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果
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は
ふりがな文庫
“
果
(
は
)” の例文
果
(
は
)
たして、
真夜中
(
まよなか
)
のこと、ぶつかる
風
(
かぜ
)
のために、
家
(
いえ
)
がぐらぐらと
地震
(
じしん
)
のように
揺
(
ゆ
)
れるのでした。
風
(
かぜ
)
は
東南
(
とうなん
)
から、
吹
(
ふ
)
きつけるのでした。
台風の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其頃
(
そのころ
)
は
東京
(
とうきやう
)
の
家
(
いへ
)
を
疊
(
たゝ
)
むとき、
懷
(
ふところ
)
にして
出
(
で
)
た
金
(
かね
)
は、
殆
(
ほと
)
んど
使
(
つか
)
ひ
果
(
は
)
たしてゐた。
彼
(
かれ
)
の
福岡
(
ふくをか
)
生活
(
せいくわつ
)
は
前後
(
ぜんご
)
二
年
(
ねん
)
を
通
(
つう
)
じて、
中々
(
なか/\
)
の
苦鬪
(
くとう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
斯くて
果
(
は
)
つべきに非ざれば、
辛
(
やうや
)
く我れと我身に思ひ決め、ふと首を擧ぐれば、振鈴の響耳に迫りて、身は
何時
(
いつ
)
しか庵室の前に立ちぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
いよいよ野原がおしまいになって、わたしたちは
果
(
は
)
てしのない長い町の中にはいった。
両側
(
りょうがわ
)
には見わたすかぎり家が
建
(
た
)
てこんでいた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
果
(
は
)
た又、我が父祖の国をして屈辱の平和より脱せむが為めに再び正義の名を借りて
干戈
(
かんくわ
)
を動かさしむるの時に立ち至らざるや否や。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
忘
(
わす
)
れ
果
(
は
)
てて、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く、
其
(
その
)
家
(
や
)
を
音信
(
おとづ
)
れて
聞
(
き
)
くと、お
柳
(
りう
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
爾時
(
そのとき
)
……。あはれ、
草木
(
くさき
)
も、
婦人
(
をんな
)
も、
靈魂
(
たましひ
)
に
姿
(
すがた
)
があるのか。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
まず、りっぱな御門におどかされたお露は、とみにははいれずに、しばし門の前をいったり来たりしたが、これでは
果
(
は
)
てしがない……。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
建振熊命
(
たけふるくまのみこと
)
は、しまいには、これでは
果
(
は
)
てしがないと思い直して、急に味方の兵をひきまとめるといっしょに、向こうの軍勢に向かって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
二つの
掌
(
て
)
を口にかざしながら、雲とも
夕霧
(
ゆうぎり
)
ともつかない白いものにボカされている
果
(
は
)
てへ、声かぎり
呼
(
よ
)
び歩いてきた。
返辞
(
へんじ
)
がない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八穂 (朗詠する)お
姉
(
あね
)
えさま……いかなる恋に傷ついて……うち棄てられた岸のほとりで、あなたはお
果
(
は
)
てになりましたか……
喪服
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
恋愛を除きたる暁には恐らく美術も文学も価なき珠となり
果
(
は
)
つべけん、
彼
(
か
)
の軽佻なる元禄文学は遊廓内の理想家とも言つべき魔道文学者
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
昨夜
(
さくや
)
も、
一昨夜
(
いつさくや
)
も、
夕食
(
ゆふしよく
)
果
(
は
)
てゝ
後
(
のち
)
は
部室
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
を
開放
(
あけはな
)
して、
海
(
うみ
)
から
送
(
おく
)
る
凉
(
すゞ
)
しき
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、さま/″\の
雜談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
