)” の例文
さて上に引いた至親の同姓婚を畜生がじて自害自滅したのが事実ならば、ある動物に羞恥の念ある証としてすこぶる有益だが
露置く百合ゆりの花などのほのかに風を迎へたる如く、その可疑うたがはしき婦人のおもて術無じゆつなげに挙らんとして、又おそれたるやうに遅疑たゆたふ時
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ついついそれに言葉がわたった自分というもののたしなみの浅いことを、一方ひとかたならずじもし、悔いもする心に責められました。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この時の事は後々のちのちまで渋江の家の一つ話になっていたが、五百は人のその功を称するごとに、じて席をのがれたそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
王侍御は王給諌がいよいよ自分を中傷しようとするしたがまえだと思ったので、じると共にひどく恐れて、はっきりと返事をすることができなかった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ああ思慮しりょ知識ちしき解悟かいご哲学者てつがくしゃ自若じじゃく、それいずくにかると、かれはひたすらにおもうて、じて、みずか赤面せきめんする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
されば褒むるもけなすも、遂に甲斐なき業ならずや。唯だいぶかしきは、君はまだ讀まぬ書をいひおとし給ふことの苛酷なることぞといふ。われは心にぢて、我詞の全く師の口眞似なるを白状したり。
客はじたようなふうであった。客はまた言った。
胡氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その常にぢかつくゆる一事を責められては、えざるきずをもさかるる心地して、彼は苦しげにかたちをさめ、声をもいださでゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紀州湯浅町の良家の若い妻が盆踊りを見に往きて海岸に徜徉しょうようするところを、壮漢数輩らっして沖の小島へ伴れ行き輪姦せしを本人も一族もじて
あゝ思慮しりよ知識ちしき解悟かいご哲學者てつがくしや自若じゝやくいづくにかると、かれ只管ひたすらおもふて、ぢて、みづか赤面せきめんする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
小翠は自分のあやまちじて王夫妻の前へいってあやまった。王はちょうど免官になって不平な際であったから怒って口をとがらしてののしった。小翠も怒って元豊の所へいっていった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そんなみだらなことに身を過つのをずる心の方が強かったからであります。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
純一はたちまち肌の粟立あわだつのを感じた。そしてひどく刹那せつな妄想もうそうじた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
昨今日本に多い不義にして富みかつ貴き輩の子が父の事を語るをずるのあまり、その母は大名の落胤公家の余孽よげつだったなど系図に誇るも似た事だ。
彼等はその無分別をぢたりとよりは、この死失しにぞこなひし見苦しさを、天にも地にもさらしかねて、しも仰ぎも得ざるうなじすくめ、なほも為ん方無さの目を閉ぢたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
五百がこの有様を夫に話すと、抽斎は栄次郎の同窓で、妻の姉壻たる宗右衛門の身の上を気遣きづかって、わざわざ横山町へさとしに往った。宗右衛門は大いにじて、やや産業に意を用いるようになった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
五十男はじ入って下を向いてしまっているのを上人は
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かくてかんがうると大国主神おおくにぬしのかみは蛇を族霊トテムとして、他部族の女に通いしが、蛇を族霊とする部族の男と明かすを聞いて女驚くを見、じて絶ち去ったと見える。
新婦の房に入らんとてうやうやしく座を起たんとし、一発高く屁をってけり。衆客彼じて自殺せん事を恐れ、相顧みてわざと大声で雑談し以て聞かざる真似した。
また中士の作法を問うと耳を捉えると答えた、下士虎を殺さば如何どうすると問うと、虎の尾を捉えると答えたので子路自分の下士たるをじ尾を出して棄てたとある。
じて蛇になった例は、陸前佐沼の城主平直信の妻、佐沼御前やかたで働く大工の美男を見初みそめ、夜分ねやを出てその小舎を尋ねしも見当らず、内へ帰れば戸が鎖されいた。
衆人これを聴いて大いにじ入り、会飲ののち将軍を取り囲みその舎を焼かんとす。いわく婦女嫁入り前に必ずすべて汝に辱しめらるるはどうも堪忍かんにんならぬ故、汝を焼き殺すべしと。