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捌
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は
ふりがな文庫
“
捌
(
は
)” の例文
これは空気抜けの穴でもあったし、また室内を水で洗浄するとき、その水の
捌
(
は
)
け
口
(
ぐち
)
でもあった。この穴に手首を入れてみると、楽に入った。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
どうも是節は不景気でして、一向に
斯
(
か
)
ういふものが
捌
(
は
)
けやせん。御引取り申しても好うごはすが、しかし金高があまり
些少
(
いさゝか
)
で。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
もう
幾人
(
いくにん
)
か
歩
(
ある
)
いた
後
(
あと
)
なので、
思
(
おも
)
ふやうには
捌
(
は
)
けなかつたがそれでも
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
にひかされて、まだ
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
擔
(
かつ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
卵を産みそうな腰つき、などと酷評をするのは、かれらにとって口惜しさをまぎらわす僅かな
捌
(
は
)
けぐちだったのである。
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
なにか精力の
捌
(
は
)
け口にかなうものはないかしら、そうだ、スコットランドのゼエムス王がいる! あのおかしな若者は、またしても小細工をやりおった。
エリザベスとエセックス
(新字新仮名)
/
リットン・ストレイチー
(著)
▼ もっと見る
そのまた女商人がそれを持つてこのソロチンツイの
定期市
(
ヤールマルカ
)
へやつて来たちふ訳だが、それ以来、その女商人の
商品
(
しな
)
がさつぱり
捌
(
は
)
けなくなつてしまつただよ。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
彼等は今から養子口と
捌
(
は
)
け
口
(
くち
)
とを同時に捜してゐるが、何処へ
往
(
ゆ
)
くにも紹介人や保証人が無くてはならぬ
今日
(
こんにち
)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
なるほど、
飄逸
(
ユーモア
)
や
戯喩
(
ジョーク
)
は、一種の生理的
洗滌
(
せんでき
)
には違いないがね。しかし、感情の
捌
(
は
)
け口のない人間にとると、それがまたとない危険なものになってしまうんだ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
支那事変の影響は、一方、日本趣味の復活に結婚式の
櫛
(
くし
)
笄
(
こうがい
)
等に鼈甲の需要をまた呼び起したと共に、一方大陸への
捌
(
は
)
け口はとまった。商売は、痛し
痒
(
かゆ
)
しの状態であった。
娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
だから、
西班牙人
(
スパニヤアド
)
は男も女も自らの情熱の
捌
(
は
)
け口をもとめて、万事を放擲してこれへ殺倒する。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
といって品物を減らすと店が貧相になるので、そうも行かず、巧く
捌
(
は
)
けないと
焦
(
あせ
)
りが出た。儲も多いが損も勘定にいれねばならず、果物屋も容易な商売ではないと、だんだん分った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
勢よく流れる水はいくら防いでも
何処
(
どこ
)
かへ
捌
(
は
)
け口を見附ける如く、妻として母としての幸福を得がたい今の女子の或者が翻って他に自分の生活を求めようとするのに何の不思議もない。
女子の独立自営
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
兼六公園にさへきじの声は聞かれなかつた。しかも本多家はいま此の屋敷に住んでゐないので、池の
捌
(
は
)
け口のさらさら流れるあたりにも、芝生や苔のある樹の下にも落葉だらけであつた。
名園の落水
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
……そんな大物の
捌
(
は
)
け口が、ドン方面ばっかりで無い事は保証出来ます。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「それは知らない、盗んだものの
捌
(
は
)
け
口
(
ぐち
)
まではわしは知らない」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
捌
(
は
)
け口見付ける強烈な
夜
(
よる
)
を望んでゐたのです。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
兄のアントニイが感情を牒報の海のなかに溺れしめることによって忘れようとしている間に、老ベエコン夫人はあの発作的なわがままな怒りに、
捌
(
は
)
け口を見出していた。
エリザベスとエセックス
(新字新仮名)
/
リットン・ストレイチー
(著)
「私は助かりました。会社の在庫品が一つ
捌
(
は
)
けましたので。」
茶話:10 昭和三(一九二八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「私は助かりました。会社の在庫品が一つ
捌
(
は
)
けましたので。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
捌
漢検準1級
部首:⼿
10画
“捌”を含む語句
売捌
裾捌
手捌
取捌
捌口
裙捌
褄捌
太刀捌
売捌所
捌髪
撥捌
蹴出捌
売捌場
賣捌方
解捌
売捌人
膚捌
羽捌
絲捌
糸捌
...