)” の例文
仕事を探すにしても、女中の口より外にはなく、しかも赤ん坊というこぶがついているものだから、何処へ行ってもねられた。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
この人は京極安知よりも、人間が少し賢く生れてゐましたから、頭からねつけないで、金二駄ならば相談に乗つてもいいと答へたのです。
利休と遠州 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
が、老人としよりらしくもなく、手出ししてねられたという照れ臭さが、寝巻きの肩のあたりに見られた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
或るときは侮辱され、或るときは気の毒がられもしたが、ねられることに変りはなかった。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
常からりの合わねえ姉妹だ。それにあの師匠は淫乱よのう。男に貢ぐ金につけえて、お美野さんへ毎度の無心と来る。ねつけられて害意を起すのは、ま、あの女ならありそうなこった。
だが老嬢はプセットをしかと抱きしめ、しかめっ面をしてねつけた。
老嬢と猫 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
ねられれば拒ねられるほどつのってくるのがこの病だというし、それに幸吉は、若旦那だんならしくなまちろい自分の男ッりに多分の自信を持っているのだから、おれの男ッ振りにうちの財産がある以上
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
とおれは顔もあげないでねつけた。
ピストルの蠱惑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)