
)
きつける。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして二人は、うち
晴
(
は
)
れた日の光をあおいで
故郷
(
こきょう
)
への
旅
(
たび
)
をいそぎました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
空
(
そら
)
は
爽
(
さわやか
)
に
晴
(
は
)
れて、
遠
(
とお
)
く
木立
(
こだち
)
の
空
(
そら
)
に
接
(
せっ
)
する
辺
(
あたり
)
も
見渡
(
みわた
)
される
凉
(
すず
)
しい
日和
(
ひより
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あくる朝は、空は
晴
(
は
)
れわたって、
霧
(
きり
)
もすっかりはれていました。アッカは、これから旅をつづけることにする、と言いました。ガンたちはみんな喜びましたが、白いガチョウだけは、いやがりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
春
(
はる
)
の
風
(
かぜ
)
は、
青々
(
あおあお
)
と
晴
(
は
)
れた
空
(
そら
)
を
渡
(
わた
)
っていました。そして
木々
(
きぎ
)
の
小枝
(
こえだ
)
は、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて、なにか
楽
(
たの
)
しそうに
小唄
(
こうた
)
をうたっていたのです。
さまざまな生い立ち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
本當
(
ほんたう
)
に
有難
(
ありがた
)
いわね。
漸
(
やうや
)
くの
事
(
こと
)
春
(
はる
)
になつて」と
云
(
い
)
つて、
晴
(
は
)
れ/″\しい
眉
(
まゆ
)
を
張
(
は
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
縁
(
えん
)
に
出
(
で
)
て
長
(
なが
)
く
延
(
の
)
びた
爪
(
つめ
)
を
剪
(
き
)
りながら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これよりして、
子
(
ね
)
の
口
(
くち
)
までの三
里余
(
りよ
)
は、たゞ
天地
(
てんち
)
を
綾
(
あや
)
に
貫
(
つらぬ
)
いた、
樹
(
き
)
と
巌
(
いは
)
と
石
(
いし
)
と
流
(
ながれ
)
の
洞窟
(
どうくつ
)
と
言
(
い
)
つて
可
(
よ
)
い。
雲
(
くも
)
晴
(
は
)
れても、
雨
(
あめ
)
は
不断
(
ふだん
)
に
降
(
ふ
)
るであらう。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある
晴
(
は
)
れた
春
(
はる
)
の
朝
(
あさ
)
でした。
伊香刀美
(
いかとみ
)
はいつものようにりょうの
支度
(
したく
)
をして、
湖水
(
こすい
)
の
方
(
ほう
)
へ
下
(
お
)
りて行こうとしました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
果
(
はた
)
して
間
(
ま
)
もなく
雷雨
(
らいう
)
は、
拭
(
ぬぐ
)
うが
如
(
ごと
)
く
止
(
や
)
み、
山
(
やま
)
の
上
(
うえ
)
は
晴
(
は
)
れた、
穏
(
おだや
)
かな
最初
(
さいしょ
)
の
景色
(
けしき
)
に
戻
(
もど
)
りました。
私
(
わたくし
)
は
夢
(
ゆめ
)
から
覚
(
さ
)
めたような
気分
(
きぶん
)
で、しばらくは
言葉
(
くち
)
もきけませんでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
此坊
(
このばう
)
やの
生
(
うま
)
れて
來
(
こ
)
やうといふ
時分
(
じぶん
)
、まだ
私
(
わたし
)
は
雲霧
(
くもきり
)
につゝまれぬいて
居
(
ゐ
)
たのです、
生
(
うま
)
れてから
後
(
のち
)
も
容易
(
ようい
)
には
晴
(
は
)
れさうにもしなかつたのです、だけれども
可愛
(
かあい
)
い、いとしい
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかし、考えてみると、自分たちはここで
晴
(
は
)
れがましい
武名
(
ぶめい
)
を
大衆
(
たいしゅう
)
に売ろうというのではない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“晴(晴れ)”の解説
晴れ(はれ)は、大気がある天体において、雲が少ないか全く無い天気を指し、日本語での最狭義では地球でのそれのみを指す。
(出典:Wikipedia)
晴
常用漢字
小2
部首:⽇
12画
“晴”を含む語句
天晴
晴々
秋晴
日本晴
晴朗
晴衣
素晴
見晴
晴天
五月晴
気晴
朝晴
憂晴
面晴
晴着
星晴
梅雨晴
念晴
晴夜
安倍晴明
...