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早
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は
ふりがな文庫
“
早
(
は
)” の例文
昨夜分るゝまで藻西を無罪と認めしに今朝は
早
(
は
)
や藻西が其妻に
煽起
(
そゝの
)
かされて伯父を殺せし者と認め藻西の妻を調べんと思えるなるか
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「ほんまは光ちゃん『電話かけたのんに何で
早
(
は
)
よ帰って来えへんねん! 姉ちゃんの方がよっぽど実意ある』いうて怒りやはるねん」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
壇
(
だん
)
を
落
(
お
)
ちるやうに
下
(
お
)
りた
時
(
とき
)
、
黒
(
くろ
)
い
狐格子
(
きつねがうし
)
を
背後
(
うしろ
)
にして、
婦
(
をんな
)
は
斜違
(
はすつかひ
)
に
其處
(
そこ
)
に
立
(
た
)
つたが、
呀
(
あ
)
、
足許
(
あしもと
)
に、
早
(
は
)
やあの
毛
(
け
)
むくぢやらの
三俵法師
(
さんだらぼふし
)
だ。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
の
白色檣燈
(
はくしよくしやうとう
)
は
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
檣燈
(
しやうとう
)
と
並行
(
へいかう
)
になつた——
早
(
は
)
や、
彼方
(
かなた
)
の
右舷
(
うげん
)
の
緑燈
(
りよくとう
)
は
我
(
わ
)
が
左舷
(
さげん
)
の
紅燈
(
こうとう
)
を
尻眼
(
しりめ
)
にかけて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
目覚
(
めさむ
)
れば
早
(
は
)
や
午
(
ご
)
に近し。召使ふものの知らせにて離れの
一間
(
ひとま
)
に住み給ひける母上捨て置きてはよろしからずと
直様
(
すぐさま
)
医師を
呼迎
(
よびむか
)
へられけり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
節子は正月らしい着物に
着更
(
きか
)
えて根岸の伯母を
款待
(
もてな
)
していた。何となく荒れて見える節子の顔の
肌
(
はだ
)
も、岸本だけにはそれが
早
(
は
)
や感じられた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これから朝まで何も食べずにすごさねばならぬと思うと、もう
早
(
は
)
や頭の中では、今朝から見て来た空虚な空ばかりがぐるぐると舞い始めた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
門松
(
かどまつ
)
注目飾
(
しめかざ
)
りはすでに取り払われて正月も
早
(
は
)
や十日となったが、うららかな
春日
(
はるび
)
は一流れの雲も見えぬ深き空より四海天下を一度に照らして
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
感歓
(
かんくわん
)
極
(
き
)
まりて涙に
咽
(
むせ
)
ばれしもあるべし、人を
押分
(
おしわ
)
くるやうにして
辛
(
から
)
く車を
向島
(
むかふじま
)
までやりしが、
長命寺
(
ちやうめいじ
)
より四五
間
(
けん
)
の
此方
(
こなた
)
にて
早
(
は
)
や
進
(
すゝむ
)
も
引
(
ひく
)
もならず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
と云いさま、ガアッと
痰
(
たん
)
を
彼
(
か
)
の若侍の顔に
唾
(
は
)
き付けました故、
流石
(
さすが
)
に勘弁強い若侍も、今は
早
(
は
)
や
怒気
(
どき
)
一度に
面
(
かお
)
に
顕
(
あら
)
われ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昼過
(
ひるすぎ
)
から
少
(
すこ
)
し
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
生温
(
なまあたゝか
)
い
風
(
かぜ
)
が
稍
(
やゝ
)
騒
(
さわ
)
いで、
横
(
よこ
)
になつて
見
(
み
)
てゐると、
何処
(
どこ
)
かの
庭
(
には
)
の
桜
(
さくら
)
が、
早
(
は
)
や
霏々
(
ひら/\
)
と
散
(
ち
)
つて、
手洗鉢
(
てあらひばち
)
の
周
(
まはり
)
の、つは
蕗
(
ぶき
)
の
葉
(
は
)
の
上
(
うへ
)
まで
舞
(
ま
)
つて
来
(
く
)
る。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
青
(
あお
)
』が
早
(
は
)
や第二巻になりました由。この老人の年がまた一つ加わったことになります。それだけ『青』という青年のすくすくと成長していった事を喜びます。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
と
早
(
は
)
や声を震わしています。二人は香潮と聞いてハッと驚きましたが、併しこんな化物が香潮などとは思いも寄りませぬから、異口同音に怒鳴り付けました——
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「何うも
早
(
は
)
や——いや早や、さて早や、おさて早や、早野勘平、
早駕
(
はやかご
)
で、早や差しかかる御城口——」
三人の相馬大作
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
かさあつちのが
酷
(
ひど
)
く
變
(
へん
)
な
音
(
おと
)
だと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