るのが
例
(
れい
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
時間の
果
(
は
)
てんとする頃、前の日に見覚えた若い婦人が、階段を上って行くのを認めたが、この日は別に階段の途中に立ちどまることもなしに
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
六年間
只奉公
(
ただぼうこう
)
してあげくの
果
(
は
)
てに痛くもない腹を探られたのは全くお
初
(
は
)
つだよ。私も今夜という今夜は、慾もへちまもなく腹を立てちゃった。
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
これらは
八三
顔子
(
がんし
)
が一
瓢
(
ぺう
)
の
味
(
あぢは
)
ひをもしらず。かく
果
(
は
)
つるを、
八四
仏家
(
ぶつか
)
には
前業
(
ぜんごふ
)
をもて説きしめし、
八五
儒門には天命と教ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
併
(
しか
)
し、
性
(
せい
)
の
上
(
うへ
)
の
共通
(
きようつう
)
といふ
事
(
こと
)
が、
果
(
は
)
たして、
思想
(
しさう
)
や
感情
(
かんじやう
)
の
共通
(
きようつう
)
といふ
事
(
こと
)
よりも、
重大
(
ぢうだい
)
な
影響
(
えいきやう
)
があるかどうか
疑問
(
ぎもん
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
男
(
をとこ
)
らしうも
女
(
をなご
)
らしうも
見
(
み
)
えて、
獸類
(
けだもの
)
らしうも
見
(
み
)
ゆる
見
(
み
)
ともない
振舞
(
ふるまひ
)
! はてさて、
呆
(
あき
)
れ
果
(
は
)
てた。
誓文
(
せいもん
)
、
予
(
わし
)
は
今少
(
もすこ
)
し
立派
(
りっぱ
)
な
氣質
(
きだて
)
ぢゃと
思
(
おも
)
うてゐたに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それでも
兄神
(
あにがみ
)
はやはり
約束
(
やくそく
)
を
果
(
は
)
たそうとしませんでした。すると
女神
(
めがみ
)
は
出石川
(
いずしがわ
)
の中の
島
(
しま
)
に
生
(
は
)
えていた
青竹
(
あおだけ
)
を
切
(
き
)
って
来
(
き
)
て、目の
荒
(
あら
)
いかごをこしらえました。
春山秋山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お
客
(
きやく
)
さまは
此處
(
こゝ
)
にと
示
(
しめ
)
したるまゝ
樓婢
(
ろうひ
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
下
(
お
)
り
行
(
ゆ
)
きたり
障子
(
しやうじ
)
の
外
(
そと
)
に
暫時
(
しばし
)
たゆたひしが
果
(
は
)
つべきことならずと
身
(
み
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
とても
今日
(
こんにち
)
一日
(
いちにち
)
では
行
(
ゆ
)
ききるまい、といふ
氣持
(
きも
)
ちを、
行
(
ゆ
)
き
果
(
は
)
つまじき
野
(
の
)
の
景色
(
けしき
)
かな、とかういつたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「
誰某
(
たれそれ
)
の
輩
(
はい
)
が、
行詰
(
ゆきづま
)
つた
果
(
は
)
てに、
箔
(
はく
)
をつけに
行
(
ゆ
)
くのと、
同
(
おな
)
じだと
思
(
おも
)
はれると、
大変
(
たいへん
)
な
間違
(
まちが
)
ひなんだ。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そこで、家来たちがさっそくその松の根元を
掘
(
ほ
)
って見ますと、
果
(
は
)
たして宝物の名刀が出て来ました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
簪
(
かんざし
)
だの、鬼灯だの、太白飴だの、葡萄餅だの、竹かんろだの、あやめ団子だの……そうした
果
(
は
)
かない、こまこました、縁日々々した露店が透きなくならんだのである。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
御承知
(
ごしようち
)
のように
日本
(
につぽん
)
は、
北
(
きた
)
は
北緯五十度三十分
(
ほくいごじゆうどさんじつぷん
)
の
千島
(
ちしま
)
の
果
(
は
)
てから、
南
(
みなみ
)
は
二十二度
(
にじゆうにど
)
の
臺灣
(
たいわん
)
にわたる
細長
(
ほそなが
)
い
島國
(
しまぐに
)
で、
地理上
(
ちりじよう
)
臺灣
(
たいわん
)
の
南部
(
