跪座きざ)” の例文
「無礼者。わらわを知らぬか」と一睨いちげいすると、呉一郎は愕然たるおももちで鍬を控えて立止ったが、「アッ。貴女あなたは楊貴妃様」と叫びつつ砂の上に跪座きざした。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いつの間に無礼講の席を遁がれて、このような所へ来たものか、白芙容の咲いているそれを横手に大地に跪座きざして謹ましく、そう言上しているのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かう言つて、祖父はいつも線香を立てゝ跪座きざしてゐた。
迅雷 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
酒ある時跪座きざし酒なき時ころ
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)