る
内
(
うち
)
にや
落
(
おつこち
)
んな
早
(
は
)
えゝもんで、
困
(
こま
)
つたこと
出來
(
でき
)
たのせ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
日頃のあらゆる
憤懣
(
ふんまん
)
が、ヒステリィの女房のこと、やくざな子供達のこと、貧乏のこと、老後の不安のこと、も
早
(
は
)
や帰らぬ青春のこと、それらが、金比羅舟々の節廻しを以て
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
時計
(
とけい
)
を
見
(
み
)
ると
早
(
は
)
や九
時
(
じ
)
。ゴールデンゲートから
此処迄
(
こゝまで
)
に四
時間
(
じかん
)
かゝつた
勘定
(
かんぢやう
)
になる。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
若い人たち
(
ヤンガ・ジェネレイション
)
のあいだにおける性道徳の衰退——なんかとリンゼイ判事あたりが慨世的に
噪
(
はしゃ
)
ぎ立ててるうちに、
英吉利
(
イギリス
)
では、
早
(
は
)
や一つの新戦法が発明されて、どんどん実用に供されている。
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「お
早
(
は
)
ようじゃねえや。
何
(
な
)
んだって
松
(
まつ
)
つぁんこんな
早
(
はや
)
くッからやって
来
(
き
)
たんだ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
灯
(
ひ
)
の一つ二つ残れる広き所に散りぼひたる長椅子の上には、私より先に
早
(
は
)
や三四人の人、白き
団扇
(
うちは
)
を稀に動かしつつ
眠
(
ねむり
)
を求めてあるを見受け
候
(
さふらふ
)
。
三十分
(
さんじつぷん
)
もその
一人
(
ひとり
)
となりてあり
候
(
さふら
)
ひけん。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「おや、この小僧、小耳が
早
(
は
)
ええな。ほんとだとも。世間、隠れもねえことだ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さては
花漬売
(
はなづけうり
)
が心づかず落し
行
(
ゆき
)
しかと手に取るとたん、
早
(
は
)
や
其人
(
そのひと
)
床
(
ゆか
)
しく、
昨夕
(
ゆうべ
)
の亭主が物語今更のように、思い出されて、
叔父
(
おじ
)
の憎きにつけ世のうらめしきに付け、何となく
唯
(
ただ
)
お
辰
(
たつ
)
可愛
(
かわい
)
く
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
轟
(
がう
)
と響く
遠音
(
とほね
)
とゝもに、汽車が北から南へ走るのが、薄絹を
透
(
す
)
いて
手遊品
(
おもちや
)
の如く見えた。其の煙突からは煙とゝもに赤く火を
噴
(
ふ
)
き出した。
暗
(
やみ
)
は
早
(
は
)
やぢり/\と石段を登つて來さうであつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「お
早
(
は
)
よう、ございます。」と言った。娘は十七、八の年頃であった。コーヒーはうまかった。パンもうまかった。テレビが始まった。スイスの村の景色が映った。老人も娘も共に見ていた。
老人と鳩
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「
邪魔
(
じゃま
)
しよっとじゃなか!
早
(
は
)
よウおッ母さんのところへ、いんじょれ!」
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
石炭をば
早
(
は
)
や積み果てつ。中等室の
卓
(
つくゑ
)
のほとりはいと静にて、
熾熱燈
(
しねつとう
)
の光の晴れがましきも
徒
(
いたづら
)
なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る
骨牌
(
カルタ
)
仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余
一人
(
ひとり
)
のみなれば。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そこへ行くと、私のこれから
申上
(
もうしあ
)
げようと思う話は、譬喩と諷刺と当て込みと教訓で練り固めたようなもので、まことに
早
(
は
)
や恐縮千万ですが、よく噛みしめて、言外の意を味わって頂きたいと存じます
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
百日紅の花の盛りを秋蝉のいち
早
(
は
)
やに来て急き啼けりあはれ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夜も明けやらぬに
早
(
は
)
や燃えつきてしまった。
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
アンは、
早
(
は
)
やもう目をとじていた。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今は
早
(
は
)
や吾が血
躍
(
をど
)
らず
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
早
(
は
)
よせんか」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
背戸口
(
せどぐち
)
は、
早
(
は
)
や
充満
(
みちみち
)
た
山霧
(
やまぎり
)
で、
岫
(
しゅう
)
の雲を
吐
(
は
)
く如く、
幹
(
みき
)
の
半
(
なか
)
ばを其の霧で
蔽
(
おお
)
はれた、
三抱
(
みかかえ
)
四抱
(
よかかえ
)
の
栃
(
とち
)
の
