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咯
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は
ふりがな文庫
“
咯
(
は
)” の例文
血を
咯
(
は
)
く事よりもこの天井の低い事が一番いやであった。この船には医者は一人居たがコレラの薬の外に薬はないそうだ。
病
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
私は左を下にして横わったまま
咯
(
は
)
きましたが、勢い余った血液は鼻腔の方からも突き出されて来て、顔の下半分はねばねばしたもので塗りつぶされました。
人工心臓
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
A疲れ易いことは易いが、昨日から一度も血を
咯
(
は
)
かず。熱も少い。何でもないように、祈るほかなし。
日記:08 一九二二年(大正十一年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
正忠の茶に招かれて、帰宅して血を
咯
(
は
)
いたことは有ろうが、それは病気の故で有ったろう。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
強壮な人でも多量に用いると害になりますが脳の悪い人や肺病で血を
咯
(
は
)
く人やあるいは心臓の悪い人や妊娠中の婦人や
脚気
(
かっけ
)
病人や眼病の人には絶対的に禁じなければなりません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
人の目になど見えない所に、そう云う人の
刻苦
(
こっく
)
と精進はあるのだったが、深夜の寒燈の
下
(
もと
)
に、血を
咯
(
は
)
きながら修史何十年の悲壮な努力の姿は、誰も山陽に見ていなかったのである。
剣の四君子:04 高橋泥舟
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が惜しいかな——去年の冬、厳寒に身を
疼
(
いた
)
んで、血を
咯
(
は
)
いて、雪に
紅
(
くれない
)
の瓜を刻んだ。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
痰がのどにたまってきて、それを
咯
(
は
)
き出さなければ、声が出ないことがあった。
橇
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
自分は心の中で、初太郎が熊本で高等學校の入學試驗を受けに行つてゐて勉強過度の結果急に血を
咯
(
は
)
いて、其父の傳造が迎ひに行つてからもう一ヶ月半にもなるといふ話を思ひ起してゐた。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
血を
咯
(
は
)
いて
坑
(
しき
)
をあがれば首を
馘
(
き
)
り
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
「それでも、
私
(
わたくし
)
は血を
咯
(
は
)
きました、上杉さんの飲ませたもの、白い水です。」
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肩には
革包
(
かばん
)
をかけ、右の手にはかなり重い
行李
(
こうり
)
を提げ、左の手は刀を杖について、
喘
(
あえ
)
ぎ喘ぎそろそろと
歩行
(
ある
)
いて見たが、歩行くたびに血を
咯
(
は
)
くので、砂の上へ行李を
卸
(
おろ
)
して腰かけて休んで居た。
病
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
胸は蜂の巣を突ついたような音を立てる、かと思うと、又、雷のようにごろごろ言いました。洗面器の半分ほどは、たちまちに
充
(
みた
)
され、この
儘
(
まま
)
全身の血液を
咯
(
は
)
き尽すのではないかと思いました。
人工心臓
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
木村は血のまじった痰を
咯
(
は
)
いた。
橇
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
痰が
咽
(
のど
)
にからんでますのが、いかにもお苦しそうだから、早く出なくなりますようにと、私も思いますし、病人も痰を
咯
(
は
)
くのを
楽
(
たのし
)
みにしていらっしゃいますがね、
果敢
(
はか
)
ないじゃありませんか、それが
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
咯
部首:⼝
9画
“咯”を含む語句
咯血
咯々