なんぶ
)
は
𤍠帶
(
ねつたい
)
に、
本州
(
ほんしゆう
)
、
北海道
(
ほつかいどう
)
は
温帶
(
おんたい
)
に、
千島
(
ちしま
)
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
弾
(
はじ
)
かれた
煎豆
(
いりまめ
)
のように、
雨戸
(
あまど
)
の
外
(
そと
)
へ
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、
酔
(
よ
)
いも一
時
(
じ
)
に
醒
(
さ
)
め
果
(
は
)
てて、一
寸先
(
すんさき
)
も
見
(
み
)
えなかったが、それでも
溝板
(
どぶいた
)
の
上
(
うえ
)
を
駆
(
か
)
けだして、
角
(
かど
)
の
煙草屋
(
たばこや
)
の
前
(
まえ
)
まで
来
(
く
)
ると
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
列
(
れつ
)
の
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つ
日章旗
(
につしやうき
)
、
揚々
(
やう/\
)
として
肥馬
(
ひま
)
に
跨
(
またが
)
る
将軍
(
しやうぐん
)
たち、
色蒼
(
いろざ
)
ざめ
疲
(
つか
)
れ
果
(
は
)
てた
兵士
(
へいし
)
の
群
(
むれ
)
—
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
果
(
は
)
ては懷中から小さな
算盤
(
そろばん
)
を取り出し、節くれ立つた指で、やりにくさうに
彈
(
はじ
)
き出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
アルチュ・ツルグー(アルチュの
化身
(
けしん
)
という意味)が美しい女を女房にして寺の財産を
悉
(
ことごと
)
く女房の家に送って、
揚句
(
あげく
)
の
果
(
は
)
てに残りの品物をすっかり纒めてどこへか逃げてしまった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
文明進歩して罪を野蛮人に得る者というべし。学術技芸
果
(
は
)
たして何の効あるべきや。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
こんな者に
成
(
な
)
り
果
(
は
)
てまして、お目通りはいたさねえ筈でござんしたが、十年振りでこっちの方へ、流れてきたので思い出して、
他所
(
よそ
)
ながらお尋ねしてえと、きょう小半日うろついて
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
そなたも
知
(
し
)
る
通
(
とお
)
り、
俺
(
わし
)
は
自尽
(
じじん
)
して
果
(
は
)
てたのじゃが、この
自殺
(
じさつ
)
ということは
神界
(
しんかい
)
の
掟
(
おきて
)
としてはあまりほめたことではないらしく、
自殺者
(
じさつしゃ
)
は
大抵
(
たいてい
)
皆
(
みな
)
一たんは
暗
(
くら
)
い
所
(
ところ
)
へ
置
(
お
)
かれるものらしい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「疑いが晴れて何よりでござる、お
訊
(
たず
)
ねを受けて名乗る程の者でもござらぬが、いかにも以前は弓矢取る身、九州菊池の一党にて、磯貝平太左衛門武行が成れの
果
(
は
)
てでござりますわい」
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
元来神は、吾人の見る事の出来ぬ
渺漠
(
びょうばく
)
たるもの、
果
(
は
)
ては、広大無限、不可思議の宇宙を造り、その間には、日月星辰山川草木と幾多の潤色がしてある。今我が立てる処もまたその撰にもれぬ。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
普通人の生活といふものを、その女のところではじめて知つた、深い、
消
(
け
)
せない思ひ出があればこそ、
果敢
(
はか
)
なく
果
(
は
)
てた、夕顏の宿の女も心にのこつて、いつまでもいつまでも消えなかつたのだ。
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
エヒミチは
窓
(
まど
)
の
所
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて
外
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
むれば、
日
(
ひ
)
はもうとツぷりと
暮
(
く
)
れ
果
(
は
)
てゝ、
那方
(
むかふ
)
の
野廣
(
のびろ
)
い
畑
(
はた
)
は
暗
(
くら
)
かつたが、
左
(
ひだり
)
の
方
(
はう
)
の
地平線上
(
ちへいせんじやう
)
より、
今
(
いま
)
しも
冷
(
つめ
)
たい
