)” の例文
俊成卿はひと云ふ行の「あひ」を草木の和行のあゐに、其の外戀を木居こゐにかける。こんな「いひかけ」が出て來ます。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
モミヅは其頃行四段にも活用しそれをまた行に活用せしめた。「もみだひにけり」は時間的経過をも含ませている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここと都との通信機関は、早馬の往復だけが、唯一無二ゆいいつむにのものである。だから時局の波瀾はらんをみると、海道から府内は、昼夜、ひっきりなしに六飛脚びきゃくだ。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第四日は五色温泉を経てさんの峡谷を探り、もし行けたらば八幡平はちまんだいらかくだいらまでも見届けて、木樵きこりの小屋にでもめてもらうか、しおまで出て来て泊まる。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
けだし氏輝は女は遠ざけたが、「若衆春留するかまはぬかのえさる」小姓を愛し通したのだ。
自然に化して俗を離るるの捷径しょうけいありや、こたえて曰く、詩を語るべし、子もとより詩をくす、他に求むべからず、疑ってえて問う、それ詩と俳諧といささかそのを異にす
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
みづりんうちをつたへ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
併し實際人の書いたのを見ましても、机の「ゑ」は阿行の「え」を書いたり、和行の「ゑ」を書いたり、行の「へ」を書いたり、有ゆる假名を使つて居ります。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ウラサブルは「心寂こころさびしい」意。サマネシはサは接頭語、マネシは「多い」、「しきり」等の語に当る。ナガラフはナガルという行下二段の動詞を二たび行下二段に活用せしめた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
川上の荘の口碑こうひを集めたある書物によると、南朝の遺臣等は一時北朝方の襲撃しゅうげきおそれて、今の大台ヶ原山のふもとしおから、伊勢の国境大杉谷の方へ這入はいった人跡稀じんせきまれな行き留まりの山奥
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「袖へし」のカフは行下二段に活用し、袖をさしかわして寝ることで、「白妙の袖さしへてなびし」(巻三・四八一)という用例もある。「過ぐ」とは死去することである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その六 しお
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)