樹
(
き
)
が、すく/\と並んで居た。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
中
(
なか
)
にも
年少
(
ねんせう
)
士官等
(
しくわんら
)
は
早
(
は
)
や
軍刀
(
ぐんたう
)
の
※
(
つか
)
を
握
(
にぎ
)
り
詰
(
つ
)
めて、
艦長
(
かんちやう
)
の
號令
(
がうれい
)
を
待
(
ま
)
つ、
舷門
(
げんもん
)
の
邊
(
ほとり
)
、
砲門
(
ほうもん
)
の
邊
(
ほとり
)
、
慓悍
(
へうかん
)
無双
(
ぶさう
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
は
腕
(
うで
)
を
摩
(
さす
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「出たかのう。馬車はもう出ましたかのう。いつ出ましたな。もうちと
早
(
は
)
よ来ると良かったのじゃが、もう出ぬじゃろか?」
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
土手へ
上
(
あが
)
った時には葉桜のかげは
早
(
は
)
や
小暗
(
おぐら
)
く水を隔てた人家には
灯
(
ひ
)
が見えた。吹きはらう
河風
(
かわかぜ
)
に桜の
病葉
(
わくらば
)
がはらはら散る。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「光ちゃん、
早
(
は
)
よしいでわ!」いいながら、二人ともけったいな顔して下い降りて行たことありましてん。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
御両親は
掌中
(
たなぞこ
)
の
璧
(
たま
)
と
愛
(
め
)
で
慈
(
いつく
)
しみ、
後
(
あと
)
にお子供が出来ませず、一粒種の事なれば
猶
(
なお
)
さらに
撫育
(
ひそう
)
される
中
(
うち
)
、
隙
(
ひま
)
ゆく
月日
(
つきひ
)
に
関守
(
せきもり
)
なく、今年は
早
(
は
)
や嬢様は十六の春を迎えられ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其方
(
そのかた
)
さして
歩
(
あゆ
)
む人は
皆
(
みな
)
大尉
(
たいゐ
)
の
行
(
かう
)
を送るの人なるべし、
両国橋
(
りやうごくばし
)
にさしかゝりしは午前七時三十分、
早
(
は
)
や橋の
北側
(
きたがは
)
は
人垣
(
ひとがき
)
と
立
(
たち
)
つどひ、
川上
(
かはかみ
)
はるかに見やりて、
翠
(
みどり
)
かすむ
筑波
(
つくば
)
の山も
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「しかしもくそもねえ。底へ行って見届けるのが一番
早
(
は
)
ええじゃありませんか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
目科は之を聞き
扨
(
さて
)
は罪人
早
(
は
)
や既に
爾
(
そう
)
まで罪に服したるやと驚きしものゝ如く
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
それをお
光
(
みつ
)
は十二やそこらで、
早
(
は
)
や月々の
不淨
(
ふじやう
)
を見るさうなと言ひ出したものがあつて、さう言へばさうらしいなア、なぞと
合槌
(
あひづち
)
を打つものも現はれ、
穢
(
けが
)
れた娘を神前に出した
祟
(
たゝ
)
りは恐ろしい
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
富谷
(
とみたに
)
氏など来給ひて、
早
(
は
)
や消火し
尽
(
つく
)
したる如しと仰せられ
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
私の頭は、
早
(
は
)
やいそがしく嫌疑者の列挙につとめ出した。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
吹きとほる山松風の向ひ風
群禽
(
むらどり
)
の
団
(
たま
)
は
早
(
は
)
や近づきぬ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
紅海に船
早
(
は
)
や浮ぶ帰帆
疾
(
と
)
し
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
「婆あ、
早
(
は
)
よせんか」
寺坂吉右衛門の逃亡
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「お
早
(
は
)
よう」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今
(
いま
)
は
早
(
は
)
や、お
慈悲
(
じひ
)
、お
慈悲
(
じひ
)
の
聲
(
こゑ
)
も
嗄
(
か
)
れて、
蒋生
(
しやうせい
)
手放
(
てばな
)
しに、わあと
泣出
(
なきだ
)
し、
涙
(
なみだ
)
雨
(
あめ
)
の
如
(
ごと
)
く
下
(
くだ
)
ると
聞
(
き
)
けば、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
にも
又
(
また
)
あはれに
成
(
な
)
る。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「馬車はいつ出るのでござんしょうな。悴が死にかかっていますので、
早
(
は
)
よ街へ行かんと死に目に
逢
(
あ
)
えまい思いましてな。」
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
早
常用漢字
小1
部首:⽇
6画
“早”を含む語句
早々
早晩
早速
早熟
早朝
早計
最早
早飛脚
早起
早暁
早急
早春
早処女
早咲
逸早
素早
早合点
足早
早苗
早打
...