トップ
>
氣障
>
きざ
ふりがな文庫
“
氣障
(
きざ
)” の例文
新字:
気障
「それぢや、ほんの一と丁場だ、——送つて上げるのも
氣障
(
きざ
)
だ。醉つ拂ひか何かに
絡
(
から
)
み付かれたら、大きな聲を出しなさるが宜い」
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
門を出て右へ曲ると、智惠子は
些
(
ちつ
)
と學校を振返つて見て、『
氣障
(
きざ
)
な男だ。』と心に言つた。故もない微笑がチラリと口元に漂ふ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
石碑
(
せきひ
)
を
力
(
ちから
)
だ==
右
(
みぎ
)
に
行
(
ゆ
)
けば
燕州
(
えんしう
)
の
道
(
みち
)
==とでもしてあるだらうと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
りや、
陰陽界
(
いんやうかい
)
==は
氣障
(
きざ
)
だ。
思出
(
おもひだ
)
しても
悚然
(
ぞつ
)
とすら。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
甚だ
氣障
(
きざ
)
な申分ではあるが、久保田君の寫實主義を認めるのは、東京の人でなければ難かしいと思ふ。
貝殻追放:015 「末枯」の作者
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「態度はあなたの趣味には
適
(
あ
)
はないとあなたは云つたと思ふけれど?——
氣障
(
きざ
)
で
坊主臭
(
ばうづくさ
)
いつて?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
其滿足
(
そのまんぞく
)
な
顏
(
かほ
)
、
人
(
ひと
)
を
見下
(
みさげ
)
るやうな
樣子
(
やうす
)
、
彼
(
かれ
)
を
呼
(
よ
)
んで
同僚
(
どうれう
)
と
云
(
い
)
ふ
言
(
ことば
)
、
深
(
ふか
)
い
長靴
(
ながぐつ
)
、
此等
(
これら
)
は
皆
(
みな
)
氣障
(
きざ
)
でならなかつたが、
殊
(
こと
)
に
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
るのは、
彼
(
かれ
)
を
治療
(
ちれう
)
する
事
(
こと
)
を
自分
(
じぶん
)
の
務
(
つとめ
)
として、
眞面目
(
まじめ
)
に
治療
(
ちれう
)
をしてゐる
意
(
つもり
)
なのが。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
氣障
(
きざ
)
な
奴等
(
やつら
)
の居ないとこ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
明神下の早春の朝陽は、まことに快適で、お長屋の風情は貧乏臭くとも、『大變ツ』などといふ
氣障
(
きざ
)
つぽいものの
氣振
(
けぶり
)
もなかつたのです。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我知らず熱心になつて、時には自分の考へを言つても見るが、其麽時には、信吾は大袈裟に同感して見せる。歸つた後で考へてみると、男には矢張り
氣障
(
きざ
)
な
厭味
(
いやみ
)
な事が多い。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
殷鑑遠からず所謂鏡花會の人々の中などには鼻持ちもならぬ
氣障
(
きざ
)
な
代物
(
しろもの
)
が多いさうである。
貝殻追放:011 購書美談
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
少
(
すこ
)
し
氣障
(
きざ
)
だが、
色氣
(
いろけ
)
があるのか、
人事
(
ひとごと
)
ながら、
私
(
わたし
)
は
恥
(
は
)
ぢた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんな
氣障
(
きざ
)
なんぢやありません。御存じでせうが、私の妹分のお玉、——あの
娘
(
こ
)
が見えなくなつたのです」
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
無理解の周圍の中に生活する事は、吾々にとつて最も悲しい事であるが、「鳥のなげき」の
浮
(
うは
)
ついた
氣障
(
きざ
)
ないひあらはしは、その悲しみを賣物にしてゐるやうな推察を起させる。
貝殻追放:006 「八千代集」を読む
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
と
身振
(
みぶり
)
をして、
時々
(
とき/″\
)
頬摺
(
ほゝずり
)
、はてさて
氣障
(
きざ
)
な
下郎
(
げらう
)
であつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんな
氣障
(
きざ
)
なものには附き合ひませんよ。
玉
(
ぎよく
)
も揚代も無しの、眉を落した華魁の顏を、マジマジ見るケエなんか、憚り乍らこちとらの好みには合ひやしません」
銭形平次捕物控:280 華魁崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
氣障
(
きざ
)
な
奴
(
やつ
)
だぜ。」
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんな
氣障
(
きざ
)
なんぢやありませんよ。金はふんだんにあるし、うまい物は腹一杯に食べてゐるし、女の子はうるさいほど付き
纒
(
まと
)
ふし、此樣子ぢやどうも身が保てねえ」
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親父の玄龍は
氣障
(
きざ
)
だが、殺された娘は評判ものでしたよ。氣輕で愛嬌があつて、色つぽくて——」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな
氣障
(
きざ
)
なことは言やしません。綺麗なのは皮一重だが、あの内儀は心の底からの貞女だ」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何を言やがる、『春ともなれば』も
氣障
(
きざ
)
だが、『人間の雌』は聽き捨てにならねえ
臺詞
(
せりふ
)
だ」
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな、
氣障
(
きざ
)
な話ぢやありませんよ。あつしはこの三日の間、金掘りに夢中だつたんで」
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「百兩の褒美は
氣障
(
きざ
)
だが——二千兩の小判が消えてなくなるのは陽氣のせゐぢやあるめえ」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へツ、へツ、へツ、そんなに
氣障
(
きざ
)
なんぢやありません。御用向きのことですよ」
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あんまり心掛けの良いのも
氣障
(
きざ
)
ですね。兎も角、喜三郎の人氣は大變なもんですよ、近所ばかりでなく、神田、下谷、淺草へかけて、忠義酒屋と言へば知らないものはありやしません」
銭形平次捕物控:161 酒屋忠僕
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
氣障
(
きざ
)
なの、贅澤なの、
通
(
つう
)
がつたの、ノラクラ者らしいのを狙つて、煙草入を拔くか、財布をかすめるか、精一杯に二分や一兩の收入が山で、胴卷や紙入を拔いて、死ぬの生きるのと言つた
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところで、その近づきの印に、
氣障
(
きざ
)
なやうだが、手を握らせてくれ」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「大丈夫ですよ、そんな
氣障
(
きざ
)
なものは振り向いても見やしません」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな
氣障
(
きざ
)
なもんぢやありません、お濱が來ましたよ」
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな
氣障
(
きざ
)
な話ぢやありませんよ。ね、親分」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの歳で、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
でないのが
氣障
(
きざ
)
ですね」
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あツ、何をするのさ、
氣障
(
きざ
)
だね」
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そいつは
氣障
(
きざ
)
だね」
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
氣
部首:⽓
10画
障
常用漢字
小6
部首:⾩
14画
“氣”で始まる語句
氣
氣色
氣味
氣遣
氣持
氣勢
氣質
氣分
氣高
氣紛