金色
(
こんじき
)
の
月
(
つき
)
が
上
(
のぼ
)
る
所
(
ところ
)
、
病院
(
びやうゐん
)
の
塀
(
へい
)
から百
歩計
(
ぽばか
)
りの
處
(
ところ
)
に
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
両眼殆んど凍傷に
罹
(
かか
)
りたるか、色朱の
如
(
ごと
)
く、また足は氷雪の上を
引摺
(
ひきず
)
りしため、全く凍傷に罹る等実に散々の
体
(
てい
)
に打ち悩まされ、ここに気力全く
尽
(
つ
)
き
果
(
は
)
てて、終に
何時
(
いつ
)
となく、人事不省に
陥
(
おちい
)
りたり
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
杣夫なる尾張屋爺はさむらいの
成
(
な
)
れの
果
(
は
)
てなり剣術を知る
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
また、
浮
(
う
)
きのこる
鬱金香
(
うこんかう
)
。
暮
(
く
)
れて
果
(
は
)
てたる
白牛
(
しろうし
)
の
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ああ白骨! これはなんぴとの
果
(
は
)
てであるか?
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
波頭に 白く まろく、また
果
(
は
)
かなく
海辺小曲(一九二三年二月――)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
打つも
果
(
は
)
てるも火花のいのち
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
夫
(
せ
)
の伊佐奈
呼息
(
いき
)
たえ
果
(
は
)
てぬ。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
癡
(
うつ
)
け
果
(
は
)
てじと投げぬれば
騎士と姫
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
ために
果
(
は
)
つ
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
やがて、とことはの
闇
(
やみ
)
となり、
雲
(
くも
)
は
墨
(
すみ
)
の
上
(
うへ
)
に
漆
(
うるし
)
を
重
(
かさ
)
ね、
月
(
つき
)
も
星
(
ほし
)
も
包
(
つゝ
)
み
果
(
は
)
てて、
時々
(
とき/″\
)
風
(
かぜ
)
が
荒
(
あ
)
れ
立
(
た
)
つても、
其
(
そ
)
の
一片
(
いつぺん
)
の
動
(
うご
)
くとも
見
(
み
)
えず。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いかに時頼、
人若
(
ひとわか
)
き間は皆
過
(
あやま
)
ちはあるものぞ、萌え
出
(
い
)
づる時の
美
(
うる
)
はしさに、
霜枯
(
しもがれ
)
の哀れは見えねども、
何
(
いづ
)
れか秋に
遭
(
あ
)
はで
果
(
は
)
つべき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
舵
(
かじ
)
をとるさえ
懶
(
ものう
)
き海の上を、いつ流れたとも心づかぬ間に、白い帆が雲とも水とも見分け難き
境
(
さかい
)
に
漂
(
ただよ
)
い来て、
果
(
は
)
ては帆みずからが
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
軒
(
けん
)
として
満足
(
まんぞく
)
な
家
(
うち
)
が
建
(
た
)
っていないばかりか、たいていは、
波
(
なみ
)
にさらわれてしまったとみえて、一
面
(
めん
)
荒
(
あ
)
れ
果
(
は
)
てた
野原
(
のはら
)
に
変
(
か
)
わっていたのです。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれの顔つきを見ていると、
憲兵
(
けんぺい
)
としてかれはわたしの言いつけを
果
(
は
)
たすよりも、
弁護人
(
べんごにん
)
としてゼルビノをかばってやりたいように見えた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「敵空軍の目をのがれるため、外観は出来るだけ
荒
(
あ
)
れ
果
(
は
)
てたままにしておいた。しかし、あの煙突だけは、仕方なく建てた」
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
果
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
“果”を含む語句
効果
結果
果物
無花果
果實
因果
果実
相果
效果
果然
果報
朽果
果敢
果合
仏果
成果
倦果
無花果樹
其果
苹果
...