きざ)” の例文
それ故蛇を殺すにはなるべく多くの細片に切りきざめばことごとく継ぎ合うに時が掛かる、その内に日がるから死んでしまうそうじゃ。
隠居した後も、道を行きつつ古草鞋ふるわらじを拾って帰り、水に洗い日にさらして自らきざみ、出入の左官に与えなどした。しかし伊兵衛は卑吝ひりんでは無かった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたしぁ桑摘むぬしきざまんせ、春蚕はるご上簇あがれば二人ふたり着る。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
医者になるならどこよりも、流行る伊沢へ五六年、読書三年匙三月、薬きざみや丸薬や、頼まうどうれの取次や、それから諸家へ代脈に、往つて鍛ふが医者の腕、それを
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)